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【2024年6月更新】ワーケーションの魅力!  メリットや導入事例など徹底解説!

ワーケーションとは、「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」を合わせた言葉で、旅行や帰省中の一部の時間を仕事に当てるといった働き方を指します。この制度によって、日本人がためらいがちな長期休暇を取りやすくなり、有給休暇取得の促進とワークライフバランスの向上につながります。今回は、ワーケーションの意味とメリット、リモートワークとの違い、導入事例について解説していきます。

ワーケーションとは

ワーケーションとは、「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」を組み合わせた言葉で、文字通り、仕事と休みを組み合わせた働き方のことを意味します。元々はアメリカで始められたと言われており、観光地など休暇を過ごす場所で休暇を兼ねてリモートワークを行う働き方を指すことが多いですが、必ずしもリモートワークである必要はなく、会社のオフィスごとリゾート地に移すというケースも「ワーケーション」と呼ぶことがあります。コアタイムを設ける場合もあれば、設けずにより働き方の自由を確保する場合もあり、一言に「ワーケーション」と言っても様々な形がありえます。
ワーケーションとリモートワークとの違いは、場所の指定があるかないかというような説明がなされることもあります。しかし、それも会社によって様々で、場所の指定がなく労働時間の制約も強くないリモートワーク制度を導入しているような場合は、事実上ワーケーションとの違いがほとんどなくなることもあります。観光庁の資料によると、ワーケーションの認知度は2020年度から2021年度にかけて48.5%から66%に増加しており、注目度の高さが伺えます。

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引用元:
国土交通省 観光庁. 「新たな旅のスタイル」に関する実態調査報告書

ワーケーションのメリット

長期休暇の促進

一般的な会社では、自分が休んでも他の業務は進み続けるので、年末年始やお盆を除けば長期の休みが取りにくいという職場が多いと言われています。しかし、完全に休むのではなく、ワーケーションによって休暇と仕事を組み合わせることで、休みを取りながらも最低限の仕事は続けられるという状況がつくれます。
いつもの職場にいたままでも、時短勤務やフレックスタイム制による早めの退勤などは可能なはずですが、普段と同じ場所にいると日常と変わらず、ついつい通常通りに働いてしまい、結局休めなかったということになりがちです。そのため、場所をリゾートなどに移して、あくまで休みをメインとして少しだけ働くという形をとれるようにしておけば、社員の長期休暇取得の促進につながります。

社員の会社への満足度の向上

ワーケーションによって移動する先は必ずしもリゾートでなくてよく、勉強やボランティアなどのために普段いる場所から離れたい社員にとっても利用しやすい制度です。仕事以外の場における社員の自己実現ができるように会社側が支援をすることによって、会社への満足度の向上が期待できます。

 

ワーケーションのデメリット

労務管理などの制度の見直しが発生

ワーケーションに限らず、リモートワークはこれまで働いていた場所とは全く違う場所で業務を行うので、通勤中の労災や通勤手当の扱い、労働時間の管理方法など、労務管理に関する様々な点を新たに見直さなければなりません。やってみないとわからない部分も多く、制度を変えることが現場にとってはコストになり得ることに注意が必要です。

同僚とのコミュニケーションの減少

普段の職場から離れて仕事をし、さらに労働時間も減少すると、必然的に他の同僚との会話の時間が減少し、効率的な業務遂行に必要な円滑なコミュニケーションをとることが難しくなるという事態になりかねません。しかし、逆に言えば邪魔をされずにひとりで仕事に集中できる環境をつくることも可能であり、業務の種類によってはコミュニケーションの減少はメリットになることもあるでしょう。

 

ワーケーションの導入事例

リモートワークを導入している企業の中には、ワーケーションという名称こそ用いていないものの、旅行しながら働くことが可能であることを自社のウェブサイトなどでアピールしている場合があります。ワーケーションという言葉がまだまだ日本で馴染みのあるものではないことも考慮し、そのような企業も含めて各社のワーケーション事情について紹介します。

株式会社インテリジェントウェイブの場合

株式会社インテリジェントウェイブ(IWI.)は、2022年から「Stayworkプログラム」と呼ばれる、ワーケーション制度を試験導入しました。本制度は、従業員が最長10営業日、IWI函館オフィスや関連会社(株式会社ODNソリューション)の沖縄にある本社オフィスで働き、勤務時間外に休暇を楽しむ制度となっています。また、参加従業員に対する補助として1営業日につき1万2000円を支給し、プログラム参加期間中の休暇も可能としています。

本制度に参加した従業員からは、「新しい環境や周囲の自然と触れ合うことで気分転換ができ、生産性が向上した」といったポジティブな意見が寄せられています。アンケート結果による、参加した従業員の7割以上が生産性の向上を実感したそうです。

日本航空の場合

日本航空(JAL)は2017年7月からワーケーションを導入しています。同社ではそれ以前から在宅勤務やテレワークの制度を試験的に導入していましたが、仕事をする場所は自宅や上司が認めた特定の場所などに限られていたために、社員の選べる働き方の幅はあまり広がりませんでした。しかし、ワーケーションの導入によって働く場所の指定がなくなり、社員はどこでも働けるようになりました。「トラベルWatch」の記事によれば、2017年度夏期の利用者は11名、2018年度夏期は78名(上期総計91名)と、年々増加しているようです。
日本航空は、鹿児島県徳之島町と富士ゼロックス鹿児島が運営する徳之島ワーケーション実証事業にも参画しています。この事業には社員だけではなく社員の家族も参加し、現地のコワーキングスペースを利用したそうです。

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LASSICの場合

鳥取県に本社を置くシステムインテグレーション事業の株式会社LASSIC (ラシック)は、海外リモートワークを認めており、自社のウェブサイト上でその詳細な様子をコラムという形で伝えています。スウェーデンのような時差の大きい場所で働くことも可能であり、リモートワークという名前を用いながらも働く場所に厳しい制限はないため、実質的には本稿が紹介するワーケーションと同じように運用されています。
同社のウェブサイトで紹介されている海外リモートワークの様子は、リモートワークをどのように行っているかだけではなく、実際にどのような暮らしを送っているかということまで事細かにわかるので、仕事以外の生活の部分を実際にどう楽しんでいるのかをうかがい知ることができます。

 

まとめ

働き方改革の推進が求められている中で、ワーケーションの導入は、社員が長期休暇を取りやすくなるような仕組みとして非常に有効な方法です。とはいえ、まだまだ日本でワーケーションという言葉の知名度は低いため、ワーケーションの事例を探す際には、リモートワークをワーケーションに近い形で運用しているものを参照するとよいでしょう。

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