ヒューマンエラーとは?ヒューマンエラーの解決策とともに解説

ヒューマンエラーとは、人間が原因となって発生するミスのことを指します。職場においてもヒューマンエラーは発生しやすく、そのような人為的ミスがきっかけで大きな損失を引き起こす場合もあるため、企業は対策が必要です。解決策の一つとして、職場環境の整備が挙げられます。ヒューマンエラーを未然に防ぐ機能の導入やマニュアル整備などを行い、安全な職場づくりを心がけ人為的なミスを減らしましょう。

    

ヒューマンエラーについて知ろう

ヒューマンエラーとは

ヒューマンエラーは、人間がうっかりミスや錯覚により「意図せず」に行ったことで発生するミスや事故のことです。すなわち、意図しない結果を生じる人間の行為を指します。たとえば、その行動によってもたらされる正解の結果を想定して、行動したにもかかわらず何らかのアクシデントが発生してしまった状態です。従って、ヒューマンエラーは、「確認を怠った」「勘違いしていた」というように過去形で表現される出来事であり、かつ結果が好ましくない状態であるときに後から言われるものが該当します。ヒューマンエラーは、予防はできてもゼロにすることはできないため、ミスが起きてもその影響が最小限に済むような仕組みをつくっておくことが重要です。

不安全行動とは

不安前行動は、本人や他人の安全を阻害する意図を持たずに、行為者がリスクを伴う行為を「意図的に」行うことです。すなわち、自分や周囲の人を危険な目に合わせるつもりはないものの、安全面より手間や労力、時間、コストを省くことを優先して起こす行動を指します。多くの場合、「これくらい大丈夫だろう」「長年の経験があるから」など慣れや過信から「やるべきこと」を「やらない」あるいは「やってはならないこと」を行うのです。たとえば、保護具を着用しない、危険な場所に近づく、安全装置を無効にする、などが挙げられます。なお、無事に作業を終えるはずが、事故が起きた場合などその行動が意図しない結果となった場合は「ヒューマンエラー」となります。

ヒューマンファクターとは

作業環境、施設や設備、教育訓練、企業の安全への取り組みなど、人間を取り巻くさまざまな要因のことをヒューマンファクターと言います。不安全行動を行うかどうかは、危険と認識しながらもあえて行動する「リスクテイキング」の傾向など個人的な要素だけでなく、職場環境や企業風土など行為者が置かれている状況も大きく影響するのです。たとえば、職場において、不安全行動を容認していたり、安全に対するリスク管理意識が不足していたりする場合は、ヒューマンエラーや不安全行動によるミスや事故が起こりやすくなります。


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ヒューマンエラーの原因

ヒューマンエラーのタイプ別の原因は以下のとおりです。

〈ついつい・うっかり型の記憶エラー〉

  • 覚えられない
  • 正しく続けられない
  • 思い出せない

〈ついつい・うっかり型の認知エラー〉

  • 見逃す・聞き逃す
  • 見間違える・聞き間違える
  • 認識を間違える

〈ついつい・うっかり型の判断エラー〉

  • 今、どんな状況か、次に何をすれば良いかの判断を間違える

〈ついつい・うっかり型の行動エラー〉

  • 方法、手順を間違える

〈ついつい・うっかり型の全エラー共通〉

  • 過度な集中や長時間の集中を要求される
  • 作業環境に疲労やストレスを感じている

〈あえて型〉

  • 決まり事の内容と必要性の理解不足
  • 決まり事の納得不足

決まり事を守る意識が職場全体で不足している

    

ヒューマンエラーの解決策

風通しのよい環境づくりを徹底する

ヒューマンエラーを防ぐためには、困りごとや不明点を気軽に相談できるような風通しのよい環境づくりを徹底することが不可欠です。不明点について質問できない場合、自己判断で行動しミスをするといったヒューマンエラーが起こりやすくなります。日頃から社員がお互いを尊重し、円滑なコミュニケーションを図れる雰囲気の職場環境にしておくことが重要です。

ヒヤリハットを共有する

ヒヤリハットとは、危険なことが起こったものの、幸い事故やトラブルに至らなかった事象のことです。報告すべきか迷うような小さな出来事であっても、ヒヤリハットを体験した場合はすぐに報告できる体制を整えておきましょう。報告がなければヒヤリハットを把握できず、事故を未然に防げません。また、報告した人を責めるような雰囲気にならないよう配慮も必要です。報告を受けたら、ヒヤリハットとその対応策について職場全体で共有しましょう。

危険予知訓練(KYT)を実施する

危険予知訓練(KYT)とは、職場や作業の状況のなかに潜む危険要因とそれが引き起こす現象をさまざまな対策を講じて行動する前に解決する訓練のことを言います。KYTは、危険(Kiken)、予知(Yochi)、トレーニング(Training)それぞれの頭文字をとったものです。この訓練では、危険予知訓練の基礎手法であるKYT基礎4ラウンド法の進め方は以下となります。

ラウンド 危機予知訓練の4ラウンド 進め方
1R どのような危険が潜んでいるか 職場や作業の状況を描いたイラストシートを提示し、その中に潜む危険を発見し、その結果どのようなことが起こるかを話し合い、チームで共有する
2R これが危険ポイント 発見した危険要因のうち、重要だと思われるものに印をつけ、「危険ポイント」として指差し唱和で確認する
3R あなたならどうする 印をつけた危険ポイントの具体的な対策案を出し合う
4R 私たちはこうする 対策の中から重要だと思われるものをしぼりこみ、印をつけ「重点実施項目」とし、それを実践するための「チーム行動目標」を設定し、指差し唱和で確認する

まとめ

今回は、ヒューマンエラーの概要や発生する原因、解決策について解説しました。ヒューマンエラーを防ぐために、日ごろから風通しのよい職場づくりやヒヤリハットの共有、危険予知訓練を徹底しておくことが重要です。また、ミスが起きた場合でも、すぐに気がついて被害を最小限に抑え、リカバリーする仕組みをつくっておく必要があります。自社の業務内容に合った対策を講じるようにしましょう。

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