東日本大震災を境に企業のBCP策定に対する注目度は一気に高くなりました。BCPとはBusiness Continuity Planの略。企業の視点としてはビジネスを継続(continue)するという目標がありますが、何よりも従業員の命を守ることが大事。従業員あってのビジネス継続です。大切な人材の命を守るために、起こり得るケースを想定しながら、中小企業が災害の事前対策としてできることとその考え方について紹介します。今回は地震災害について、見ていきましょう。
中小企業こそ事前防災対策が必要!
これまでに数多くの震災を経験した日本ですが、地震対策やBCP策定を実施していない中小企業は実に多いようです。大企業のように、まだ起きていないことに予算をかける余裕がない……。少人数だからそこまでの対策は必要ない……。その理由はさまざまでしょうが、中小企業だからこそ、事前対策が重要なのです。
その理由は極めてシンプル。規模が小さいだけに、震災による影響がクリティカルなものになってしまうから。「大企業のように、事業継続を代替する規模がない」、「人材が少数だけにそれが失われると打撃も大きい」、「顧客が他社のサービスに切り替え、ビジネス機会を失ってしまう。その分、事業に与える影響も大きい」など、例を挙げていけばキリがありません。
つまり、どれだけ属人性を排除しようとしても、人によるところが大きい中小企業だからこそ、人が大事です。従業員の安全確保が、復旧要員の確保に直結することを再認識し、災害に備えて従業員を守ることを真剣に考えなければなりません。
常識にとらわれない! 自社の現状に合わせた対策を
地震大国日本では、多様な防災マニュアルや関連する商品やサービスが存在します。それらを活用することはもちろん大切ですが、本当に必要なのは、災害が発生した時に「自分たちがどうなるか」を想定し、その対策を練っておくことです。
例えば、企業で行われる避難訓練。実際に大地震が発生した時の状況を具体的に想像している人はどれほどいるでしょうか。その時、何が落ちてきて、器物はどのように破損するのか。ビルの構造上、もっとも安全な場所はどこなのか……。そこまでしなければ、地震対策にはなりません。よく、地震が発生したら「机の下に隠れろ」と言われます。確かに「落下物から身を守る」という意味では正しいのですが、それはオフィスの状況によって異なります。周囲に落下物がなかったとしたら……? その間にドアが開かなくなってしまったら……?
大切なことは、防災対策は自分たちの環境を基に考えること。そして、それがなぜ必要で、何のために決められているのかを考えること。目的を考えれば、必然的に何が危険で、安全を守るにはどうすればいいかが見えてくるのです。
シーン別地震対策! その時、あなたはどうする?
突然、大規模な地震に見舞われたら、誰だって冷静に行動できないもの。事前にあらゆるシーンを想定し、「いざ!」という時に困らない、最善の行動をとれるように準備しておきましょう。
地震のときに起こりうる様々な場面を知りたい方は、ぜひ下記から資料をダウンロードしてください!
またダウンロード資料の末尾には、災害時に役に立つ一覧表を用意しています。これらは、ウィズワークス出版の『中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド』に掲載されているものの一部です。
著者の高荷 智也氏が運営するサイト『備える.jp(BCP解説コーナー)』や出版社のウィズワークスが運営する「月刊総務オンライン」では、BCP対策や総務のお役立ち情報が掲載されています。ぜひこちらも参考にしてみてください。