従業員の表彰制度や従業員向けセミナーなど、社内イベントは開催することによって、社内のチームビルディングやモチベーション向上に効果を発揮します。今回は、業界の違う3社の社内イベントの担当者の方を招いて、過去に行った具体的な取り組みについてお話を聞いてきました。
参加者の紹介
- Aさん 精密機器メーカーで、総務・専務役員秘書を行っています。スケジュール管理や出張手当などサポート業務だけでなく、チームビルディングにも関わっています。
- Bさん 外資系医療機器メーカーで、従業員やお客様のトレーニングに携わっています。ここ一年は社内全体のイベントをコーディネートしています。
- Cさん
税務支援を行う団体で、経営企画を担当しています。勤続年数は12年ほどで、個人の方のサポートも行います。
従業員表彰制度
somu-lier編集部
チームビルディングや社内企画について伺いたいと思います。まず、Cさんは従業員表彰や商談会・セミナーの企画をされていると思うのですが、まずは従業員表彰についてお聞かせいただけますか。
Cさん
会社では勤務年数が10年目・20年目・30年目ごとに、10年単位で勤続表彰を行っています。表彰状と景品を渡しています。
somu-lier編集部
皆様の会社にも、勤続年数の表彰といったものはあるのでしょうか。
Bさん
3ヶ月に一度のペースで、アジア地域全体で、目覚ましい成果を上げた方を対象にテーマごとの表彰を行います。
Aさん
5年、10年、15年、20年目の方を対象にした永年勤続表彰や、その年度で際立った業績を上げた方を表彰する制度があります。
somu-lier編集部
当社にも過去には、10年、15年、20年など勤続年数の節目の年に表彰する制度がありました。自社製であるウォークマンやテレビなどの製品を選択することができました。
somu-lier編集部
皆様の会社では何か報酬はありますか。
Cさん
金一封がもらえます。
Aさん
勤続年数の年数に伴った休暇とお金がもらえます。年度アワードの表彰では、記念品とお金がもらえます。頑張った分が還元される感じがして嬉しいです。
Bさん
勤続表彰では金一封と休暇がもらえます。業績の表彰に関しては、金やクリスタル製の盾が贈られます。やはり、表彰されると来年も頑張ろうとモチベーションが上がります。
somu-lier編集部
Cさんは企画運営を担当されていますが、表彰により従業員が喜んだ、前向きになったという声はありますか。
Cさん
コロナ禍ということもあり対面で表彰状を渡せなかったのですが、皆の前で表彰されたことは喜んでいると思います。
- まとめ:表彰制度
永年勤続表彰や成果表彰が主な内容で、記念品としては自社商品や金一封の他、休暇を付与されているようです。表彰や記念品は、従業員の頑張りが評価された証であり、今後も頑張ろうというモチベーションに繋がっているのではないでしょうか。
改善活動コンテスト
somu-lier編集部
Aさんの会社では、改善活動に関する全社的なコンテストを行っていると伺っておりますが、具体的にどのようなイベントなのでしょうか。
Aさん
改善活動は一年間をかけてチームで取り組むものです。自分の業務の中で改善点を見つけて、チームでPDCAを回して企画を立案、チーム戦で上位を競っていくようなスタイルです。
somu-lier編集部
チーム戦はどのように行うのですか。
Aさん
本部ごとに選出された優秀チームで決勝トーナメントを行います。上位に入ってくるのは、コスト削減などコストに関わるテーマが多い印象です。
Bさん
あらかじめ会社が設定したテーマに、各自エントリーしていくのでしょうか。
Aさん
テーマは自由で、紙の稟議を電子稟議に変更する、ラインの組み立てを変えてみるなど、エントリー内容はチームによって様々です。
somu-lier編集部
異なるテーマを持つ方達は、どうやって集まるのでしょうか。
Aさん
全社横断型のチームもあれば、共通の改善点を持つ部署や同期で組んでいるチームもありますね。
Bさん
チームとして部署横断的に取り組むので、部署をまたいだ交流ができ、社内の知り合いが増え、コミュニケーションが促進されているのですね。
Aさん
おっしゃる通りです。
somu-lier編集部
毎年行うのは大変ではないですか。
Aさん
上位に残る課題は大きいテーマなので、テーマ探しは結構大変ですね。それでも、コンテストで勝ち上がっていく方式なので、ゲーム感覚で楽しいです。
- まとめ:改善活動コンテスト
部署をまたいだ交流や、コミュニケーションが図れることは大きな収穫のようです。年間を通じてゲーム感覚で取り組める点も魅力になっているようです。
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MVV(Mission、Vision、Values)、将来の理想を考え直すセミナー
somu-lier編集部
社内のやる気アップに繋がった、あるいは取り組んでいる時の従業員がキラキラしていた取り組みなどがあれば、教えていただきたいです。
Bさん
「5年後にどういう会社にしていきたい」「5年後自分たちはどうありたいか」など理想を考え、語るセッションを開催したことがあります。取り組む前は冷めていた参加者も、考えを語っているうちにポジティブな方の意見に吸い込まれていくのですね。これは一対一ではなく、集団の話し合いだからこそ起きたことだと思います。
いわゆるミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)を実現していくために、自分はこうしていこうといった意見が生まれてくる。その意味では大きな収穫を得られたと思っています。
somu-lier編集部
その他にも活発な意見を出すための工夫をされていますか。
Bさん
普段から意識していないと、会社が抱えている問題を自分事にはできません。だからこそ、事前の準備に力を入れています。全社で集まる前にチーム単位のミーティングを行ったり、マネージャー向けにワークショップを行ったりすることで、会社からメッセージが届くように設計しました。大切なのは、中間管理職の立場にある人が会社のミッション・ビジョンを自分事としてとらえる準備ができるからです。
somu-lier編集部
運営面で大変だったことはありますか。
Bさん
出席率を高めるのが大変でした。小さな会社なので皆が客先に出払ってしまうことも度々あり、出席をコミットしてもらうのが大変でした。「普段はメールでしかやり取りできないようなグローバルの方に登壇していただきます」と宣伝したり、中間管理職の方を巻き込んだりして、セミナーの出席率を上げるようにしています。
somu-lier編集部
宣伝はどのように行っているのでしょうか。
Bさん
メールやポスター掲示が多く、会社のイントラネットにアップすることもあります。
- まとめ:MVV(Mission、Vision、Values)、将来の理想を考え直すセミナー
参加者全員を巻き込むには、入念な事前準備が欠かせません。マネージャーなど上位ポジションに働きかけるだけでも、スムーズにセミナーを進められます。
また、普通であれば会えないようなゲストを招いたり、複数ルートでセミナーを告知したり、告知の方法もさまざまです。実施している会社では実際にMVV(Mission、Vision、Values)が浸透し、モチベーションの上昇に繋がっているようです。