総務へおすすめの本は?ダイジェストサービス「SERENDIP」で新たな視野を広げましょう【株式会社情報工場】

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公開日:2018.3.1

 

AIやIoT、フィンテックなどに代表されるイノベーションの時代、多くの企業は時代に対応するための変革が求められています。とはいえ、普段は業務に追われていてなかなか新しい情報を得られず、変化のための気づきを得る機会がない方も多いのではないでしょうか。

今回は、「気づき」を得ることを目的とした本のダイジェスト配信サービス「SERENDIP」を提供する、株式会社情報工場 代表取締役社長の藤井徳久さまにお話を伺いました。

書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」とは?

-−本のダイジェスト配信サービスとはどのようなものですか。

AIに代替される仕事についての報道が大きな反響を呼ぶなど、テクノロジーの進化により、今後、さまざまな社会の変化が起きると言われています。そんな変化の激しい環境のもと、時代の潮目がどの方向を向いているのかアンテナを張り、今後に備えていきたいという方は多いのではないでしょうか。もちろん、キーワードさえ知っていればインターネットや本などでいくらでも調べられることができます。一方で、自分の守備範囲外で起きている、気づいていないことに関しては、存在も知らないために調べられないままとなってしまうわけです。

さらに、働き方改革の一環で、生産性をあげなければいけない、残業をしてはいけないという状況で忙しい中、さまざまな情報に触れるのは大変です。そこをサポートするのが、書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」で、本業ではない分野に効率よく触れて、「気づき」を得るためのアンテナ作りをコンセプトとしています。 三菱商事や富士フイルムを始め約240社にご利用いただいています。

 

SERENDIPでは、様々なジャンルから厳選した書籍のハイライトを、1冊につき10分程度で読めるダイジェストにして配信しています。
今は、週に1300冊以上の新刊がどんどん出版されていますが、ベストセラー以外、どんな本が発刊されているのか知る機会はほとんどないのではないでしょうか。SERENDIPでは、ベストセラー以外に、そういった隠れた良書も厳選して配信しています。

配信の例として、これから寿命が100年を超えると言われている中、「100年ライフ」になったらどのように社会や価値観が変わるかを描いたベストセラー『ライフ・シフト』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著 東洋経済新報社) や、働き方改革の一環で問題になっている残業を取り上げた『なぜ、残業はなくならないのか』(常見陽平著 祥伝社)などはよく閲覧されました。

 

選書は3つの視点から選んでいます。
1つ目は、20代から50代まで、出版社元編集長や日本株アナリスト、広報、営業など様々な職種・業界経験者で構成される、当社SERENDIP編集部の部員が、これはという書籍を選んでくるもの。
2つ目として、当社の顧客基盤の中心である上場企業の幹部層や有識者から良書をヒアリングしてくるもの。
3つ目は、出版社からお勧めいただくものです。毎週の選書会議では、これらのソースから集まった書籍約30-50冊の中から、実際に配信する4冊を選定しています。

ダイジェストの作り方にも特徴があります。本一冊の内容をライターがまとめるのではなく、本の読みどころ(ハイライト)を、本の表現そのままに抜き書きして構成しています。なるべく一次情報に近い形で、原著者の感性を伝えられる形として、この方法を取っています。映画でいえば、実際のシーンをつなぎ合わせて観たい気持ちを高める予告編のような作りです。

 

-−「SERENDIP」では外国の書籍も多く取り上げていて、日本語でわかりやすく解説されていますが、これも意図されているのですか?

当初は、日本で発刊されている書籍だけを扱っていましたが、「幅広い視野と気づきを提供する」というコンセプトを突き詰めて考えた際、日本で流通している情報だけではなく、海外で話題のトピックについてもご提供することが必要だろうと考え始めました。そこで、英語圏で流行っていても日本語訳されていない本についても配信を始めました。言語の壁を越えて手軽に海外の情報に触れられるということでご好評いただいています。

例えば、ビル・ゲイツがこれは絶対押さえるべきと言った書籍『Should we eat meat?(私たちは肉を食べるべきなのか)』や、著名なイギリス人テック系ライターが人工知能が起こす未来を描いた『Thinking Machines(考える機械)』など、海外書籍も幅広いジャンルでご紹介しています。

さらに、ここ2~3年は、お客様のニーズもあって、英語以外にドイツ語や中国語・タイ語・インドネシア語・ポルトガル語などの書籍も扱っています。例えば、中国版ウーバーと言われていて、今年4月から日本でも第一交通とサービスを展開する滴滴(ディディ)について解説された『滴滴』など、現地で流行っていても日本語訳にはまずならない、目につく機会のないような書籍もSERENDIPでは紹介しています。

 

イノベーション創出の必要性とともに高まる「気づき」の需要

-−どのような方がSERENDIPを利用しているのでしょうか。

これまでに利用されているのは、経営者・新規事業立ち上げに携わっている人・技術者の方々などが多く、特に今は人材育成や総務に携わっている方が増えています。今までやってきたこと以外にも様々な業務が増えて、何か考えなければいけないという意識からニーズが高まっているようです。特に総務部は、色々な部署と触れる機会が多いこと、また会社運営の要でもあることから、これからの変化に対応していこうということで備えようとする企業が多い印象です。

導入する際の規模は20〜30人程度が多く、総務部全員で加入など利用者の範囲を区切る企業もあれば、部署単位から評判が広がって全社へ導入が拡大した企業もあります。

 

-−導入に至るきっかけはどのようなものなのでしょうか。

近年、IoTやAI、フィンテックなどの登場で「20年後はうちの業界がなくなるかも」という不安を皆が持つようになっていて、業態転換などのイノベーションを起こさなければという意識が高まっています。

それに伴い、経営の意思決定における優先順位も変化していて、長らくコスト削減が優先順位の上位に掲げられていたのに対し、最近は「イノベーション創出」の優先順位が上昇しています。ただし、イノベーションの創出を推進するためには新たな発想が必要で、その発想のきっかけとなる「気づき」が欠かせません。そのため、そういったイノベーション創出の土壌を作り出すためであれば、投資が必要という流れが生じています。その一環でSERENDIPも評価され、おかげさまでここ3年間大きく成長できています。

 

-−お客様である法人からの反応を教えてください。
SERENDIPのダイジェストは火曜日から金曜日まで1ダイジェストずつ、週4回配信していますが、この配信にあたってSERENDIPでは、お客様が欲しい情報のジャンルなどのニーズは聞かずに、我々が厳選したものを配信しています。というのも、お客様からニーズを伺うということは、お客様が既に気づいている情報をお送りすることになってしまうからです。

お客様からの反応も、「自分では見過ごしていた情報に触れられた」「同じような職種の人のみとコミュニケーションしていても同じ情報しか入ってこない中で、その枠の外の情報に触れられて新鮮な発見がある」など、視野が広がったというお声をいただいております。

このようなサービスなので定量的な費用対効果を出すことはできず、コスト削減が叫ばれている中でも導入してもらえるかどうか、というハードルはあります。それでも導入していただけるのは、新たな発想が浮かんだり視野が広がるなど、定性的な効果なら得られることを皆様わかっていらっしゃるからだと思います。

 

-−ユニークな活用法などはありますか。

最近は社員教育の一部として、研修に取り入れていただいたくことも増えています。

また、ES(従業員満足度)を高める施策として、モチベーションアップのために社員表彰を行っている企業で、表彰する際にSERENDIPをギフトにするという事例もありますし、福利厚生の一環として活用頂いているケースもあります。

 

出版市場の現状と情報へのニーズ

-−最近の出版市場はどうなっているのでしょうか。

出版市場は今から20年前の1996年にピークを迎えて、当時の売上は2兆6000億円ほどありました。今の売上はここから1兆円以上も落ちていて、業界的には厳しい状態になっています。

新しく面白いコンテンツを育てたくても、こういった状況の中、潤沢にプロモーション費用をかけることが難しい状況であると思います。そんな状況だからこそ、SERENDIPではベストセラーだけでなく隠れた良書も紹介していければと思います。

 

-−市場自体は縮小していても、本へのニーズは高いままなのでしょうか。

時代の変化のなかで情報へのニーズはどんどん高まっていますから、市場が縮小しているとはいえ、本という体系的にまとまった情報媒体のニーズが下がっている訳ではないのだと思います。昔と違って目の前の好きな本だけ読めばいいのではなく、色々なところに目を向けなければならないという意味では、求められる本の範囲はむしろ広がっている感じがします。

 

総務担当者にオススメの本

--somu-lier読者に向けて、総務担当者にオススメの本を教えてください。

総務の方は社内外問わず様々な立場の人とコミュニケーションをしますから、相手の言っていることの本質をどのように捉えるか、また、総務として伝えなければいけないことをどのようにうまく伝えるかを扱った本をご紹介します。

『頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。』
山口 謠司 著 | ワニブックス | 199p | 1,400円(税別)

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんて言えばいいんだろう…」がなくなる!思考の「可視化」「言語化」「伝え方」の3ポイントがわかれば、“話”も“文章”も、言いたいことが伝わる―結果が変わり、社会人としての評価が格段に上がる。(「BOOK」データベースより)
SERENDIPによる要旨は下記URLから確認できます。(ダイジェスト3000字のうち要旨300字程度を公開しています)

 

『聞く力 心をひらく35のヒント』
阿川 佐和子 著 | 文藝春秋 | 256p | 840円(税別)

 

 

 

 

 

 

 

 

頑固オヤジから普通の小学生まで、つい本音を語ってしまうのはなぜか。インタビューが苦手だったアガワが、1000人ちかい出会い、30回以上のお見合いで掴んだコミュニケーション術を初めて披露する―。(「BOOK」データベースより)

 

編集後記

急速な時代の変化の中で、イノベーション創出を必要としている企業や、これまでになかった業務に取り組む総務担当者も多いことと思います。
自社の社員たちが日々の業務や関心以外の領域にも広く目を向けて、「気づき」を得て本業へと還元していくことができるよう、職場環境を見直していくなかでエッセンスとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

「SERENDIP」のサービス詳細はこちら

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