近年、健康経営が取り沙汰されています。
今回はヘルスケア、ヘルステックでの知見をベースに社内の健康経営を促進する株式会社メディロムの、店舗支援チームで法人向けの営業を担当している島田啓佑さんと、ヘルスケア研究所で医師監修の健康管理サービス”medites”のプログラム構築・販売に取り組んでいる小林実さんに話を伺ってきました。
メディロム社では店舗数、東京No.1のリラクゼーションスタジオ「Re.Ra.Ku(リラク)」をはじめとする5つのブランドを展開しています。この運営を通じて培った知見をもとに社外向けに展開している、健康経営に関する新たなサービスについて伺ってきました。
一過性でなくいつまでも続く健康作りを目指して
-メディロム社では近年話題の「健康経営」に関してどのように考えていらっしゃいますか?
島田
健康経営とは、社員が心身ともに健康な状態、リフレッシュした状態で仕事に臨むことができるような環境作りを行い、社員の生産性の向上や創造性の向上を目指していくものと、弊社では考えています。
そのため弊社では、健康経営を牽引していく会社として、社内でいくつか取り組みを行っています。
取り組みの一つとして、社内の芝生のエリアに、ストレッチマシンを置いていることがあります。このストレッチマシンは、筋肉をつける目的でなく身体を伸ばすことを目的にしています。身体を伸ばすというのは健康作りの重要なファクターだといえます。
このストレッチマシンは気軽に使用できるため、仕事中に疲れたと思ったら使用したり、トイレに行く合間に使用したりしています。リフレッシュして仕事に戻れるので、私もよく活用していますね。一部では、ストレッチマシンに乗りながらミーティングをするなどといった光景も見られます。
また、部活がたくさんあることも特徴として挙げられると思います。社員によっては、トライアスロンに出たり、100キロトレイルという山道を2日以内にゴールするといった競技にも参加したりしています。
その他、サッカーやフットサルなど約10個の部活があり、ある競技をやりたい人が集まると、部活という形をとって活動しています。社内でのコミュニケーションが活性化されますし、休日に運動する環境が整っているのは良いことだと思います。部活をやっている社員は、心身ともにリフレッシュして仕事に取り組んでいるように思います。
-リラクゼーションチェーン「Re.Ra.Ku」で有名なメディロム社ですが、新たに福利厚生サービスを始めたきっかけを教えてください。
島田
近年、たくさんの企業様から、健康経営に関してお問い合わせをいただいています。その中で、オフィスに健康器具や健康関連のサービスを導入するものの、そのいずれも一過性のもので、継続的に活用されていないという課題を見つけることができました。
このような課題を解決するために、導入後のアフターサポートを充実化させ、永続的な健康の実現を目指す、ライフスタイル改善という位置付けの福利厚生サービスの提供を決めました。
Re.Ra.Ku(リラク)においてはボディケアなどのリラクゼーションだけでなく、コミュニケーションの中で、健康改善のサポートを行っておりましたので、それらの知見をいかすことで、一過性にならない企業の健康経営に役立てることができるのではないかと考えました。
例えば、まずは福利厚生サポートプランでのボディケアやストレッチのリラクゼーションサービスのご提供をさせて頂き、その中で生じる従業員の方との会話などのコミュニケーションを通じて健康に関する知識を共有やアドバイスをさせて頂くことで、従業員の方への健康意識の改善を行う、と言ったサービスをご提供しています。また、場合によってはヘルステックを利用することで食事など私生活に関するフォローなど包括的なサポートまで行うといったことが可能です。
ヘルステックの領域においてはMeditesというサービスをご提供しております。
-メディロム社の福利厚生サポートプランでは、具体的にどのようなサービスを提供しているのでしょうか?
島田
主に、オフィスへの出張サービス、優待チケット、小冊子、健康関連グッズの提供を行っています。
弊社は、リラクというリラクゼーションサービスを提供していますが、多くの企業様からオフィスに来てほしいという要望をいただいたため、「オフィスへの出張サービス」を始めました。企業によってはオフィスに健康管理をするスタッフを常駐させるところもありますが、会社の規模によって常駐が難しいという企業様もいるため、出張という形のサービスになっています。
弊社の出張サービスの大きな特長として、初期導入のイニシャルコストの低さがあげられます。弊社は、関東でも最大級の店舗数がございますので、多くの企業様の近くに店舗があります。そのため、出張費がほとんどかからず、通常に近い料金でのサービスを実現しています。
また、施術に関しても、希望によりベッドを使った本格的なサービスから、ハンドケアなど簡易的なものまで様々なサービスを受けられます。
リラクの特徴である肩甲骨のボディケアも受けられますので、出張サービスとはいえ、店舗同様の効果が望めることも強みです。
出張サービスは厳しいという企業様には、「優待券」をご提供しています。優待券は、弊社の店舗でのサービスを定価よりかなり安い値段で利用できるチケットです。企業様が優待券を買って従業員に配るという利用法もありますし、従業員が多少負担して配るという利用法をされている企業様もいます。また、イベントの景品としてや、契約成立のお礼として優待券を配るということも可能です。
そのほかには、「小冊子」や「健康関連グッズ」の提供を行っています。健康に関する情報には調べにくいものや専門的なものなどもありますので、自分たちで調べようとすると負担になりえます。ですが、弊社の身体の構造に詳しいプロがそのような専門的な情報を小冊子としてまとめたものがありますので、それをオフィスに配るということも行っています。その小冊子を見ながらちょっとした時間でできる健康関連グッズの提供も行っています。これらは、隙間時間に活用できるということで好評です。
-さきほどおっしゃっていたヘルステックで利用されているmeditesという新しいサービスについては、どのようなサービスなのか教えてください。
小林
meditesは社員のみなさまの健康を管理する生活指導サービスです。具体的には、専用のアプリケーションとMISFITなどのウェアラブルトラッカーを使い、1日3回の食事内容を写真であげていただき、それに対してアンチエイジングの第一人者である青木晃先生監修の下弊社の専任スタッフが独自のノウハウのもとで生活指導を行うというものです。
meditesの特徴は、過度なカロリー制限や厳格な食事制限を基にするプログラムと異なり、普段の生活習慣の改善指導を受けながら、無理なく健康な身体作りを続けることができる点です。
また、他社にもヘルスケア・ダイエットサービスがいくつかあり、医師監修のサービスはありますが、その中でもmeditesは、唯一医療クリニックが導入しプログラムを実践しているサービスであるという点を強みとしています。つまり、医師に認められたサービスなのです。
-Meditesを利用することによるメリットを教えてください。
小林
近年、プレゼンティイズム(体調不良による出勤状態の生産性低下)が原因の労働生産性の損失は、人件費の10.7%にも達するというダウ・ケミカル社による試算や、日本全国の事故のうち、運転手の健康状態に起因する事故の割合が8.7%という国土交通省による試算も出ています。
このように社員の健康状態によって生産性が左右されたり、社員の安全が損なわれたり、訴訟リスクにさらされたりすることを考えれば、社員の健康状態の改善のためにMeditesを利用することによる企業様へのメリットはとても大きいと考えています。
-メディロム社では手軽な福利厚生サポートプランからライフスタイルに密着したヘルステックのサービスまで提供されているのですね。
島田
はい、健康経営にあたっては、個人個人にしっかりアプローチすることによって、健康に対する危機意識を持ってもらうことが重要だと思っております。弊社では、リラクゼーションを通じたオフラインによるアプローチとMeditesを使ったオンラインのアプローチの二つの側面から、健康に興味を持っていただく取り組みを行っております。
実際、お恥ずかしい話ですが、私自身も以前は不健康でした。以前は今よりも8kg太っていたのですが、その頃は体調が悪く、三つの病院に行っても不調の原因が分からないという状態でした。その頃は健康面が気になり、仕事もあまり手に付かない状態でした。
そのような中、自社のプログラムを通して、施術や食事改善などライフスタイルに密着したアドバイスを受けることで、身体の不調はなくなったのです。8kgも痩せたので、健康面だけでなく、精神的な面でも余裕が生まれました。余計な不安がなくなったことで仕事も捗るようになりましたね。
健康経営が実現すれば、身体の不調改善、ひいては健康な身体を維持することによって、余計な不安が取り除かれ、仕事に集中できるようになります。これによって企業は活性化されますし、従業員の健康によって企業全体の生産性の向上も望めるでしょう。健康増進には秘められた重要性がたくさんあると考えています。今後ますます企業にとって従業員の健康管理は重要になっていくと思います。
編集後記
株式会社メディロムでは、無理せずに健康になるというコンセプトの下、オンラインとオフライン二つのアプローチにより、健康作りをより身近に感じられるようなサービスを展開しています。社員の健康と会社の業績向上が望める健康経営について今一度考えてみてはいかがでしょうか。