社員やメンバーみんなが気持ちよく働ける環境なら、仕事の効率もグンとアップするはず…。総務のみなさんなら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。しかし、実際にプランを立てて実践するのは難しいもの。当然のことながら社員やメンバーは会社によって違いますので、最適なプランも会社の数だけ存在します。今回は、企業で取り入れられている事例を見ながら、そのヒントを探してみましょう!
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「あの人はいつも遅刻しているのに、評価は変わらなくてズルイ」
「残業しているのにちゃんと記録されていない」
こういった勤怠にかかわる不満は、職場の空気を悪くする常習犯。最初はささいな不満でも積み重なれば社員同士の人間関係を壊し、ひいては仕事の能率を下げることにつながります。
社員が勤怠に関して不満を抱えている職場におすすめなのが、勤怠管理システムの導入です。
勤怠管理システム「インターネットタイムレコーダー(ITR)」ホームページ内の導入事例によると、明治創業の老舗繊維専門商社・株式会社ヤギでも、同じような悩みを抱えられていたようです。システム導入後は社員さんの勤怠管理はもちろん、管理業務の負荷も減らすことができ、一石二鳥の効果を実感しているのだとか。
勤怠をしっかりと記録し、誰からも「見える」ようにしておくことは、社員の公正な評価につながる重要なポイントです。「年俸制や裁量労働制だから、勤怠はしっかり記録させていない」「紙に時間を書くだけなど、勤怠がシステム化されていない」というような場合は、勤怠管理システムの導入を検討してみるのもいいかもしれません。
社員やメンバーにとって、考課は日ごろの仕事ぶりが評価される重要な場面です。これが不適切だとすぐに社員の不満につながることもあるので注意が必要です。
特に気をつけるべきは、考課項目が適切かどうかという点です。業務が多様化してきているのに考課項目は以前と変わらないなどのミスマッチが目立つと、社員は「自分の仕事が適切に評価されていない」と感じるようになります。自分の仕事が適切に評価されていないと気づいた社員は業務に対するやる気を失ってしまい、業務効率を下げることに繋がってしまいます。
ここで、社員のモチベーションを下げないような良い考課方法の事例を挙げてみましょう。静岡県で企業のコンサルティングを行う「システムクリニック」では、好ましい人事考課制度構築の要件として以下の4つを挙げています。
社員にとっては「評価されること」だけでは意味がなく、評価が直接処遇や報酬に結びついていると実感できることが大切です。たとえば「考課で○○の項目がA以上の判定ならいくらの給与アップ」などと具体的に示すことができれば、効果はより高くなります。
また、悪い判定であった場合に「どうすれば改善できるのか」を適切にフィードバックすることも重要。「今回C判定だったのは○○が理由。こうすればよくなると思っている」というように納得感のある説明ができれば、本人のモチベーションアップにもつながります。
有給の制度は多くの会社に存在しますが、取得率はなかなか上がらないのが現実。「忙しい中長い休みを取るのは気が引ける」「上司や同僚が休んでいないので取得しづらい」など、社員の間でもさまざまな葛藤があるようです。
人事に関する情報ポータル「ジンジュール」によると、三菱化学でも連続休暇の取得率が上がらないということが課題になっていたそう。
そこで同社は「年次有給休暇を2日以上連続で取得すると、“おまけ”として特別休暇が付与される「ライフサポート休暇」という制度を導入。休暇取得率が80%にまで上昇し、社員からも「普段の“細切れ”の休みとは異なり、いろいろ考えや計画を巡らせることになり新鮮」「職場のメンバー同士が効率よく仕事を回す、引き継ぎ合うという意識が自然に芽生え、これまでの仕事の姿勢を再考するきっかけにもなった」などのポジティブな反応が相次いだのだとか。
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残業が続くと疲れが溜まってしまい、仕事の効率もダウンしやすい傾向にあります。自由な時間を持てないと些細なことにイライラしたりミスが増えたりして、社員間のコミュニケーションにも支障が出てきてしまいます。
日経新聞電子版の記事によると、パナソニック電工ではこういった悪循環を断つために、「シゴトダイエット」活動をプロジェクトとして行いました。「会議ダイエット」「資料ダイエット」「移動ダイエット」「メールダイエット」などのテーマを掲げ、それぞれのテーマでの効率化を各部署に呼びかけたのです。
たとえば「会議ダイエット」では、プロジェクトチームが全社に「その会議は必要ですか」「開催時間は適正ですか」「参加人数は適正ですか」などと呼びかけ、本当に必要な会議のみを実行するように。実施後の効果測定も細かく行い、社員の意識向上につながったそうです。
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ワークライフバランスが重視される現代、社員同士のコミュニケーションは少なくなる傾向にあります。しかし、あまり話さない同僚との仕事は、スムーズに進みづらいものです。普段から社員同士で積極的にコミュニケーションを取ることが、仕事にもプラスに働きます。
中小企業社長のブレーン誌「ニュートップ」の記事によると、大阪府でメールを活用したマーケティングサービスを行う「コンビーズ」では、月に1回は社員同士でランチに出かけることを推奨する「ランチ DE デート」という取り組みを実施しているそうです。1人あたり1,000円が会社から支給されるので、ふだん外食をしない社員が負担を感じることもありません。
仕事と離れた場でいろいろ会話をすると、職場ではうかがい知れなかった同僚の一面を知ることもでき、社内の雰囲気がよくなりそうですね。
会社での勤務は、時には朝から夜までデスクに向かいっぱなしになることもあります。そうした中で集中力を保ち続けるのは不可能に限りなく近いです。そのために、勤務時間中に居眠りをしてしまったり、スマホをいじっていたり、何も考えずぼーっとしていたりなんてことが起こってしまうと会社の生産性が下がってしまいます。
さまざまな働き方の情報を提供するプラットホームである「瓦版」によると、ITベンチャーのヒューゴでは生産性向上のためにあえて、長いお昼休憩である「シエスタ」を導入しているそうです。シエスタ制度は水曜日以外の平日の午後1時〜4時を社員の自由時間にするもので、その間社員は昼寝をするもよし、映画を観たりトレーニングをしたりするもよしといったリフレッシュする時間が確保できます。
長いお昼休憩があることで勤務時間は減少するものの、短い時間で生産性の高い仕事ができそうですね。
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社長や上司から「気になることがあったら何でも言いなさい」と言われても、後々の社内での立場や同僚への影響を考えると、気軽には言い出せないものです。しかし、そうしているうちに不満がたまっていっては、本末転倒です。
都内でIT事業を行う「サイバーエージェント」では、ちょっとした気になることや意見などを匿名で送れる「目安箱」を設置。どんな些細なことでも社長から直接返事がもらえる仕組みになっています。
こういった社員やメンバーが意見を言いやすい環境があれば、おのずと風通しのよい雰囲気ができていきそうですね。
「チームの業績が上がらないけれど、何が原因か分からない」
「自分のキャリアに漠然とした不安がある」
こういった社員やメンバーが会社の多数を占めると、社内の雰囲気はどうしても悪くなってしまいます。しかしながら、人は誰かから「こうしなさい」と指示されると反発心が起きてしまうのは当然です。壁を越えるには、内面から「気づき」を与えることが有効なのです。
都内でコーチング事業を行う「ビジネスコーチ株式会社」によると、ヤフー株式会社でもこのコーチングを採用していて、特にプレイヤーからマネージャーの立場になってうまく行かなくなった人などには、コーチングの効果を実感しているそうです。
自分で考えて結論を出し実践する、という一連のステップを学べるので、今後の仕事人生にもおおいに役立ちそうですね。
一朝一夕ではできない、社内の職場環境改善。でも小さな問題を見逃さず、その都度適切な対処をするように心がけていけば、おのずと達成できているものなのかもしれません。8つのヒントを参考に、あなたの会社でもぜひ取り組みをはじめてみてください!
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