東京オリンピックの延期が決定! 祝日はどうなる? 開催までに企業がすべき対応とは

3月24日に東京オリンピックの延期が正式に発表されました。オリンピック の延期は「一年程度」とされており、オリンピックに向けて企業が準備するのに十分な期間であると言えます。オリンピック事業と直接の関わりがない企業においても、通勤や物流などの面で大きな影響があることが見込まれています。起こりうるリスクを想定し、対応策を練っておきましょう。今回は、オリンピックに関連する、企業への影響やその対応と事例、オリンピック期間中の注意点について解説していきます。

オリンピックによって企業が受ける影響とは

今回の東京オリンピックは「コンパクトな大会」をコンセプトとしており、競技会場の多くが8キロ圏内に集中しているという特徴があります。オリンピック期間中は海外からの観客も増える見込みなので、都市部の交通網は大変混雑するでしょう。一般人はもちろんのこと、企業の多くが影響を受けることが予想されます。

交通機関が混雑する

企業が一番影響を受けるのは交通機関の混雑です。都内に通勤しているビジネスパーソンの約7割が、道路や公共交通機関の混雑を心配しているというアンケート結果があります。混雑の影響で出勤時間に間に合わなかったり、営業活動や外部での会議に間に合わなかったりと、業務に支障が出る可能性は高いでしょう。

首都圏の物流が滞る

首都圏の一般道や高速道路では、大規模な交通規制が行われます。物流施設が集中しているお台場周辺には複数の競技会場があり、競技当日は競技会場周辺が交通規制区域に指定されます。交通規制の影響で荷物が予定通りに運搬できない、指定された配送時間に間に合わないなど、首都圏の物流に大きな影響が出ると予想されます。

警備や宿泊施設などのサービス業に負担がかかる

オリンピック期間中は、警備や宿泊施設などの人手不足が深刻になると考えられます。警備会社やホテルなど一部のサービス業では、従業員に夏休みを6月や9月にずらして取得してもらい、オリンピック期間中の人手を確保する動きも出ています。

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企業はどのような対応を取るべきなのか

テレワークを実施する

オリンピック開催期間中に企業が取るべき対策として、在宅やシェアオフィスを活用したテレワークの実施があります。オリンピック期間中は交通機関が混雑し、通勤に支障が出ることが予想されます。企業がテレワークを実施し通勤する社員を減らすことで、通勤ラッシュ時の混雑緩和が期待できます。2012年に開催されたロンドンオリンピックでは、ロンドン市内にある企業の約8割がテレワークを行い、交通機関の混雑が回避できたという結果も出ています。
新型コロナウイルスの影響で多くの企業が準備も不十分なままテレワークを導入していることかと思われますが、その経験を活かし1年後のオリンピックで不備なくテレワークを実施できるよう準備を行いましょう。

祝日変更を活用する

政府は2020年限りの特例として、祝日の日付を変更すると発表しました。祝日変更で、7月23日から26日までを4連休に、8月8日から10日を3連休にすることで、オリンピック開会式と閉会式で予想される首都圏の混雑緩和を見込んだものでした。変更される祝日は「海の日」「体育の日」「山の日」の3つです。祝日を増やすわけではないので、祝日にあたるはずだった日は平日になります。具体的な変更は次のとおりです。

  • 海の日が7月の第3月曜日からオリンピック開会式前日の7月23日(木)に変更
  • 体育の日が10月の第2月曜日からオリンピック開会式当時の7月24日(金)に変更(2020年以降はスポーツの日に名称変更)
  • 山の日が8月11日からオリンピック閉会式翌日の8月10日(月)に変更
    この特例は特別措置法で定められており、東京オリンピックは延期となりましたが、法改正がされない限り祝日は現行のままです。3月30日時点では法改正の情報が発表されていませんが、もし特別措置法が改正された場合は、カレンダーと実際の祝日が異なるなど混乱が生じかねないため、今後の動向には常に目を向けておきましょう。

感染症対策を強化する

現時点において東京オリンピックの一年程度の延期が明言されていますが、新型コロナウイルスの影響が終息する目処は立っておりません。東京オリンピックでは多くの外国人観光客が訪れることが予想されますが、その時点まで新型コロナウイルスの影響が続いていた場合、新たな感染爆発を引き起こす可能性も考えられます。時差出勤やテレワーク、マスクの着用、こまめなアルコール除菌といった感染症対策を引き続き行いましょう。

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東京オリンピックに向けた企業の対応事例

株式会社リコー

株式会社リコーは、2020年7月24日から8月9日までのオリンピック期間中、本社オフィスをクローズし、本社社員全員がリモートワーク(在宅またはサテライトオフィス勤務)を行うと発表しました。

レノボ・グループ      

レノボ・グループ4社(レノボ・ジャパン株式会社およびレノボ・エンタープライズ・ソリューション株式会社、モトローラ・モビリティジャパン株式会社、NECパーソナルコンピュータ株式会社)は、2020年7月23日から8月10日までの間に「スポーツ応援特別休暇」を付与します。オリンピック期間中のレノボ・グループは、4連休が2回、3連休が1回になります。残りの8営業日は全社一斉テレワークを実施し、約2,000人の社員が19日間にわたってオフィスに出勤しなくなります。

株式会社インテグレート

株式会社インテグレートは、オリンピック開催中の2020年8月3日から8月7日の5日間を「2020年夏・混雑回避休業」として、全社一斉休業にすると発表しました。また、7月27日から31日の5営業日には社員全員テレワークを行います。

 

オリンピック期間中に企業が注意すること

前述のとおり、オリンピック期間中は交通機関の混雑や物流周りのトラブルが多発する可能性があります。大きな混乱を招かないように、企業の担当者は事前に備えておきましょう。

  • 通勤に関する対策の検討
    テレワークの推奨や時差通勤、フレックスタイム制などを積極的に活用しましょう。
  • 交通機関の混雑への対策の検討
    東京都オリンピック・パラリンピック準備局や東京メトロが公開しているオリンピック期間中の混雑予想を確認し、営業活動や外部会議を控えるなど、必要に応じて対策を講じましょう。中でも、運輸会社は直接的な影響が見込まれます。道路の混雑状況により集荷時間や配送時間が変わるので、時間指定を受けないようにすると良いでしょう。荷主や受取人にも適宜説明を行いましょう。
  • セキュリティーの強化
    多くの人が集まるオリンピック開催期間中は、サイバー攻撃を受ける可能性も高まります。セキュリティーソフトの更新などを行って、事前にセキュリティーを強化しておくと良いでしょう。

 

まとめ

オリンピック開催まであと少し。行政も対策を行っていますが、企業も独自の対応策を考えなければいけません。影響をなるべく減らせるよう、早めに対策を検討しておきましょう。

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