在庫管理や経費計算などの事務処理作業は、同じ作業の繰り返しであることが多く、業務効率化の余地があります。近年よく話題に上がるAIに似た技術であるRPAツールは、そのような事務処理を自動化し、業務の効率化に大きく貢献する技術です。今回はそんなRPAツールを導入した際のメリットとデメリットについて解説します。
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RPAは、Robotic Process Automationの頭文字をとったもので、ロボットによる業務自動化を表す言葉です。在庫管理、経費計算、Web解析などは週ごと、月ごとに定期的に行う業務で、同じ作業の繰り返しであることがほとんどです。このようなマニュアルに沿った作業をロボットに覚えさせて、自動的にやってもらう仕組みをRPAといいます。
近年RPAが注目されている背景には、労働力の減少があります。少子高齢化が進む日本では人口が減少傾向にあり、企業は海外にも目を向けて労働力の確保に躍起になっているのが現状です。そんな中、人工知能を筆頭とする先進技術が注目され、従来は人間が行っていた単純な作業をロボットに任せることが可能になったのです。
RPA導入の最大のメリットはコストの削減で、特に人件費の削減が期待できます。とあるRPAの導入実績によれば、社員ひとり当たり30万円×80名で2,400万円かかっていた人件費が、RPA導入後には30万円×13人で390万円となり、83.8%ものコスト削減を実現したことになります。人件費削減以外にも、社員に作業を教えこむコストの削減も見込めますし、もし在庫計算などを紙媒体で行なっているのであれば、データ化することによって紙自体のコストに加え、保管、維持するコストも削減することができます。
ただし、多くのRPAシステムは有料ですので、RPAを導入する際のコストと、削減できるコストを天秤にかけることが必要です。
いくら単純作業とはいえ、人にはミスがつきものです。しかし、ロボットは人力による最初の命令さえ間違わなければ、決してミスすることがありません。仮に最初の命令をミスしたとしても、それを修正するだけですべての作業へと反映できるため、業務は格段に効率化されるでしょう。
従来はすべて人力で行なっていた作業も、「ロボットでもできる作業」と「人でなければできない作業」に分けられるようになりました。前者の作業にはRPAを用いて人以上に効率的に行い、営業やプレゼンなどのコミュニケーションを必要とする作業や、商品開発など創造性を求められる作業に社員は集中する、といった分業体制によって企業が提供するパフォーマンスを最大化することができます。
RPA導入による上記のようなメリットは多く語られますが、デメリットに関しては必ずしもそうではないようです。導入の際の注意点も併せて紹介していきます。
業務をRPAにより自動で済ませてしまうことは、逆に人力でそれらの作業をできなくなってしまうことも意味しています。例えば大規模災害が発生し、電気が安定的に供給されない状態や、システムエラーによりメンテナンスが必要になった際、RPAにまかせていた作業は全く進めることができなくなってしまいます。緊急時のマニュアル作成やデータのバックアップなど、こうした事態に対処できるような仕組みづくりは不可欠です。
システムに情報を預けている以上、不正アクセスなどによる情報漏洩のリスクは免れることができません。RPA導入時に限ったことではありませんが、普段から情報セキュリティの徹底と、社員への情報リテラシーの教育は必須といえるでしょう。
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RPAを導入して単純作業を自動化すると、時が経って担当者が代わっていくにつれて、自動化している作業内容が不明瞭になりがちです。するとRPAに関する社員の知識が失われ、システム変更などが必要になった際に難渋することになります。担当者交代の際にしっかりと業務内容を引き継ぎ、RPAについての教育を実施するなどの対策をとることが必要です。
WinActorはNTTが提供している有料のRPAツールです。このツールでは、様々な書類を作成する際に、それぞれの形式に応じたシナリオを事前に作成しておくことで、あとはそのシナリオを選ぶだけで作業を自動で行なってくれます。シナリオ作成にプログラミング等の高度な知識は必要ありません。
ウェブサイトに詳しい機能やシナリオ作成の例、導入実績などが掲載されていますので、ぜひご参照ください。
Autoブラウザ名人はUSAC SYSTEMが提供している有料のRPAツールです。Web特化型のツールで、あらゆるブラウザ操作を自動化してくれます。その実績は多岐に渡り、自動化システムのスクリプト開発支援がとても充実しています。
ウェブサイトに活用例と導入実績が多く掲載されていますので、ぜひご参照ください。
RPA ExpressはWork Fusionが提供している無料のRPAツールです。
ツールはすべて英語表記なので導入の障壁は高いですが、もし職場に英語に堪能な社員がいれば、トライアルを検討してみてはいかがでしょうか。
今回は定型業務を自動化するRPAのメリット・デメリットと、具体的なRPAツールについて紹介しました。RPA導入のリスクを理解し、きちんと対策を取っていれば、業務自動化によるコストの削減と生産性の向上は間違いないでしょう。現在、国内外問わず多くのRPAツールが開発されていますので、機能やサポートの充実性をしっかりと比較した上で、あなたの会社と相性のいいRPAを導入することをおすすめします。
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