ペーパーレス化とは、紙の書類をデジタル化する事を指します。ペーパーレス化を行う事で、様々なメリットを得る事ができます。まずは、コストの削減です。紙の書類には、印刷代やインク代だけでなく、プリンターの維持費や破棄処分の費用といった様々なコストがかかります。しかし、電子化する事によって、そのようなコストを削減することが可能になります。続いてのメリットは、文書の活用がスムーズになるということです。紙の文書では、特定の文書を探すのに時間がかかってしまいます。しかし、電子化することによって書類を探す時間を大幅に短くすることが可能にし、仕事の効率化にも繋がります。
目次
ペーパーレス化が広がっている
ペーパーレス化とは
ペーパーレス化とはビジネスにおいては社内で取り扱っているさまざまな文書を電子化して業務効率化を図り、紙の使用を減らしていく取り組みを指す言葉です。既存の紙書類をデジタル化したりデジタルデータのみでやり取りを行ったり、多様な方法でペーパーレス化を進める企業が目立ちます。こうしたペーパーレス化は普段の生活でも広がりを見せています。本や雑誌は電子書籍化が進んでおり、コンサートなどの紙のチケットもデジタル化が一般的になってきました。社会全体でペーパーレス化を進めるための取り組みが行われているのです。
ペーパーレス化できるもの
社内においてはどういった書類や手続きなどが、ペーパーレス化できるでしょうか。代表的なペーパーレス化できるものを以下にまとめてみました。
- 契約手続き
- 帳簿
- 決算書類
- 勤怠管理
- 備品管理
- 経費精算
- 給与明細
- 会議資料
- パンフレット
リアルタイム性が求められる手続きや、複数名が複数拠点から閲覧が必要となる資料などはペーパーレス化に向いています。業務の洗い出しをしてペーパーレス化の可否を改めて考えてみましょう。
ペーパーレス化が普及した背景
ペーパーレス化が企業で普及した背景には新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークの浸透や、電子帳簿保存法の改正などが挙げられます。まず、リモートワークを実現するには書類の確認や資料共有をどこでも行える環境構築が欠かせません。紙を使用した業務から脱却して、ペーパーレス化を推進する企業が増加したのです。次に、電子帳簿保存法は1998年に制定された法律で、時代に合わせて改正が重ねられてきました。2022年1月の改正では税務署長の事前承認制度が廃止されたりデータのみの保存が認められたりしています。法令面においてもペーパーレス化を後押ししようとする動きが活発なのです。
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ペーパーレス化のメリット
コストを削減できる
ペーパーレス化を実現すると、さまざまなコストを削減可能です。紙で社内の資料などを扱っていると、作成から保管するまでのすべての工程でお金がかかってしまいます。まず、紙で印刷するには用紙を購入しなければならず、トナーがなくては着色できません。印刷するためにはプリンターが必要になるため、機器の購入やメンテナンスにはお金がかかります。さらに、紙の資料を配送するには郵送費、倉庫に保存するには保管費、捨てるためには廃棄費と多くのコストがかかってしまうのです。ペーパーレス化を進めればデジタルで対応できてしまうので、こうしたコストを大幅に削減できます。
作業効率がアップする
職場のペーパーレス化を進めれば、作業効率をアップできます。紙の資料は重たく持ち運びに不便なだけでなく、閲覧性や検索性にも優れません。紙の資料から必要な情報を得るためには、索引や見出しなどを頼りにして探し出す必要があります。一方、ペーパーレス化したデジタルな資料であれば、邪魔になることなく簡単に持ち運びが可能です。資料に記載されているデータは検索を行えるので、効率良く目的の情報にたどり着けます。スマートに仕事を進めていくためには、ペーパーレス化が欠かせないのです。
多様な働き方が可能になる
ペーパーレス化が広がれば、時間や場所に拘束されずに業務を進められるようになります。従来の紙の資料を軸にした業務では、ハンコによって承認や決裁が行われ決裁後の文書はオフィスに保管しなければなりませんでした。ペーパーレス化を実現できれば、電子決裁の導入などによって出社や対面に限定されずに仕事を進められる体制を整えられます。離れた場所でも業務を行えるのでテレワーク導入のハードルが低くなり、多様な働き方が促進されるのです。
ペーパーレス化を進めるポイント
目的を明確にする
まずは、ペーパーレス化を進める目的を明確にしましょう。目的が明確になっていないと従業員の理解を得られず、新たに機器を導入しても十分に活用されません。ペーパーレス化を進める主な目的を以下にまとめてみました。
- コストを削減する
- 業務効率をアップさせる
- テレワークを導入する
- デジタル化を促進させる
- 環境保全へ貢献する
ペーパーレス化はこれまでの社内のルールを刷新したり、従業員の業務手順に変更が発生したりするなど、影響範囲が広くなるケースがあります。ペーパーレス化の目的を定めることで、企業が目指すべき方向を明確に示しましょう。
ツールやサービスを選定する
ペーパーレス化を実現するためには、ツールやサービスの選定が欠かせません。例えば、紙の資料をデータ化するためには、スキャナが活躍します。小型のスキャナであればデスクの上に置けるので、工数を減らしてスキャンが可能です。スキャンが必要な紙を使う仕事としては契約業務を思い浮かべる方もいらっしゃるはずですが、電子契約システムを活用すればオンラインのやり取りだけで契約を結べます。ほかにも、オンラインストレージを利用すればインターネットを経由してデータの保存や共有、編集などを行えます。こうしたペーパーレス化を実現するためのツールが数多く登場しているので、自社にマッチするサービスを選定してみましょう。
セキュリティを強化する
ペーパーレス化について考えるのと同時に、セキュリティの強化も忘れずに行いましょう。ペーパーレス化によって全体的なセキュリティは向上しますが、いくつかの課題があることも事実です。もし、悪意のあるユーザーにハッキングされてしまえば、情報の流出や喪失といったリスクが生じてしまいます。セキュリティを強化するだけでなく、バックアップも準備するなどの対策が求められます。また、端末の紛失などのヒューマンエラーの発生も想定されるため、従業員のITリテラシーを向上させる教育も実施しましょう。
まとめ
企業の働き方を改善するために、ペーパーレス化は欠かせないポイントです。業務のペーパーレス化が広がればコスト削減や作業効率アップにつながるだけでなく、従業員の多様な働き方も実現できます。既存の業務フローについて改めて再考することで、ペーパーレス化を進めてみてはいかがでしょうか。