アウトソーシングのメリット・デメリットについて解説!

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公開日:2018.6.21

企業の業務を他社や外部の人間に委託することをアウトソーシングと呼びます。アウトソーシングは、うまく活用すれば企業に恩恵をもたらしますが、余計なコストを生んでしまうリスクも存在します。メリットとデメリットを比較して、どの業務をアウトソーシングすればよいのか適切に判断しましょう。

アウトソーシングとは

アウトソーシングとは、特定のビジネスプロセスの処理について、自社から独立した外部企業に委託することです。「アウト」は社内の外部、「ソーシング」は資源利用を意味しており、したがってアウトソーシングは社外の資源の利用を示します。企業は外部企業のサービスを「購入」してアウトソーシングを行います。

一口にアウトソーシングと言っても、アウトソースする範囲には様々なものがあります。社内で企画立案を行い、実際の業務実施のみを委託することもあれば、企画立案から業務遂行まで全てをアウトソースする場合もあります。また受託する側の会社も、個々のクライアントに合わせてアウトソーシングのパッケージをほぼオーダーメイドで組むものもあれば、コストを抑えて多くの会社にほぼ同様のパッケージを販売するアウトソーシング会社もあります。

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アウトソーシングのメリット

自社の中心業務に集中できる

毎月ルーティンとなっている業務をアウトソースすることで、より創造性が必要で時間を割くべき業務に集中することができます。例えば人事業務であれば、毎月ルーティンとなっている給与計算や給与の支払いといった業務はアウトソースに適しています。そのことで削減できた工数の分だけ、もっと重要な自社の中心業務に専念することができます。同じ人事業務であれば、自社の長期的な人事戦略を立てることなどが例としてあげられるでしょう。

ルーティン業務の品質が向上する

アウトソースに向いているのは、多くの会社で標準化されている業務です。例えば、社会保険に関する業務や税務処理、マイナンバーの保全と利用などが該当します。これらの業務は制度や法律の改正が頻繁にあり、その都度に対応を要求されますが、その対応内容は会社によってそれほど大きく異なるものではありません。これらの標準化されたルーティン業務を自社でやれば、制度や法律改正に伴って業務フローの改定が必要となりますが、アウトソースを行えば、新たなルールに適応した煩雑な事務を専門の外部企業に任せることができます。改定に伴う混乱を回避でき、ルーティン業務と中心業務の双方の品質が確保されます。

外部の専門的ノウハウの活用ができる

ルーティン業務だけではなく、専門性が高く様々な手法が絶えず進化しているような分野の専門業務についても、アウトソースに向いていることがあります。例えば社員向けの教育や研修は、数多くの専門会社が存在します。社員向けの教育や研修はその手法が品質に大きく関わりますから、各社は種々の目的に適合するよりよい手法を開発し競争しています。アウトソーシングによって、それらの外部の専門家の知見と手法を取り入れた教育や研修を行うことができます。

コスト削減になる

アウトソーシングを受託している企業は、その作業を専門的に行っています。そのため効率性の面から、自社で個別にその業務を行うよりもコストを下げることができる場合が多くあります。また、アウトソーシングの導入を検討する際は既存の業務フローを明確に言語化した上で、他社との比較などによって再確認することが必要になりますので、アウトソーシングの導入自体が無駄な業務の削減のきっかけになると言えるでしょう。

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アウトソーシングのデメリット

社内情報を外部に出す必要がある

アウトソーシングは社内の業務をそのまま外部へ委託するので、顧客や社員の個人情報など重要な社内のデータを他の企業に提供することになります。専門的なアウトソーシング企業は個人情報の保護等にも当然細心の注意を払っているでしょうから、外部の企業へ委託したからといって、情報漏洩のリスクが高まるとは一概には言えません。しかし、外部に流出してしまうまでのことはなくとも、情報が自社と違うルールで扱われる可能性があり、その点についてアウトソース先との間で綿密な擦り合わせが必要となります。

自社特有の事情に対応できない

アウトソーシングでは一般に、自社のこれまでのやり方に関係なく、アウトソース先で標準化された手順に沿って業務が行われます。そのため、自社に特有な業務が標準的な手順から外れる場合は、対応が難しくなるのが一般的です。また対応可能だったとしても、その分コストがかさみ、結局は自社でやった方が経済的であることが多いです。他社にはあまり見られない自社特有の作業が多い業務の場合は、アウトソーシングを使うべきではないでしょう。

業務フローにブラックボックスが生じる

自社の業務を他社に出せば、その業務の中身が見えなくなります。完成品だけを渡され、その完成品がどのようにできたのかは分からなくなってしまうのです。このことは、仮にアウトソーシング先で余計なコストがかかっていたとしても、自社では発見することも、コントロールすることもできないことを意味します。このようにアウトソーシングには、業務フローにブラックボックスが生じてしまうことで、業務の実態を正確に把握することが難しくなるという危険性があります。

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まとめ

近年コストカットの手段として注目されているアウトソーシングですが、必ずコストが削減できる魔法の手段ではありません。自社の中心業務とそれ以外を切り分け、また他社との違いを明確にした上で、メリットとデメリットを比較しながらアウトソーシング先を選びましょう。そしてその際には、充分なコミュニュケーションを取っていくことが非常に重要であると言えるでしょう。

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