どの融資に申し込めばいい?企業融資の形態や種類を解説!

企業が事業活動を行うにあたっては、資金を調達することが必要です。企業が資金調達する方法はいくつかありますが、広く活用されている方法に「融資」があります。

企業が活用できる融資には様々な形態や種類があるため、自社の状況に合わせた融資方法を選択することが重要です。

今回は、融資の形態や種類について、それぞれの特徴を説明していきます。

 

企業融資の形態

金融機関が行う企業融資の方法としては、大きく分けて、「手形割引」、「手形貸付」、「証書貸付」、「当座貸越」の4つの形態があります。

それぞれの融資の特徴を知ったうえで、自社の資金の用途や期間に合わせた融資形態を選択することが大切です。

 

手形割引

手形割引とは、企業が商品を販売したときやサービスを提供したときに相手方から代価として受け取った手形を、銀行が買い取る形で行われる資金提供の形態です。買い取った手形によって期日にはお金を回収できることから、銀行側のリスクが比較的低い融資方法であり、企業は比較的容易に融資を受けることができます。

しかし、期日が6ヶ月以上先など回収までの期間が長かったり、手形の振出人の業績が悪かったりした場合は、融資を受けられない可能性もあります。

手形割引は、一般的に、短期の資金調達に用いられます。

 

手形貸付

手形貸付とは、企業が振出人となって約束手形を発行し、その手形を銀行に差し入れて資金提供を受ける融資形態です。手形貸付は、手続きが比較的簡単なことが特徴です。

手形貸付も、1年以内の短期の借入に用いられることの多い融資形態だといえます。

 

証書貸付

証書貸付とは、銀行と企業が「金銭消費貸借証書」を取り交わし、書面に記載された条件で銀行から資金を借りる方法です。契約書の作成や連帯保証人の押印、印鑑証明書・登記簿謄本の提出などが必要であり、手続きが煩雑になるため、一般的に、返済期間が1年以上にわたるような長期の融資に用いられます。

 

当座貸越

当座貸越とは、銀行との契約であらかじめ限度額を決め、限度額の範囲内で好きな時に資金を借りたり返したりすることが出来る融資形態です。必要な時にいつでも資金を調達することができるので、使い勝手のいい融資形態だといえます。しかし、銀行にとってはリスクが高いことから、財務状況の良い企業しか審査が通らず、一般的に利用することは難しいといえます。

 

融資の種類

融資制度の種類は、融資を行う主体によって、国や自治体が中心となって行う「公的融資」と、民間の銀行や信用組合等が行う「民間融資」の大きく2種類に分けられます。

 

公的融資

公的融資とは、政府系の金融機関や地方自治体で行われている融資のことをいいます。

公的融資は、一般的に、民間融資に比べて金利が安く、有利な条件で資金を調達することができます。また、創業前の企業や創業間もない社会的な信頼の低い企業でも、比較的融資を受けやすいことが特徴です。

今回は、公的融資のうち、日本政策金融公庫の公庫融資と、地方自治体の制度融資について紹介します。

 

日本政策金融公庫(公庫融資)

日本政策金融公庫は、民間の金融機関では融資を行いにくい中小企業者などへの融資を補完する使命を持った政府系金融機関です。したがって、創業前や創業直後の企業などでも融資を受けやすいことが特徴です。

日本政策金融公庫から融資を受けるメリットとしては、以下の点が挙げられます。

 

  • 無担保・無保証人で利用できる
  • 民間融資に比べ、利率が低い
  • 固定金利であるため、金利変動リスクが低い
  • 返済は長期分割で可能
  • 制度融資と比べると、申し込みをしてから資金が実際に支払われるまでの期間が短い
  • 資金をきちんと返済して日本政策金融公庫から信用を得ることができれば、民間の金融機関からも融資を受けやすくなる

 

日本政策金融公庫の融資制度には様々なものがあります。下記では、その一部を紹介します。

 

普通貸付

ほとんどの業種の中小企業が利用することができる融資制度です。運転資金や設備資金に使う場合には最大4,800万円、特定設備資金に使う場合には最大7,200万円の融資を受けることができます。利率は、返済期間や担保の有無等の条件により異なりますが、担保を提供する場合の基準利率は1.16~2.35%です。

 

経営環境変化対応資金

経済的・社会的環境の変化により一時的に売り上げが減少している企業が利用することができる融資制度です。最大で4,800万円の融資を受けることができます。

 

IT活用促進資金

情報技術(IT)の普及に伴う事業環境の変化に対応するための情報化投資を行う企業が利用することができる融資制度です。最大で7,200万円の融資を受けることができます。

 

制度融資

制度融資は、都道府県や市区町村など地方自治体が中心となって行う融資です。窓口となるのは地方自治体なので公的融資の一種ですが、実際にお金を貸し出すのは民間金融機関です。また、後で説明する信用保証協会の保証を受けることが融資の条件となっています。

制度融資を受けるメリットとしては、以下の点が挙げられます。

 

  • 日本政策金融公庫よりも利率が低いことが多い(ただし、利息とは別に信用保証協会の保証料がかかることに留意が必要です)
  • 自治体によっては優遇制度があり、利息の一部を自治体が負担してくれることがある
  • きちんと返済をすることで、信用保証協会の信用を得ることができる

 

一方で日本政策金融公庫と比べて以下のようなデメリットもあります。

 

  • 自己資金の条件が厳しく、投資総額の3分の1ほどの自己資金が必要
  • 自治体・民間金融機関・信用保証協会と、審査の関門が多い
  • 申請から融資実行まで2ヶ月ほどと時間がかかる

 

制度融資の条件等は自治体ごとに異なるため、各自治体に確認するようにしましょう。

 

信用保証協会

信用保証協会は、企業が融資を受ける際に保証人となってくれる公的な機関です。融資実行時に保証料を支払うことで、企業が返済できなくなった場合に、保証人として企業に代わって金融機関に返済を行ってくれます。信用保証協会に保証をしてもらうことで、信用の少ない創業前後の企業などでも融資を受けやすくなります。

 

民間融資

民間融資とは、民間の金融機関が行う融資のことをいいます。

民間融資は、公的融資に比べて審査が厳しいといえますが、融資の申請に必要な書類が少ないことや、審査期間が短いことから、短期間で資金を調達することができます。

民間融資の主な種類としては、プロパー融資、信用保証付き融資、ビジネスローンが挙げられます。

 

プロパー融資

プロパー融資とは、銀行等の民間の金融機関が直接企業に資金提供を行う融資のことをいいます。銀行が直接融資を行うので、新規事業主などリスクの高い会社に行われることは基本的にないといえます。プロパー融資のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

 

  • 公的融資に比べて融資申請に必要な書類の数が少ない
  • 公的融資に比べて申請から資金が提供されるまでの期間が短い
  • 企業としての社会的信用度が上がる

 

一方でデメリットとしては以下の点があります。

 

  • 公的融資に比べて審査が厳しく、創業期の企業や業績の良くない企業は融資を受けにくい
  • 公的融資に比べて金利が高く、一般的に変動金利なので、金利変動のリスクがある

 

信用保証付き融資

信用保証付き融資とは、信用保証協会に信用保証をしてもらい、民間の銀行から資金を提供してもらう融資のことをいいます。一般的な銀行金利よりも低い金利で借りることができることや、無担保で借りられること、固定金利であることなどのメリットがある一方で、プロパー融資に比べて審査期間が長くなるといったデメリットなどがあります。

 

ビジネスローン

ビジネスローンとは、消費者金融や信販会社、クレジットカード会社等が行っている融資のことをいいます。ビジネスローンのメリットとしては、以下の点が挙げられます。

 

  • 融資申請から資金の提供までの期間が、プロパー融資などと比べても短い
  • 公的融資、その他の民間融資と比べて必要書類が少ない
  • 資金の使い道が比較的自由である
  • 無担保・無保証であることが多い

 

一方でデメリットとして以下の点が挙げられます。

 

  • プロパー融資などと比べても金利が高い
  • 公的融資やその他の民間融資などに比べ、借入限度額が低い

 

事業計画書の作り方を知りたい方、必見!

融資の申し込みにあたっては、金融機関から「事業計画書」の提出が求められる場合が多くあります。事業計画書を作成する際には、事業目的や事業構造などの必要事項を端的に示すことが重要ですが、初めて作成する場合は書き方等に迷うことも多いのではないでしょうか。

下記のURLからダウンロードできる「お役立ち資料」では、これから事業計画書を作成しようとしている方に向け、事業計画書に取り入れるべき事項や、事業計画書を書き上げるにあたっての留意点等を紹介しています。

ぜひ参考にして、事業計画書の作成に役立ててください!

 

・【事業成功の鍵!】事業計画書作成マニュアル

 

まとめ

企業が利用することができる融資には、様々なものがあります。自社の資金の使い道や借入期間、財政状況などを考慮したうえで、適切な融資に申し込むようにしましょう。

融資を申し込むにあたっては、「事業計画書」の作成が必要です。上記の「お役立ち資料」を活用し、貴社の事業計画書の作成に役立ててください!

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