春になると送別会のシーズンが訪れます。送別会を開くに当たって、日程と会場、予算の調整や、案内の送付、当日の進行など様々な業務が生じます。同僚や上司の今までの苦労を労い、新天地への門出を明るく迎えられるように、前もって準備を整えましょう。今回は、送別会をスムーズに行うための事前/当日準備や、盛り上げるためのアイデアを紹介します。
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送別会とは、別れ去ってしまう人を送り出すための会を指します。退職する社員、取引先の担当といった、共に仕事をしてきた人達に対して、感謝や惜別、労いの意を込めて開かれます。
送別会と壮行会はよく混同されます。本来壮行とは、その人を励まし明るい前途を祈念して送り出すことです。したがって壮行会は、目的に関係なく職場を去る人のための会である送別会とは異なり、例えば海外留学する人や現地赴任が決定した人など、会社を離れるわけではない人の成功を願って開くことになります。
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送別会の幹事になった場合、手配すべきことは多いです。下記の他にも、出席状況の把握、会の進行表の作成、会計管理といったこまごまとした仕事があります。
送別会の詳細は、大規模であれば2ヵ月前等から、10人~20人程度であれば1カ月前程度から告知する必要があります。予め送られる人の空いている日をいくつか出してもらい、必ず参加してもらいたい人達(上司など)の都合を伺った上で、参加しやすい日や参加者の多くなりそうな日に決定します。開始時間も、遅くからなのか早くからなのか、次の日に仕事があるかどうかなどを加味して、上手く調整する必要があります。
参加者にとって遠すぎる場所は避け、会社からの近さやアクセスの良さなどを前提の条件にしつつ、機材が必要ならそういった用意のある会場、飲食だけなら居酒屋、大人数なら貸切ホール、また、送られる人の年代が上なら豪華に、若手ならカジュアルになどと、臨機応変に対応する必要があります。会場が決定し予約する段になったら、いつからキャンセル料が発生するかの確認や、メニューの要望などのやり取りをしておくことが望ましいです。
平均的な会費はひとり当たり4,000円~5,000円程度ですが、これは当然ながら、送られる人の年代や職種に応じて変わります。この金額には、会場・飲食代に加えプレゼント代(ひとり当たり500円~1,000円想定)などが含まれます。なお、送られる人からはこれらの代金を徴収しないのが常識的です。
詳細が決定し次第、参加者に案内状を送りますが、この際、送られる人には金額等の記載されていない特別な案内状を用意します。通常の案内状には、目的、日時、会場、会費と集金方法、緊急連絡先、返信の必要と返信期限などを記載しておきましょう。
幹事は会が始まるより先に現地入りし、席配置、飾り付け、店との打ち合わせなどを済ませます。時間より早く到着する人もいるため、開始時間ギリギリまでバタバタしているというようなことは避けた方が良いでしょう。
司会は他の誰かに頼む場合もありますが、幹事が行うケースがほとんどでしょう。「皆様お疲れ様です。これより○○○さんの送別会を行いたいと思います。本日司会を務めさせていただきます、***と申します。宜しくお願いします」などと始めることになります。
場合によっては、役職の高い人から挨拶を一言貰ってから、乾杯の音頭をとることもあります。「それでは、乾杯の音頭を***さんより頂戴したいと思います。皆様、グラスをお手にお持ち下さい」などと述べましょう。
食事が出てきてからは、しばらく会話する時間を取ります。30分~1時間程度で良いでしょう。サプライズを用意している場合は、この時に行うこともあります。
送られる人が最もお世話になった人、関わりの深い上司、最も役職の高い人などにスピーチをしてもらいます。「皆様、○○○さんはこの度、~~されることになりました。そんな○○○さんへ、***さんよりはなむけのご挨拶をお願いしたいと思います」などとアナウンスして歓談を一度打ち切り、挨拶する人につなげます。
贈呈する場合は、「***一同より、○○○さんへプレゼントを用意しました。***さん、お願いします」などと呼びかけましょう。
当人の様子や場の雰囲気を見てタイミングを計り、「ここで○○○さん、一言お願いします」などと述べます。
司会主導で会を一度閉めます。この前に役職の高い人による締めの言葉や、会が長い場合などは中締めの言葉が入ったり、その後に手拍子や手締めを行ったりすることもあります。「宴もたけなわですが、本日はこれでお開きとさせていただきます。○○○さん、今後ますますご活躍されることをお祈りします」などと締めくくり、また二次会が既にセッティングされているならばこの最後に告知することになります。
毎度同じ進行でマンネリ化してしまう、今ひとつ盛り上がりに欠ける、参加者リストを見るに歓談が滞りそうだといった悩みは、送別会に限らずあらゆる宴会につきものです。そんな時に場を湧かせるアイデアを5つ紹介していきます。
今までの思い出をアルバムにしてプレゼントしましょう。手作りアルバムであればテープやシール、スタンプといった装飾用アイテムは簡単に手に入りますし、こだわるのであれば業者に発注することもできます。いずれにしろ、2,000円~3,000円でも十分美麗なものが贈れます。
こちらはスクリーン等の機材が必要になりますが、会の最中に流せば確実に感動を呼び起こすことができるでしょう。メッセージや写真をつなげたムービーを作るとなると技術的なハードルに尻込みするかもしれませんが、最近では動画作成アプリなどで簡単に編集することができます。スライドショーにしたり音楽をつけたりコメントを書き込んだりすれば、送られる人が喜ぶことはもちろん、送る人も懐かしんだり笑ったりするので、会全体の雰囲気が良くなります。
送別会でプレゼントはよく贈られ、インテリア、日常品、お酒、装飾品など様々です。3,000円~5,000円程度で用意することが多いですが、相場は予算や送られる人の立場にもよるでしょう。代表的なものは花束で、見た目にも美しく場も華やぎます。もし送られる人の荷物にならないようであれば、定番で安全な選択と言えます。他に例をあげれば、グラス、カップ、お皿などの食器類は実用も兼ね、安っぽくなり過ぎもしないため、贈り物に最適です。
時間に余裕があれば、余興としてゲームをしてしまうのも手です。普段業務上の話しかしないような人同士でも打ち解けることができます。定番なのはビンゴゲームやおしぼり絞り、お絵描きゲーム、ジェスチャーゲームなどで、やるならば筆記用具や紙を用意しておきましょう。
職場の雰囲気や参加者の関係性にもよりますが、有志を募って演奏やダンスなどを披露してもらえば盛り上がるでしょう。予算に余裕があって、ひと味違った送別会を演出したいのであればプロを呼ぶことも可能です。ただし、決して押しつけがましくならないよう、送られる人の性格や好みを十分に考量した上で決定するべきでしょう。
送別会の手配は、段取りや気配りする必要のあることも多く大変ですが、その分成功させることができれば、皆に感謝をされたり送られる人に喜んでもらえたりします。引き受けてから慌てることのないよう、また、参加する際に幹事がいかに大変かを理解しておくためにも、内実を把握しておきましょう。
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