従業員の働きがいを高めるファミリーデーとは

働き方改革の影響を受け、ワークライフバランスの推進のために、従業員の家族を会社に招待するファミリーデーを開催する会社が増えています。ファミリーデーでは、家族が従業員の仕事内容を理解したり、他の家族との親睦を深めたりする機会を与えられるため、従業員の働きがい向上や、従業員同士の結束力強化につながります。今回は、ファミリーデーを開催するメリットや開催方法、開催事例などについて紹介していきます。

ファミリーデーとは

ファミリーデーとは、社員が普段働いているオフィスを、社員の家族が訪れることのできるイベントです。具体的な取り組みの内容は、社員の家族に会社の事業をよりよく理解してもらうものから、社員の子どもたちに楽しんでもらうものまで様々です。いずれにせよ、実際の仕事に近い部分を見ることになるので、授業参観の会社版と考えると分かりやすいかもしれません。

 

ファミリーデーを開催するメリット

家族の仕事への理解度上昇

大抵の場合、職場は社員にとって家庭に次いで多くの時間を過ごす場所となりますが、家族が自分の仕事の内容をよく理解していないというのはしばしばあることです。ファミリーデーを通して、会社の取り組みや社会的意義、さらにどのような人々と一緒に働いているかを知ってもらえば、社員の家族も会社に対する誇りを持つことができ、それが結果として社員を応援する気持ちとなるでしょう。このように、家庭でも仕事の内容を十分に理解してもらうことは、社員自身のモチベーション向上のためにも非常に重要です。

企業イメージの向上

ファミリーデーを通してアピールできるのは社員とその家族だけではありません。ファミリーデーの取組みの様子をウェブサイトやSNSなどで発信すれば、オーディエンスは「この会社は社員の家族とのつながりまで考えている」と感じます。このようなファミリーデー開催についての発信は、顧客や投資家、求職者の自社へのイメージ向上につながるでしょう。

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ファミリーデーの開催方法と開催事例

ファミリーデーの開催方法について、いくつかの事例を通して見てみましょう。

日本マイクロソフトの場合

日本マイクロソフトは、夏休み期間中にファミリーデーを毎年開催しています。2018年に7回目と、息の長い取り組みを続けています。
PC Watchの報道によれば、日本マイクロソフト側では、幅広い年代の社員の家族が楽しめるような設計を心がけています。担当者が「日本マイクロソフトのビジネスが変わってきており、それにあわせるように、最新のAI技術やHoloLensを体験できるコーナーも用意した」と答えているように、自社製品を有効活用して、様々な人に自社の事業に対する理解を持ってもらえるプログラムの好例と言えるでしょう。

Sansanの場合

EightやSansanなどの名刺管理アプリケーションを開発しているSansanも、2018年の段階で3年にわたってファミリーデーを開催しています。社員の家族の中でも特に子どもの参加を想定したプログラムとなっており、子どもが社員と名刺交換を行ない、外部から講師を呼んでおにぎり作り教室を開催しました。
イベント自体は朝から昼までの開催であったため、イベント終了後も社員はまだ仕事をする必要がありました。そこで、イベント終了後に保護者である社員が子どもを家へ連れて帰らずにそのまま仕事ができるように、外部からシッターを呼んで子どもたちを社内で預かるようにもしました。

mediba の場合

auスマートパスや医療情報サイト「Open Doctors」等を手掛けている株式会社medibaは、2014年よりファミリーデーを開催しています。2019年は新オフィスに引っ越したばかりであることから、多くの方にご覧いただけるよう招待範囲も友人知人まで拡大し、二日間に渡り開催しました。子供たちが楽しめるコンテンツとしてデジタルゲームやスタンプラリーも行いつつ、人間中心設計で造られた新オフィス自体をコンテンツと位置づけ、スタッフによるオフィスツアーも開催しました。さらに時間も夜景の楽しめる20時まで延長し、働きやすい環境であるというアピールの場としても活用できました。

開催における注意点

東京以外の拠点についても考慮すること

全国に拠点を持つ会社であれば、リソースの問題でファミリーデーの開催地が限定されることも考えられます。そのような場合は、他の拠点の社員の家族にも情報が届くように、適切な施策を行うことが望ましいでしょう。
例えば、日本マイクロソフトは全国に拠点がありますが、これまでの開催地は基本的に東京の品川本社に限られています。東京以外の地方勤務の社員の家族に対しては、冊子の配布などで日本マイクロソフトへの理解を促しており、東京以外の拠点にも配慮しています。

子どもの安全性を確保すること

ファミリーデーには、社員の子どもという普段オフィスにはやってこない年代の参加者もいます。オフィスには小さな子どもが触ると危ないものも多く、不慮の事故が起こらないように安全対策を十分に検討した上で開催しましょう。

出勤日にするのかを明確にすること

ファミリーデーが仕事ではないと社員に捉えられると、社員やその家族の参加率が大きく下がってしまうと考えられます。そのような事態を避けるためにも、ファミリーデーを出勤日として仕事の一部であることを明確化し、社員とその家族に参加してもらうことが重要です。

土日や祝日の開催も検討すること

共働きの家庭も増える中で、平日の開催だと社員の配偶者が仕事で忙しく子どもを連れてこられないということもあるかもしれません。その場合は土日や祝日の開催も検討するといいでしょう。

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まとめ

ワークライフバランスが日本でも重視されるにつれ、より多くの会社が家庭と自社をもっとつなげようとファミリーデーを実施するようになっています。ファミリーデーを有効に活用し、自社のイメージ向上につなげましょう。

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