サポート切れの前に知っておきたい、クラウド型グループウェアのメリットとおすすめツール5選

2020年10月13日より、Office 2010のサポートが終了となるため、Office 365への移行が必要となります。Office 365にはクラウド型グループウェアの機能が備わっており、クラウド上でのファイル管理や、遠方にいる従業員とのWeb会議を行うことが可能です。今回は、クラウド型とその他タイプのグループウェアそれぞれの特徴やメリット・デメリット、おすすめのクラウド型グループウェアの紹介をしていきます。

クラウド型グループウェアとは

概要

グループウェアとは、ネットワークにより組織内の情報共有を行うシステムソフトウェアのことを指します。クラウド型は、データを個人のデバイス(だけ)ではなくデータセンターに保管するタイプのものです。データセンターのサーバーは、インターネットを介して企業内外の様々なデバイスから接続することができるため、データを個人のデバイスの中に保管しておくのではなく、必要な時に必要なだけ必要な人がやり取りできるという特徴があります。

その他タイプのグループウェアとは

クラウド型と対比されるのが、オンプレミス型です。オンプレミス型では、データベースサーバーやネットワークなど、システムに必要なものを自社で調達しセッティングします。旧来採用されてきたのはこちらの方で、自社のシステム担当員がメンテナンスやアップデートを行い、システムも自社ごとにある程度カスタマイズできるという特徴があります。グループウェアにはこれら2種類があり、どちらにもそれぞれのメリットとデメリットがあります。

 

クラウド型グループウェアのメリット・デメリット

メリット

  • コストがかからない
    サーバーやデータ保管、ソフトウェアなどを外部企業が提供してくれるため、自社で用意する必要やシステム担当員を多く採用する必要がありません。メンテナンスや運用もほぼ外部企業が担い、自社内で設備を置く場所も取らないなど、費用、空間、時間の面での節約ができます。
  • 導入が速い
    ソフトウェアやネットワークを自力で整えるなどの必要がなく、外部企業のサイトに登録と情報入力をすませればすぐに使用を始められます。出来合いのシステムを購入するだけなので、社内の普及にも時間がかかりません。
  • いつでもどこでも誰でもアクセスできる
    データが特定の個人のデバイスに留められているといったことがないので、インターネット環境さえあれば、どの人でもどの時間でもどの場所からでもデータを使用できます。例えば、PCを置いたまま外に出てしまったが新アイデアが浮かんだ、あるいは、複数の人にこの資料を書き換えて欲しいなどといった時にも、タブレットやスマホといったモバイル端末で書き加えたり複数人が編集したりできるのは、クラウド型ならではの利点です。そのため、現在注目を浴びる在宅勤務・テレワークの多い企業にも向いています。
  • バックアップができている
    データが各所のデバイスに偏在している、ということがないので、個人に何かあったときもデータはデータベースサーバー上で無事なままです。元々バックアップしなくても常にデータが保護されている状態にあるので、ハードウェアの問題を解決したりデータを逐一移したりする手間を省くことができます。

デメリット

  • 他システムとの統合・互換性に欠ける
    ソフトウェアやネットワークをまとめて外部企業から導入することになるので、自社内の既にあるシステムや、他企業のシステムとの統合は難しくなります。例えば、自社独自のシステムなどが元からあった場合、それまであった機能の一部が使用できなくなったり、他のシステムを導入しようとしても、全く共存できなかったりする可能性があります。
  • セキュリティが万全でない可能性がある
    データは一括して外部企業のデータベースサーバーにあり、使用されているのも共通のネットワークであるため、他者からの侵入や情報漏洩の危険性は高くなります。こうしたリスクを完全に防ぐことはできない以上、導入する企業の側でもセキュリティ対策はしておく必要があります。
  • カスタマイズしにくい
    購入の時点で既にパッケージ化されているものも多く、提供されているツールの付け替えなどはできても、個別の企業で自由に設定を変えたり書き換えたりといったことは難しくなります。もし自社に必要な特殊な機能があっても、仕様として対応されていなければ導入はできません。

 

オンプレミス型のグループウェアのメリット・デメリット

メリット

  • 自由にカスタマイズできる
    ソフトウェアやネットワークが全て自前なので、自社のニーズに合わせて好きに作り上げることができます。一般的には普及していない機能でも、運用できるシステム担当員がいれば、各企業に最適なシステムを構築できる他、異なるシステムとの連携も設定から書き換えてしまえばいいため比較的容易に行えます。
  • セキュリティの安全性が高い
    自社しか知らないローカル線を通してやり取りすれば他者は介入できず、侵入も情報漏洩も起こりません。顧客の個人情報など、クラウドで共有するのが不安なデータを自社内で安全に長期保管することも可能です。
  • オフライン環境で使用できる
    クラウド上に保管されたデータは、ネットワークから外れれば閲覧することすらできなくなりますが、個人のデバイスに保管しておけばネットワークがなくとも編集が可能です。インターネット回線になんらかの問題が発生したり通信速度が遅くなったりしても、オンプレミス型ならばほぼ影響を受けません。

デメリット

  • コストが高くつく
    ソフトウェアやネットワークを全て用意するには、人員も費用も多くかかります。また運用も自力で行うので、長期的にメンテナンス費用やアップデート費用がかかり、トラブルに備えて常にシステム担当員も確保しておかなければなりません。
  • 導入にかかる時間が長い
    自社に最適なソフトウェア、ネットワーク、デバイスなどを逐一選び購入し調整するため、場合によっては数週間から数ヶ月を要します。もしシステムを運用できる人員がいなければ、採用から始める可能性さえあります。

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おすすめのクラウド型グループウェア5選

Office 365

Office 365はMicrosoftの提供するシステムで、最先端のセキュリティ対策が施されています。Word、Excel、PowerPointなどOfficeツールの数々をはじめ、メール、計画表、ファイルストレージ、オンライン会議、アクセス許可の管理などに対応しています。

G Suite

G SuiteはGoogleが提供するシステムです。Gmail、ハングアウト、ドキュメント、スプレッドシートなど使用頻度の高いGoogleツールの他、アプリやウェブの作成、検索や管理者権限など、便利な工夫が多く施されています。

SmartCloud Notes

SmartCloud Notesは昔からよく日本で使われていた主流のシステムで、IBMが提供しています。メール、カレンダー、チームやプロジェクトの編成などを行える他、社内掲示板やウェブの作成が自由にできる長所があります。

サイボウズ ガルーン

サイボウズ ガルーンはサイボウズの提供するシステムで、他システムからの移行や連携が円滑に行える強みを持ちます。機能の拡張や充実が容易で、スケジュール管理、アクセス管理、ファイル管理、ワークフロー、掲示板とチャット、メール、ポータル、スペースなどに対応しています。

ビジネスgoo

ビジネスgooはNTTレゾナントの提供するシステムで、スマホへの対応が手厚くなっています。スマホアプリに拡張できる他、連絡先、ファイルストレージ、回覧や伝言、管理ツールなどの10機能から成ります。スケジュールや勤怠管理に加え、交通費管理などもできるという特徴があります。

  

まとめ

現在は便利さからクラウド型が人気ですが、オンプレミス型にも長所は多くあり、クラウド型とオンプレミス型のどちらが適しているかは企業により様々です。Office 2010のサポート終了が迫るなか、そのままOffice 365に移行すれば良いのか、他のクラウド型グループウェアにするのか、またはオンプレミス型の自社調達の方が好ましいのか、これを機に職種や形態、環境に即して、改めて検討してみましょう。

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