Categories: 新型コロナ関連

労務管理の具体的な業務とは? 労務管理の煩わしさを解消するサービス3選

労務管理は従業員にとって安心な職場環境を整える大切な業務です。法令順守や税制改正、社会保険手続きなどとても複雑でミスも起こりやすい業務となります。労務管理の課題・重要性を知り、労務管理を正確に把握することが重要になります。今回は労務管理の課題、ポイント、サービスについて解説します。

労務管理とは

労務管理とは、労働者が安心して働けるよう、労働条件や労働環境を労働基準法等に基づいて管理する仕事です。労務管理には労働に関するさまざまな業務、そしてそれに伴う課題が存在します。

労務管理の具体的な業務

  • 労働時間の管理
    労働者の心身の健康を守るためにも、労働時間の管理は適切に行わなければなりません。労働基準法によって、1日8時間、1週間に40時間を超える労働は原則禁止されています。この規定を超えて残業が必要な場合は「36協定」の締結が必要です。
    労務担当者は残業時間を精査し、状況に応じて労働者と個別の面談を実施して労働時間の改善を図ります。また、労働者に休日や有給が適切に付与されているか調査することも労働時間の管理のひとつです。
  • 給与計算業務
    労働時間に応じた基本給を算出し、労働保険料や健康保険料、厚生年金保険料、所得税などを天引きします。また、残業手当の算出や有給管理も必要ですが、近年は給与計算システムの導入によって給与計算の多くの業務が自動化されています。
  • 安全衛生管理
    安全衛生管理は、労働者が心身ともに健康で安全に働けるように管理するための業務です。具体的には、定期的な健康診断や安全管理者・衛生管理者・産業医などの専任、衛生安全委員化の設置などがあります。機械などを扱う場合は、安全に作業を行えるように機械のメンテナンスや適切な環境づくりをし、クレーンなどの運転は有資格者を配置しなければなりません。
  • 労働者のライフイベントに応じた手続き
    労働者がライフイベントを迎えても、継続的に働きやすい環境を整備するのも労務管理の業務範囲です。具体的には、引っ越しによる通勤手当や通勤経路の変更手続きや給与の変動に応じた各種保険料の見直し、結婚による氏名の変更手続き、出産手当や育児休業給付金の申請手続きなどが該当します。
  • 労使関係管理
    労務管理の担当者は、企業によっては労働組合の代表者との団体交渉への対応や労働に関する各種条件の合意など、労使協調実現に向けて奔走することもあります。また、労働者から寄せられる苦情処理制度の設置や労働者の待遇改善なども対応しなければなりません。

労務管理の課題

新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、テレワークを導入する企業が増加しました。テレワークの場合、労働者の働いている様子を正確に把握することができないため、労働時間の管理や賃金額の決定、安全衛生管理が難しく、これらにどのように対処するべきかが課題となっています。
労働時間や賃金額の決定に際しては、パソコンの使用時間などの客観的な記録が有用です。労働時間を適切に管理できないと労働者の長時間労働を招く恐れもあるため、メール送付の抑制やシステムへのアクセス制限、テレワーク時の時間外・休日・深夜労働等の原則禁止、長時間労働を行う労働者への注意喚起も必要となります。
安全衛生管理の対策としては、メンタルヘルス対策について衛生委員会等で調査審議したうえでマニュアルを作成し、これに基づいた取り組みを実行することが有効です。

関連記事:
【2020年4月施行】労務関係手続の一部の電子申告が義務化されます!
社会保険労務士?労務管理士?両社の違いを徹底解説

 

労務管理のポイント

労働者の生活を守るためにも、賃金・労働条件・解雇、および雇止めは労働基準法等に定められた規則を遵守して適切な労務管理を実施しましょう。

労働基準法等に基づいて賃金を支払う

賃金は毎月1回以上一定の期日を定め、労働者に全額を通貨で直接支払わなければなりません。万が一企業が倒産した場合も、退職金や社内預金は企業が支払う義務があります。企業側の都合で休職させた場合は、労働者への休業手当の支払いと一定の収入保証が必要です。

労働条件の引き下げを行う場合は話し合いを

労働契約の変更は、原則として労働者の合意を得なければなりません。就業規則によって労働条件を変更する場合は、合理的な内容であることに加え、労働者に周知する必要があります。配置転換は就業規則に基づいて命じますが、権利濫用にあたらないためには業務上の必要性と労働者の生活上の不利益とを比較検討することが重要です。

解雇・雇止めは条件を満たしているか要確認

企業は労働基準法等によって労働者の解雇を制限されています。権利濫用による解雇は無効となりますが、やむを得ない理由がある場合は、労働基準法に則って30日前の予告を行い、予告を行わない場合は解雇手当を支払わなければなりません。

 

労務管理に役立つクラウドツール3選

このように、労務管理にはさまざまな種類の業務があり、課題や気を付けるべきポイントが数多く存在します。以下でご紹介する3つをはじめ、クラウドツールを活用して業務の効率化を図りましょう。

SmartHR

SmartHR株式会社SmartHR)は、従業員が個人情報を直接入力して電子申請することによって、入社や雇用契約、退社、住所変更などの手続きに必要な書類を自動作成できるクラウド人事労務ソフトです。ペーパーレスで紙やハンコを必要とせず、役所への電子申請にも1クリックで対応できます。収集した従業員情報は社員名簿に集約され、変更があるごとに自動更新されるため、常に最新の従業員情報を一元管理することができます。

オフィスステーション

オフィスステーション株式会社エフアンドエム)は、労務手続きや年末調整、有給管理、Web給与明細、マイナンバー管理機能を持つクラウド型システムです。すべての機能をオールインワンで使うことも、必要な機能のみ使うこともできます。自社に合わせて運用を最適化できるのが特長です。現在利用中の給与・勤怠システムとAPI、Excel、CSVなどで連携することによってさらなる効率化を図れます。

楽々労務

楽々労務(株式会社ラクス)は、人事・労務担当者から入社予定者に通知メールを送り、入社予定者自身が必要情報を入力するだけで各届出書を自動作成できるクラウドサービスです。収集した従業員情報を一元管理し、氏名や住所の変更、扶養の追加や削除などの情報修正も従業員自身の更新・申請によって常にアップデートされます。従業員数に応じて月々30,000円からスタートすることが可能です。

関連記事:
最適な勤怠管理システムの選び方!サービス比較で見る、効率的な業務のポイント
【身近にある働き方改革実例】労働時間を削減し、生産性向上を実現! 働き方改革の第一歩は「勤怠管理の見える化」

 

まとめ

今回は労務管理の具体的な業務と役立つサービスについてご紹介しました。適切なクラウドツールを活用しつつ効率的に労務管理を行い、労働者が安心して働ける環境を整えましょう。

Recent Posts

This website uses cookies.