新型コロナウイルス感染症への予防対策として、多くの企業がテレワークへの移行を実施、または移行を検討されていることかと思われます。テレワークの際には、会社のサーバーにアクセスしたりビデオ会議をしたりすることもあるため、インターネット環境を整備することが必須です。今回は、テレワーク導入時に企業に求められるインターネット環境と回線を選ぶポイント、おすすめのサービスをご紹介します。
目次
テレワークとは、情報通信技術(ICT)を利用して、企業のオフィスだけではなく自宅など離れた場所で業務を行う働き方のことをいいます。私たちは既にスマートフォンやパソコンでインターネットを使用していますが、テレワークで使用するインターネット環境には、より業務に適した以下のような条件が必要になります。
テレワークでは、メールやメッセージアプリでのやりとりだけではなく、業務資料のファイルなど大きなデータの送受信が発生します。また、ZoomやSkypeなどのビデオ通話による打ち合わせや複数人数でのWeb会議が行われるケースもあるでしょう。
例えばZoomやSkypeでは、ビデオ通話に必要な通信速度について300Kbps~1.8Mbps、複数人数でのビデオ会議では上り512Kbps~3Mbps、下り1~8Mbpsを推奨しています。他にもオフィスのパソコンへのリモートアクセスや業務システムの利用など、インターネットを利用する機会は広く想定されるでしょう。これらの背景から、テレワークに必要な通信速度の目安は1~8Mbpsといわれています。
業務に支障が出ないようにするためには、通信回線の品質も大切です。ここでいう品質の高さとは、通信障害などのトラブルがないことや通信速度が安定していることを指します。
固定回線である光回線は、品質がほぼ安定しているといえます。一方で無線回線であるWi-Fiは、サービス会社の品質の違いだけではなく周囲の環境に影響されやすいのが特徴で、回線が安定しない場合があり注意が必要です。
テレワークでは、機密情報や個人情報に社外からアクセスして作業することになります。そのため、インターネットセキュリティの対策は必ず行わなければなりません。
不正アクセスやウイルスなどによるサイバー攻撃から身を守るために、セキュリティーソフトの導入はとても重要です。セキュリティーソフトは常に最新でなければなりません。また、暗号化されていない情報は簡単に盗まれてしまうため、インターネットを利用する全ての通信を暗号化し外から見えないようにするVPNの導入も必須となるでしょう。
もちろん、持ち出した端末の紛失をしないことや危険なサイトにはアクセスしない、迷惑メールは開かない、などの基本的な行動も忘れてはなりません。
では、新たにテレワークを導入するにはどのような費用がかかるのでしょうか。パソコンやモバイル端末などはこれまでも業務で使用していたものを使用できることが多いので、それほどは問題になりません。
一番に考えられるのは、通信環境整備の費用です。光回線や無線回線を新たに準備する場合は、契約手数料や毎月の利用料が必要です。また、光回線の場合は工事費用、モバイル回線ならばルーターのレンタル料なども必要になります。金額の目安は、以下のようになります。
これらの通信環境にかかる費用については社員がプライベートでも使用することができるため、費用の負担割合などを明確にすることも大切です。例えば在宅勤務の場合、勤務中の水道光熱費なども考えなくてはなりません。
次に必要になるのが、社内の情報にアクセスするための遠隔操作機器の導入やクラウド利用、リモートアクセスのためのVPN導入費用などです。また、社員同士のコミュニケーションのため、Web会議やチャットサービス、勤怠管理アプリなども必要でしょう。これらは使用するアプリやサービスによってさまざまですが、神奈川県の「中小企業のためのテレワーク導入ガイド」では、以下のように費用の実例が挙げられています。
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光回線は固定回線のため通信が安定しており、通信データの容量も速度も制限がないことが特徴です。一般的に光回線の最大通信速度は1Gbpsであり、なかには10Gbpsのサービスを提供しているところもあります。そのため、大容量データの送受信や動画の視聴、Web会議などもほぼストレスなく行うことができるでしょう。また、携帯電話キャリアとのセット契約で料金が割引されるケースもあります。
デメリットは、新規に導入する場合には工事が必要であり、費用や時間がかかってしまうことです。従業員の自宅へ固定回線を導入する場合には、設備や通信にかかる費用を企業がどれ程の割合で負担するのかを明確にしておきましょう。
モバイル回線の良い所は、何といってもサービス圏内ならば外出先などどこでも使用できることです。機器類はモバイルルーターのみで企業から貸与する形となるため、企業と個人の費用負担が明確になります。工事も必要ないためすぐに導入でき、初期費用も抑えられます。
デメリットは、通信量の制限があることです。各社のプランにもよりますが、一定の通信量を超えると速度制限がかかってしまいます。また、使用場所の環境に影響されやすく、通信が不安定になったり速度が落ちたりすることもあります。
企業によってテレワークの形もさまざまです。テレワークの場所が自宅に限られている場合は、通信速度が安定している光回線が適しています。また、大容量の情報をやりとりする必要があったりWeb会議や打ち合わせが多かったりする場合も、データ容量の制限がなく回線が安定している光回線を使用した方が良いでしょう。今後も継続してテレワークを行っていくのであれば、初期費用がかかっても光回線を選んだ方が業務の効率化が期待できます。
一方、導入に時間をかけずにすぐ使用したい場合や初期費用を抑えたい場合はモバイル回線を利用するのが良いでしょう。会社から社員にモバイルルーターを貸与することですぐに使用することができます。また、在宅だけではなく外出先からの通信環境が必要な業務形態ならば、モバイル回線が最適です。
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テレワークの環境を整備する際には、回線を選ぶだけではなくさまざまな準備が必要になります。最近では、そういったテレワークに必要な機能をセットにしたサービスも登場しています。
例えば、「NUROアクセス」はビジネスに特化した高速インターネットサービスです。インターネット環境の整備を検討中の方は、ぜひ一度下記資料をご確認ください。
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