ワールドカフェとは?メリット・デメリットや実現するためのポイントを解説

カテゴリ:
公開日:2024.7.9

ワールドカフェとはカフェのようなリラックスした雰囲気で対話をすることを指します。司会や細かなルールが存在し緊張感があるワークショップとは異なり、ワールドカフェは自由な雰囲気であるため、自分の意見を伝えやすいのがメリットです。しかし、様々な意見が自由に飛び交うため、結論が導きにくく早期解決には向いていないといった問題点も挙げられます。「結論を出さなければいけない」というプレッシャーは自由な意見交換を妨げてしまうため、結論を出そうとせずにリラックスした雰囲気作りを心がけましょう。

     

ワールドカフェで話し合いをしてみよう

ワールドカフェとは

ワールドカフェとはカフェのようなリラックスできる雰囲気の中で、メンバー同士が自由に意見交換をする手法のことです。一般的なワールドカフェでは少人数に分かれたテーブルで対話を行い、ほかのテーブルとメンバーをシャッフルすることで参加した全員の意見や知識を集めます。なお、このワールドカフェでは議論の結論や課題の解決策を明確にすることを主な目的にはしていません。メンバーが相互理解を深めながら創造性に優れた意見を出し合うことを大切にしており、ビジネスの現場でもワールドカフェが採用されるケースが増えてきました。

ワールドカフェの由来

ワールドカフェはアメリカのデイビッド・アイザックス氏とアニータ・ブラウン氏によって提唱されました。会議前に参加者がテーブルを囲んでカフェのような雰囲気でおしゃべりを始めたことが、ワールドカフェ誕生のきっかけになったと言われています。本来のフォーマルな会議よりもカフェのようなリラックスした状態での話し合いの方が、活発に意見交換できて多くのアイデアが生まれたのです。この経験を基にワールドカフェという手法が開発され、現在ではさまざまな企業やコミュニティで活用されています。

ワークショップとの違い

ワークショップは進行役の指示に従いながら、与えられたテーマや課題に対して話し合って共同作業を行うものです。このワークショップは課題解決・意思決定・アイデア創出など、具体的な成果を得ることを目的として実施されます。一方、ワールドカフェは参加者同士の交流や相互理解の促進、創造性の発揮などを目的としており、具体的な成果よりもプロセスが重視される手法です。参加者同士の自由な対話を尊重しており、進行や細かいルールなどを設けない点でもワークショップと異なります。

関連記事:
チームビルディングに最適な社内イベントは?【現役担当者3名による座談会】〈前半〉
サードプレイスとは?おすすめ場所とメリット・デメリットについて解説
構造化面接とは?導入することで得られる効果と注意点について解説

ワールドカフェのメリット・デメリット

メリット1:自分の意見を伝えやすい

ワールドカフェは少人数のグループで自由に意見交換を行う手法であるため、自分の意見を伝えやすいメリットがあります。会議・ワークショップ・研修などでは、大勢の参加者を前にした発表や質疑応答に対応しなければならない場面が多く、発言を控えてしまう方も少なくありません。しかし、ワールドカフェでは一人ひとりが発言する機会が豊富にあり、発言者の話をしっかりと聞くように促されます。ワールドカフェであれば誰でも気軽に意見を言える環境を整えることが可能です。

メリット2:多様な意見を共有できる

ワールドカフェであればメンバーの多様な意見を共有できます。従来の会議や打ち合わせなどでは発言者が限られてしまって議論が深まらなかったり、新しいアイデアが生まれにくかったりする課題がありました。しかし、ワールドカフェでは参加者の多様な価値観が尊重されます。特定のテーマはあっても決められた議題や進行はなく、異なる立場や背景を持つ人々が集まって意見交換を行うためさまざまな意見を集められます。

     メリット3:事前準備の手間がかからない

事前準備の手間がほとんどかからない点も、ワールドカフェのメリットの一つです。通常の会議や研修を開催しようとすると資料作成やプレゼンの練習などに、多くの時間と労力を費やす必要がありました。一方、ワールドカフェはシンプルなルールと自由な雰囲気で進行できるため、事前準備の手間がかかりません。テーマ設定・会場の手配・参加者へのアナウンスなどを済ませれば、話し合いをスムーズに進められます。

     デメリット:問題の早期解決には向いていない

ワールドカフェは多様な意見の共有を目的としているため、必ずしも結論に辿り着くわけではないので注意しましょう。そもそも、ワールドカフェでは対話のテーマは決まっていても、ゴールは設定されていません。自由な意見交換と全体での共有に時間を費やすので、問題解決に直接的な時間を割くことはしないのです。そのため、ワールドカフェはテーマを深く議論するため時間がかかるため、緊急性の高い問題の話し合いには向いていないと認識しておきましょう。

    

ワールドカフェを成功させるためのポイント

目的を明確にする

ワールドカフェで話し合いをする前には、目的を明確にしておきましょう。例えば、次のような目的で開催されます。

  • 多様な意見を集めたい
  • 新たなアイデアを生み出したい
  • 参加者の信頼関係を築く
  • 職場のコミュニケーションを円滑にする

こうした目的がはっきりしていないと、ワールドカフェにおける参加者の言動がぶれやすくなってしまいます。有意義な対話にするためにも、開催する目的は事前に参加者に共有するようにしましょう。

適した人数で行う

ワールドカフェを成功させるためには、参加者の人数を適切に設定する工夫が重要です。ワールドカフェは1つのテーブルにつき4人程度の少人数グループで行うのが一般的で、全体の参加者数は16人以上が望ましいとされています。人数が多すぎると一人ひとりの発言機会が減ってしまうだけでなく、議論が思うように深まりません。一方、人数が少なすぎると多様な意見が出にくくなり、議論が活性化しない恐れがあります。参加人数にも配慮してワールドカフェを開催するようにしましょう。

リラックスした雰囲気作りを心がける

ワールドカフェではリラックスした雰囲気作りを心がけましょう。落ち着いた空間で話し合いを実施できれば、次のようなメリットが生まれます。

  • 積極的に意見交換に参加できる
  • 自由に発言できる
  • 相手の意見を傾聴できる
  • 創造的なアイデアを生み出せる

リラックスした雰囲気を作るためには、アイスブレイクを行ったり、参加者同士はフレンドリーな態度で接することを意識したりしてみましょう。また、簡単な軽食や飲み物を用意しておくと、参加者の緊張をほぐすアイテムとして役立ちます。

   

まとめ

ワールドカフェを開催すれば多様な意見を交換できるだけでなく、参加者同士の関係性を深められます。リラックスした雰囲気で軽食や飲み物を楽しみながら意見を出し合えれば、新しいアイデアも数多く生まれるかもしれません。もし、普段の会議で活発な意見交換が行われていないと悩んでいたら、ワールドカフェを開催してみてはいかがでしょうか。

こちらも読まれています:

この記事が気に入ったら いいね!しよう
somu-lierから最新の情報をお届けします

この記事に関連する記事