意外と知らない試用期間の落とし穴!

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公開日:2017.6.5

4月に新入社員を採用された会社はたくさんあるかと思います。採用後、新入社員の職場への定着や、業務スキルの育成に頭を悩ませている担当者や上司の方もおられることでしょう。

さて、新たに採用した社員に対して「試用期間」を設けることは一般的ですが、会社によってはその本質を正しく理解できていないことが多いようです。

今回は、4月入社の新入社員について、試用期間が満了する時期が近づいてまいりましたので、今一度「試用期間」についてのありがちな誤解のポイントと正しい運用方法について解説いたします。

 

誤解のポイント①:試用期間中は、会社が自由に解雇できる?

このように考えている会社も少なくないのではないでしょうか。これは、完全な誤解です。試用期間中であっても、一般の社員と同じように「客観的かつ合理的理由のない解雇は無効」という労働契約法上の制限があります。

例え、試用期間満了後に本採用を拒否するといった場合でも、原則として解雇に当たるため、上記の「客観的かつ合理的理由」が必要となります。

試用期間中というのは、その『「客観的かつ合理的理由」のハードルが、一般の社員より少し低い程度にすぎない』という点に注意しましょう。

 

 

 

誤解のポイント②:試用期間中は、解雇の予告がいらない?

試用期間中であれば、「キミはうちの会社には合わないみたいだから明日から来なくていいよ。」と言って即時解雇しても良さそうな気がしますが、これも完全な誤解です。

特に、誤解のポイント①で説明したとおり、試用期間満了後に辞めさせるといった場合でも原則として解雇に当たるので「解雇予告」が必要で、予告せずに満了と同時に退職とする場合は、当然に平均賃金の30日分の「解雇予告手当」を支払う義務が生じます。

ただし、唯一の例外として、「試用期間中」かつ「採用から14日以内」に解雇する場合においては、解雇予告は不要となります。とは言うものの、その解雇に「客観的かつ合理的理由」がなければ解雇自体が無効になる可能性が高いので注意が必要です。

 

 

 

誤解のポイント③:試用期間と有期雇用契約は同じ?

試用期間と有期雇用契約は、明確に意味合いが異なります。

有期雇用契約が「期間の定めがある」という雇用契約の一種であることに対し、試用期間は、一つの雇用契約期間の初期の一部に、いわゆる初心者マークのようなものを貼るという意味合いになります。なので、「試用期間」の後も雇用契約は継続することが大前提となります。

 

 

 

試用期間の正しい運用方法

・就業規則や雇用契約書に明記(期間の短縮や延長も)

・トラブルを避けるため、試用期間中に何を満たせば本採用となるのかを明記(客観的な数値などがあるとよい)

・試用期間であっても、社会保険や雇用保険には入社初日から加入

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