構造化面接とは、自社の採用要件を明確にした上で、あらかじめ設定した評価基準や質問項目に沿って、手順通りに行う面接のことを指します。構造化面接を行うことによって、面接官による評価のばらつきを防ぐことが可能になるだけでなく、採用後のミスマッチ改善にもつながります。しかし、構造化面接ではあらかじめ用意された質問に沿って情報を得ていくため、候補者の新たな側面や自由な発想を見出すことが難しいといった注意点も挙げられます。
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質問内容やその順序、使用する言葉まで定められた面接手法のことです。近年、採用面接の際に活用する企業が増えていますが、従来は精神疾患に関する大規模な疫学調査などで用いられてきました。採用面接だけでなく、長時間労働者に対する医師面接でも活用することが推奨されています。採用面接における構造化面接は、事前に設定した評価基準や質問項目に沿って面接を進める採用手法となります。
非構造化面接とは、質問を決めずに行う面接で、「自由面接」とも呼ばれます。 事前に質問内容が設定されている構造化面接と異なり、面接官が主体となって質問内容やその順序を決める面接手法です。質問項目や質問の順番は面接官が自由に決められます。候補者の本音を引き出しやすいものの、評価基準に一貫性がなく、ある程度経験のある面接官でなければ臨機応変な対応が難しい点が課題となるでしょう。
半構造化面接とは、ある程度決められた質問項目に沿って進めるものの、状況や候補者の反応によって面接官が自由に質問を変えていく面接手法です。 構造化面接は評価基準や質問項目がすべて決まっている手法であるのに対し、半構造化面接は部分的に決まっているという点で異なります。候補者の人間性や価値観などを評価しやすい点が強みですが、その一方で評価基準に一貫性がない点は留意しなければなりません。
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この面接手法では、あらかじめ評価基準や質問項目が決まっているため、面接官による評価のばらつきを防げます。 面接官の経験やスキル、無意識の偏見・思い込みによって、採否判断が左右される可能性を低減できるのです。自社にとって最適な判断基準が設定できているかどうか検証と改善を繰り返すことで、面接官の面接力の底上げも図れるでしょう。
構造化面接では、事前に自社に適した評価基準・質問内容を協議して設定します。このプロセスによって求める人材像が明確化し、自社に合う人材を選びやすくなり採用後のミスマッチ改善にもつながるでしょう。特定の状況下でどのように考え行動するのかといった内容の質問が多いため、再現性の高いスキルを採用段階で確認できるのです。採用後のパフォーマンスをある程度予測でき、入社後に「期待したパフォーマンスを発揮しない」という状態に陥ることを防げます。
評価軸を均一化することで、求める人材を見極めるための最適な質問を効率よく投げかけられるうえ、採否判断の協議に費やす労力や時間を軽減できます。いずれの面接の際も面接時間が大幅に変動することなく、短すぎたり長すぎたりすることなく一定の時間に収められるでしょう。その結果、採用業務の効率化が可能です。また、この面接手法であれば評価基準や質問項目、進め方が決まっているため、面接経験がない、あるいは浅い従業員でも担当できます。面接官の属人化を防ぎ、より多くの従業員が選考に関われるようになるでしょう。
この手法の特性上、決められた質問項目に沿って面接を進めるため、候補者に機械的な印象や威圧的な印象を与えがちです。そのような印象を与えてしまった場合、会社のイメージが悪くなり入社意欲が低下してしまう場合もあります。複数の会社に応募している場合は他社を選んでしまう可能性もあるのです。候補者にマイナスな印象を与えないようにリラックスできる雰囲気作りを心がける必要があるでしょう。
質問項目が決まっているため、候補者の反応に応じて質問を変えたり、話を深掘りしたりすることが難しいため、候補者の新たな側面や自由な発想を見出しづらい点がデメリットです。 本音を引き出せず、候補者の人間性や価値観が十分に把握できないまま面接が終了してしまう可能性もあるでしょう。質問項目を設定する段階で内容や質問ごとに割く時間を入念に協議し、実際に面接をした後の結果に応じて設定しなおす必要があります。
構造化面接ではすべての候補者に同じ質問を行うため、質問項目がSNSや口コミサイトを通じて外部に漏洩するリスクがあります。候補者が質問を事前に把握して準備してきた場合、正しい評価がされない可能性があるのです。その場合、正しい評価ができず、採用後にミスマッチが生じるかもしれません。質問内容や面接のやり方が外部に漏洩することを想定して、質問項目を定期的に見直すようにしましょう。
今回は、構造化面接の概要や、導入することで得られる効果、注意点について解説しました。自社に合う人材を見極めるためにも、評価基準や質問項目を設定する際は入念に検討する必要があります。候補者の新たな側面や自由な発想は見出しづらいものの、評価基準を均一化することで、採用後のミスマッチの予防や採用業務の効率化が可能です。この機会に、構造化面接の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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