お中元手配や賞与支払い準備だけじゃない!“The・繁忙期”な総務部の7月

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公開日:2016.6.14

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総務の仕事は会社全体に関わるため、担当する業務もそれだけ広範囲にわたります。まだ配属されて間もない人は、「次はどんな仕事をするんだろう」と不安に思うことも多いのではないでしょうか。そんな不安を解消するためには、その月度が始まる前に全体のタスクを一覧にして、しっかりと把握しておくことが大切です。

また、給与や税金の処理をはじめとする各種届出・申請を行う労務・経理業務には、とりわけ専門的な知識が必要となることが多いものです。この時期の業務に必要な知識をここでおさらいしておきましょう。

【7月の総務タスク一覧】お中元の準備、賞与や年金の手配…総務部の7月は大忙し!

総務部にとって7月は、通常業務と並行して社内の夏支度や得意先へのお中元、暑中見舞いの発送、賞与支払いの準備なども進める必要がある忙しい時期です。まずは下の表を参考にして、自社のタスクを一覧にまとめておきましょう。

項目 内容
行事全国安全週間(7/1~7/7)
対外業務新卒採用活動
中元贈呈品の発送
暑中見舞いの発送
官公庁へのご挨拶
対社内業務福利厚生施設夏季利用の調整
衛生管理の徹底
オフィス環境・冷房機器の点検整備
経理・労務業務社会保険料の納付
源泉徴収所得税額・特別徴収住民税額の納付
賞与の支払い
健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届の提出
納期の特例の適用を受けている場合の源泉所得税の納付(1~6月分)
軽度労働者死傷病報告の提出(4月~6月分)
算定基礎届の提出
労働保険料第1期分の納付

<表1:7月の総務タスク一覧>

行事としては、毎年この時期に行われる「全国安全週間」があります。これは各行政団体や企業での安全への意識向上を促す目的で実施されているもの。厚生労働省の指定行事でもあります。このイベントに向けて総務部では、職場の総点検や社員に向けての講習の準備などを行います。

対外業務の中にある「官公庁へのご挨拶」もこの全国安全週間に伴うもので、厚労省や消防署などへの挨拶を指します。

【経理・労務業務の詳細】各種届出の締め切り把握がカギ

経理・労務業務について詳しくみていきましょう。税金や年金、各種保険料の手続きなど、専門的な知識が必要な場面も多い経理・労務業務。特に7月は第1期分の支払いや年度更新がまとまってくる時期なので、1年の中でもタスクが多くなる傾向にあります。まずはそれぞれの業務の締め切り日を把握して、今のうちから計画的に仕事を進めていきましょう。

賞与の支払い準備

夏が近づくと、まず気になるのは賞与の支払い準備ですよね。従業員への賞与の支払いに際しては、「被保険者賞与支払届」という書類を年金事務所や健康保険組合の窓口へ提出する必要があります。厚生年金では将来受け取る年金の額を算出するとき、賞与も含めた給与の総額が使われます。そのため、月々支払われる給与以外に従業員への支払いが生じた場合は、必ず届出が必要になるのです。

賞与支払届の提出は賞与の支払日から5日以内とされていますので、総務ではそれに合わせて各従業員分の書類を整理することとなります。提出先は、会社が健康保険組合に加入している場合は健康保険組合の窓口、協会けんぽに加入している場合は管轄の年金事務所となります。健康保険組合の窓口に提出した場合は、そこで書類をまとめ、年金事務所に送られることがほとんどです。

納期の特例の適用を受けている場合の源泉所得税の納付

忘れてはいけないのが、納期の特例の適用を受けている場合の源泉所得税の納付です。従業員に給与を支払う際、所得税を源泉徴収しています。この所得税は通常、支払い月の翌月の10日までに税務署に納める必要があります。ただし給与の支給人数が9人以下の場合は、月々の所得税を半年分まとめて納付することができるのです。これを「納期の特例」と呼びます。

具体的には、その年の1月1日から6月30日までの分を710日までに、7月1日から12月31日までの分を翌年の120日までに納める形になります。よって7月は、1回目の納付が必要になる時期というわけです。

軽度労働者死傷病報告の提出

労災関係では、この時期に軽度労働者死傷病報告の提出が必要になります。従業員が就業中のケガなどをしたときには、事業者は厚生労働省に報告する義務があります。その際の報告書類として使われるのが、軽度労働者死傷病報告です。

休業4日以内の報告は通常、1~3月分、4~6月分、7~9月分、10~12月分の4回に分けて報告することとされています。それぞれ翌月末が締め切りとなっているので、4~6月分の報告は7月末が締め切りということに。総務ではこの期間の労働災害をとりまとめて、期日までに報告できるように準備を整えておきましょう。

算定基礎届の提出

社会保険料絡みでも、この時期大きなタスクが発生します。この社会保険料の金額は毎月の給与額をもとに算出されますが、額の変動が大きい場合は計算に時間がかかってしまいますよね。この手数を減らすために従業員ごとに「標準報酬月額」を定めるための提出書類が、算定基礎届です。

標準報酬月額は4~6月の給与を3で割った額とし、その年の7月10日までに日本年金機構または健康保険組合に届け出る必要があります。こちらも期日までに提出できるよう、あらかじめ準備を進めておくのがよいでしょう。

労働保険料第1期分の納付

最後に、労働保険料関連のタスクです。労働保険には、雇用保険と労災保険の2つがあります。前者は従業員が失業したときに給付金を受け取れる仕組み、後者は就業中にケガなどをした際に保険料を受け取れる仕組みです。

労働保険料は、分割での納付を選んだ場合710日、1031日、翌年の131の3回払いになります。7月は1回目の納付時期であることに加えて年度更新の時期でもあり、確定保険料や新年度の概算保険料の計算、申告納付などの作業も必要です。

各タスクの窓口・期限のまとめ

提出・納付物・報告内容 提出・納付・報告先 期限
被保険者賞与支払届健康保険組合の窓口
管轄の年金事務所
賞与支払日から5日以内
納期の特例の適用を受けている場合の源泉所得税の納付税務署7月10日まで
軽度労働者死傷病報告厚生労働省賞与支払日から5日以内
算定基礎届日本年金機構または健康保険組合7月10日
労働保険料第1期分の納付労働基準監督署7月10日

<表2:各タスクの窓口・期限>

年間の総務タスクを確認するためには?

このように、7月は総務部門にとって「山場」ともいえるほど多忙な時期。複数のタスクの締め切りが同時期に重なっているので、ともすればタスク過重で締め切りに間に合わなくなる危険もあります。事前に全体のタスクを整理し、無理のないスケジュールを立てて効率的に進められるようにしましょう。

このように月ごとの何をやればよいか分かっていると、日々の業務に安心して取り組めますよね。総務の1年間のタスク一覧が見れる総務カレンダーは、以下から入手できます。総務の一年間の仕事内容がまだ分からない、という方はぜひダウンロードしてみてください。

目次
  1. はじめに
  2. 【4月】年度初めに必要な体制構築業務、準備業務を徹底
  3. 【5月】年度初めの慌ただしさが収束する時期こそ、普段できない環境整備などに注力
  4. 【6月】株主総会への対応、夏のご挨拶への準備など幅広い業務を実施
  5. 【7月】四半期経過の時期に必要となる、戦略総務が担う業務
  6. 【8月】夏季休暇への対応と、防犯・防災への取り組みを充実させるタイミング
  7. 【9月】半期の時期の業務とリスクに対する意識向上がミッション
  8. 【10月】下半期スタートの時期に必要な、各種見直し業務の実施
  9. 【11月】年末の繁忙期前にやるべき総務タスク
  10. 【12月】年末の整理整頓のタイミングで行う、社内環境の整備・充実
  11. 【1月】多忙な年始の業務遂行のほか、期末に向けた重要業務がスタート
  12. 【2月】期末の目標に向けた土壇場の時期に必要な業務
  13. 【3月】期末に目標達成状況を把握し、来期に向けた取り組みを開始
  14. 今後は企業の厳格な管理が求められる
  15. クラウド勤怠管理システム「AKASHI」
  16. 【付録】総務カレンダー

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