働き方改革を推し進めるにあたっての日本の労働制度の課題の1つとして、「単線型キャリアパス」が指摘されています。これはライフステージに合った仕事を選択しにくい、ということを意味します。一方で、日本企業におけるキャリアパスを柔軟にするといわれる「リファラル採用」が徐々に拡大しつつあります。リファラル採用とは、社員が企業の働き方に合致した人材を人事に直接紹介する採用手法で、ライフステージに合った仕事の選択や人材の流動性の向上といった効果が期待されます。今回はそんな企業のリファラル採用の概要とメリットについて解説します。
リファラル採用とは、社員一人一人がその人脈を活かし、企業の求める人材を人事に直接紹介する採用方法です。 この手法は、アメリカでは一般的であり、同国コンサルティング会社による平成25年の調査で、有名企業50社にとって最大の採用経路(19.2%)であることが明らかになりました。一方、日本での普及はまだ芳しくないですが、近年は注目されつつあります。
以前より日本では、入社したら係長、課長、部長、社長といったように一本道の出世街道を誰もが目指し、そんな「単線型のキャリアパス」は近年日本の労働制度の課題として認識されています。一本道であるが故に、勝ち残るのは一握りで、その他の人は能力があるのにそれを活かせないという状況に陥ります。
一方でリファラル採用においては、従来の単線型ルートではなかったような、転職の幅が広がり、自分の能力を活かすチャンスが得られます。リファラル採用が普及すれば、このような形での転職をだれもが選択しやすくなり、労働市場の流動性が高まると考えられています。リファラル採用によって、労働者側は、自分に合ったキャリア設計が行いやすくなります。さらに企業側も、より能力の高い人材の確保を望むことができるのです。
また、外国人材の受け入れという課題に対する、ソリューションにもなりうると言われています。グローバル競争において、高度な技術や知識を持った外国人材を採用することによって、イノベーションを創出していきたいということが望まれる中、リファラル採用が打開の糸口となるのです。外国人材の採用はハードルが高いと言われますが、リファラル採用という手法を用いることで、社員の紹介ということもあり、信頼関係があらかじめ築かれている中で採用ができるのです。したがって、リファラル採用は、外国人材受け入れの活発化にも、一役買うことが期待されるのです。
このように日本全体の労働制度を改善するという点における期待がかけられるリファラル採用ですが、個別の企業にとってはいかがなものでしょうか。以下ではリファラル採用導入によって、企業が得られるメリットや導入にあたってのポイントを解説していきます。
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リファラル採用が大きく期待されているのは、導入することで以下のような様々なメリットを得られるためです。
前述してきたようにとてもメリットの多いリファラル採用ですが、実際に導入する場合には、高い効果を得るためにはいくつかのポイントを抑えておく必要があります。
リファラル採用は、従来の採用手法において課題とされていたことを解消します。また、より一層企業の推進力を引き上げていく人材を獲得する上でも有用といえるでしょう。いち早く導入し、他社との差別化を図ってみてはいかがでしょうか。
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