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採用ブランディングとは?メリットと進め方について解説

採用ブランディングとは、採用活動において自社をブランディング化することを指します。採用ブランディングによって企業イメージが上がると、優秀な人材を引き付けやすくなります。また、強力なブランディングを持つ企業には優秀な候補者が自ら応募するため、その企業は求人広告や採用活動に費やすコストを削減することが可能になります。採用ブランディングを行う際はまず、企業の強みや弱みといった現状分析をもとに、求める人物像を描く必要があります。

     

採用ブランディングとは?

求職者に対し企業を印象付ける取り組み

採用ブランディングとは、求職者に対し企業を印象付ける取り組みです。そもそもブランディングとは、ターゲットに対し企業や商品・サービスを印象付ける取り組み全般を指します。具体的には、ターゲットに良い印象を与え、「この商品を使ってみたい」「この場所に行ってみたい」と思った場合に、自社の商品やサービスを一番に思い浮かべてもらうための取り組みです。採用ブランディングの場合は、求職者が「就職したい」「転職したい」と思った場合、一番に自社を思い浮かべてもらうことが目的となります。

採用ブランディングが注目を集める背景

採用ブランディングが注目を集める背景にあるのは、少子高齢化に伴う深刻な労働力不足です。帝国データバンクによる「人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月)」によると、人手不足に直面している企業の割合は、正社員で52.6%、非正社員で29.9%にのぼっており、人手不足を要因とした倒産も過去最高を更新しています。就職市場・転職市場は売り手市場になっており、優秀な人材を獲得するのは非常に難しい状況です。求職者を集めるには、労働条件だけでなく企業の魅力を積極的に発信する必要があり、自社のファンを増やす採用ブランディングが大きな注目を集めています。

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採用ブランディングのメリット

認知度が高まり母集団形成が有利になる

採用ブランディングを通して自社の魅力を発信すると、企業認知度が高まり、母集団形成が非常に有利になります。採用ブランディングで多くの求職者と接点ができるため、就職活動や転職活動を進める際に有力な候補として検討してもらえる可能性も高まるでしょう。また、自社の魅力を発信し続けることで、求職者に対し一貫性のある印象を与えることも可能です。企業理解が深まることで応募の判断根拠が明確になり、採用ミスマッチの抑止にもつながります。

人材獲得競争を回避し採用コストを削減できる

採用ブランディングを進めることで、求職者の意識が「この企業でいい」から「この企業がいい」に変化するため、熾烈な人材獲得競争から距離を置くことが可能です。労働条件など画一的なアピールでは人材獲得競争に巻き込まれてしまいますが、自社の魅力をアピールし求職者にとって唯一無二の存在になれれば、他社と比較されることもありません。また、採用ブランディングがうまく行けば自然と求職者から応募が集まるため、求人広告や人材紹介といった採用コストを削減できます。短期的に見るとコストのかかる採用ブランディングですが、中長期ではコスト削減にもつながる取り組みです。

採用ブランディングの進め方

求める人物像を明確にする

まずは、採用ペルソナともいえる自社が求める人物像を明確にしましょう。求める人物像を明確にすることで、訴求すべき自社の魅力が明確になったり、適切な媒体で採用ブランディングを進められるようになったりするため、より一層の認知拡大やイメージ向上を実現することが可能です。採用ペルソナを設定する際は、年齢・性別・学歴・経験・資格・人柄・価値観などを総合的に判断し、自社が求める典型的な人物像を作り上げていきます。業務と直接関係の無いパーソナリティも含めてイメージすることで、求める人物像が明確になり、効果的にアプローチすることも可能です。

自社の魅力を明確にする

求める人物像が明確になったら、改めて客観的に自社を分析し、求職者にアピールすべき自社の魅力を明確にしましょう。自社のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)や企業カルチャー、主要な製品・サービスなどさまざまな観点から自社を再分析し、自社の魅力や他社と差別化できるポイントなどを洗い出します。具体的には、競合他社と比較し、自社で働くメリットを考えることが重要です。自社分析に役立つフレームワークに「SWOT分析」という手法があります。以下の4つの要素を分析することで、自社の強みや弱み、将来性やリスクを可視化することが可能です。

プラス要因マイナス要因
内部環境強み(Strength)自社や自社製品の強み弱み(Weakness)自社や自社製品の弱み
外部環境機会(Opportunity)プラスに働く外部環境の要因脅威(Threat)リスクになりうる外部環境の要因

情報発信の手段を検討しコンテンツを用意する

求める人物像とアピールすべき自社の魅力が明確になったら、採用ブランディングを行う情報発信の手段を検討し、媒体に合ったコンテンツを用意しましょう。情報発信の手段には、自社の採用ページや採用オウンドメディア、求人サイト、SNS、会社説明会、セミナーなどがあります。採用ブランディングに役立つコンテンツとしては、社員のインタビュー記事やブログ・コラム、動画コンテンツなどが人気です。求職者が応募する際に気になる情報や、自社の魅力を体系的に伝える採用ピッチ資料を作成するのもよいでしょう。採用ピッチ資料は、Web上で公開するだけでなく、会社説明会やセミナーで配布するなど、多方面で活用できる資料です。

従業員に周知し自社ブランドの理解を促す

採用ブランディングの取り組みを開始したら、従業員に周知し、自社ブランドの理解を促しましょう。なぜなら、従業員が求職者や顧客、取引先などとかかわりを持つ際に、自社のブランドを意識して行動することで、一貫した自社ブランドの浸透が期待できるからです。例えば、求人広告に自社の魅力を掲載していたとしても、従業員が会社説明会やセミナーで異なる発言や行動を取っていたら、求職者は不信感を抱くでしょう。このような問題を未然に防ぐためにも、採用ブランディングのコンセプトを従業員に周知し、自社ブランドの理解を促すことが重要です。

振り返りを行い効果測定する

採用ブランディングを実施したら、必ず振り返りを行い効果測定しましょう。具体的には、採用ブランディング実施後の、採用ページや採用オウンドメディアの閲覧数、会社説明会やセミナーの参加人数、求人に対する応募数や採用数などの変化を確認してください。採用ブランディングの効果が表れるまでには、一定の時間が必要です。各種施策を実行した後は客観的なデータを確認し、PDCAサイクルを回して改善を続けましょう。期待したような効果が得られない場合は、ブレインストーミングなどで問題を洗い出したり、成功事例と比較してどこに問題があるのかを確認したりするのも、効果的な方法です。

      

まとめ

今回は採用ブランディングについて解説しました。採用ブランディングとは、求職者に対し自社の魅力を印象付ける取り組みです。少子高齢化に伴う労働力不足が叫ばれるなか、自社のファンを増やし母集団形成に効果的な採用ブランディングは大きな注目を集めています。人材獲得競争から距離を置くことで、採用コストを削減できるのも重要なメリットです。当記事で解説した進め方を参考に、採用ブランディングを実行してみましょう。

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