記帳代行とは?メリットやデメリットを詳しく解説します

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公開日:2022.4.26

記帳代行とは、事業を運営するうえで必要になる帳簿作成の業務を代わりに行ってくれるサービスのことです。企業における日々のお金の動きを記録してくれることから、経理担当者の業務負担を大幅に軽減することが可能です。記帳代行には経理業務のどこまでを任せられるのでしょうか。この記事では、記帳代行サービスの概要、メリット・デメリット、注意点ついて詳しく解説していきます。

記帳代行の活用が広がっている

記帳業務とは?

記帳業務とは、事業を運営するなかで生じるさまざまな取引内容を帳簿に記入することをいいます。日々の売上・仕入れの金額・経費の支払いなど、お金の流れを正確に記載しておくことで、決算書の作成に役立てることができます。所得金額や納税金額を正確に算出するためにも、事業経営において記帳業務は欠かせない業務なのです。加えて、適正かつこまめな記帳業務は事業の現状を把握するためにも役立ちます。大きな経営判断を下すにあたっては、事業に対する適切な認識が必要ですから、記帳業務は事業運営に欠かせない業務といえます。

記帳代行ではどんなことをやってくれる?

本来記帳業務は、お金の出し入れが発生するたびに行わなければなりません。しかし、細々とした金額までをいちいち記録していく作業は、多くの企業で経理担当者の手を煩わせています。どの勘定科目に入れたら良いかなど悩むポイントも多く、決して簡単にできる作業ではありません。
そこで、最近では記帳業務を代わりに行ってくれる記帳代行サービスを活用する企業が増えています。記帳代行サービスでは主に以下のような業務を代行してくれます。

  • 記帳
  • 請求書発行
  • 給与の計算
  • ファイリング
  • 売掛金・買掛金管理
  • 振込
  • 現金管理
  • 口座管理

記帳代行を頼むには?

一般に、記帳代行サービスを使いたい場合は以下のような企業に依頼すると良いでしょう。

  • 記帳代行会社
    記帳代行会社は記帳代行業を専門にサービスを提供しています。大規模に事業を展開している会社ではサービスの単価が安いことも多く、手軽に利用することができます。経験豊富なスタッフが多く在籍しているため、うまく活用すれば自社で経理スタッフを抱えることなく経理業務を行うことも可能になるでしょう。ただし、スタッフの多くは税理士免許を持っていないため、専門的な相談ができる訳ではありません。節税対策や税務に関する質問をする際は税理士に依頼する必要があります。
  • 税理士事務所
    企業によっては税理士と顧問契約を締結している場合も多いですが、記帳代行をサービスの一環として行っている税理士事務所も増えています。税務のプロフェッショナルなので、記帳代行のほかにも節税対策の相談も可能です。ただし、税理士事務所によってクラウド会計などに対応していないケースもあり、その場合は領収書や請求書を郵送するなどの手間がかかる可能性があります。
  • 公認会計士事務所
    公認会計士事務所でも記帳代行サービスを提供しています。公認会計士の資格には税理士資格も含まれているので、税理士が行える内容はすべて依頼することが可能です。公認会計士は、上場企業の財務関連業務や、内部統制報告制度、四半期開示業務などを行うことができるので、将来的に上場を考えている企業や、M&Aなどの相談をしたい場合は会計士事務所を選ぶと良いでしょう。

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記帳代行のメリット・デメリット

メリット1:仕事を効率的に行える

記帳代行サービスを利用すれば、自社で行う経理業務の負担を低減することができます。記帳業務は慣れている人にとっても煩雑な作業が多く、正確に処理を行うためには多くの時間を使わなければなりません。自社ですべて経理業務を行うためには、経理を専業とする人材の採用なども検討しなくてはならないでしょう。記帳代行サービスを活用することで、日々の記帳にかかる手間を省略でき、その分の時間を本業務に充てられます。

メリット2:管理会計が向上する

記帳業務を税理士などのプロフェッショナルに依頼できるため、管理会計の質が向上します。例えば、法人税法などにより作成が義務付けられている年次決算と違い、月次決算の作成は企業の任意とされています。しかし、月次決算で事業の動向をリアルタイムに把握することは、的確な経営判断をするにあたって重要です。記帳代行サービスであれば、手間のかかる月次決算を実施してもらうこともできるでしょう。月次決算が整っていれば急に資金調達が必要になった場合も、銀行などとの交渉をスムーズに行えます。ビジネスの根拠として会計の数字をいつでも提示できることは、企業にとって大きな強みです。

デメリット:継続的にコストがかかる

記帳代行サービスは一度依頼し始めるとすぐに止めるパターンは少ないので、依頼コストが継続的にかかることになります。多くの記帳代行サービスの料金は、仕事量に応じて金額が増える重量課金が採用されているようです。そのため、手間のかかる仕事を依頼すれば、その分は料金も高くなると認識しておきましょう。
また、経理業務の大半をアウトソーシングすることに慣れてしまうと、自社内で経理のためにリソースを割くことが難しくなります。さまざまなオプションを上乗せ利用するうちに、想像以上のコストをかけていたというケースも少なくありません。最初に必要な代行業務を見極めて、余計な出費を増やさないように気をつけましょう。

  

記帳代行の注意点を確認しよう

セキュリティを重視する

記帳代行業者のセキュリティ対策を重視しましょう。記帳代行サービスを利用するということは、社外の第三者に経理データを渡すということです。多くの記帳代行業者では、セキュリティ対策は万全にとられていますが、機密データの取り扱いに問題がある場合、情報流出の被害に遭う可能性もあります。データアクセス権限の設定や情報漏洩対策が図られているか良く確認しましょう。また、記帳代行業者とは忘れずに秘密保持契約の締結を行うようにしましょう。

代行の対応範囲を明確にする

記帳代行を依頼する際は代行してもらえる業務の対応範囲を明確にしましょう。記帳代行業者の対応範囲は会社によって異なります。プランの内容をよく確認し、どこまでを代行業者に委託し、どこまでを自社で行わなければならないのか認識することが大切です。

悪徳業者に気を付ける

記帳代行業は無資格でも行えるサービスです。ただし、税理士資格を保有していない記帳代行業者は決算申告を行えません。ごくまれに、税理士資格のない記帳代行業者が、決算申告代行を行うと謳っているケースもあるので用心しましょう。また、記帳代行費用の総計が分かりにくい業者にも注意が必要です。一見すると安く見える料金でも、必要なサービスを合算すると高額になってしまうケースも少なくありません。記帳代行サービスの相場価格を調べて比較検討するようにしましょう。

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まとめ

記帳業務は業種業態を問わず企業経営に必要不可欠な業務の一つです。細々とした作業を日々行わなければならないことから経営層がかかりきりになるのは難しく、経理部門に精通した信頼できるスタッフがいなければアウトソーシングするよりほかに手段がない企業も多いでしょう。また、新規事業の開始直後や本業が忙しい際などに月単位で利用するためにも、信頼できる記帳代行業者のアタリをつけておくことも大切です。
日々の経理業務を滞りなく行い、経営状態をしっかりと把握するためにも、記帳代行サービスの活用を検討しましょう。

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