2020年6月より、現行の「えるぼし」認定よりも上位の認定制度である「プラチナえるぼし」認定が創設されました。「プラチナえるぼし」認定を受けると、認定マークの使用や公共調達での優遇措置、低金利の融資制度などが可能になります。一方で、認定を受けるために必要な基準は「えるぼし」認定よりもハードルが高くなっているため、よく準備をしてから挑戦しましょう。今回は、「プラチナえるぼし」認定制度の意味と背景、「えるぼし」認定と比較した際のメリットや認定基準の違いについて解説していきます。
目次
「プラチナえるぼし」認定は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等」の改正案施行によって、2020年6月1日に創設されました。「えるぼし」認定の上位の認定制度に当たり、「えるぼし」認定企業のうち、一般事業主行動計画の目標達成や女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が特に優良である場合に認定される制度です。
認定を申請する際は、厚生労働省のホームページに記載されている必要書類を用意し、郵送・持参・電子申請のいずれかの方法で都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にて行いましょう。
1971~1974年の第2次ベビーブーム以降、日本の出生数は減少傾向にあります。人口減少による国力の低下を防ぐためには男女問わず働くことが求められ、そのためには女性が働きやすい環境づくりが不可欠です。しかし総務省による2017年の調査では、女性の非労働力人口2,803万人のうち262万人が就業を希望しているにもかかわらず、それを大きく上回る35.6%もの人が出産・育児を理由に現在求職していません。
こういった背景から、早急に女性が働きやすい環境づくりをするために「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、通称「女性活躍推進法」が成立・施行されました。この法律を促進させるために創設されたのが「プラチナえるぼし」です。
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「プラチナえるぼし」認定を受けると、商品やサービス提供時に着用する制服、広告、名刺、自社ホームページ、求人票などに認定の表示が可能です。顧客や求職者に「えるぼし」認定よりもさらに高い水準で女性の活躍を推進しているという印象を与え、優秀な人材の確保や企業イメージの向上などが期待できます。
公共調達とは、国が発注する工事などの税金を使って行われる契約のことです。国が施設や建造物を建てる際は、発注先を入札形式で募集します。入札された業者のなかから依頼する業者を1社に絞りますが、「プラチナえるぼし」認定があれば加点され選ばれやすくなります。女性の活躍を推進している優良な企業ということを明示して他社と差別化を図れるのは大きな強みであり、「えるぼし」認定より上位の認定制度は審査委員により強い印象を与えられるでしょう。
日本政策金融金庫は、社会的・経済的な環境の変化といった外的要因により一時的に売り上げが低下している企業に対して融資を行っています。例えば、犯罪者が商品を愛用していてイメージダウンとなり一時的に商品の売り上げが減少した場合などに利用可能です。
日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金(企業活力強貸付)」の融資限度額は7億2千万円です。基準利率が1,11~1.30%であるのに対し、「プラチナえるぼし」認定の場合は特別利率0.46~0.65%で融資を受けられます。
認定基準の一つに、直近の事業年度において下記のいずれかの項目に該当しなければならない、というものがあります。「プラチナえるぼし」認定では割合が引き上げられており、男女の継続就業が同程度であることが求められます。
「プラチナえるぼし」認定は、直近の事業年度において管理職に占める女性労働者の割合が産業ごとの平均値の1.5倍以上でなければなりません(「えるぼし」認定は平均値以上)。また、15%以下の場合は管理職に占める女性労働者の割合が15%以上、40%以上の場合は管理職に占める女性労働者の割合が正社員に占める女性比率の8割以上という基準も追加されています。
上記の他にも、「プラチナえるぼし」認定で新設された認定基準が存在します。詳細は厚生労働省のホームページを確認しましょう。
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今回は、「プラチナえるぼし」認定の概要や「えるぼし」認定との比較を解説しました。女性が働きやすい環境が整備されている企業であることをアピールすれば、優秀な人材の獲得や企業のイメージアップに繋がります。この機会に、ぜひ「プラチナえるぼし」認定を目指して労働環境を見直してみてください。
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