人員整理とは?メリット・デメリットや実施方法について徹底解説

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公開日:2024.11.6

人員整理とは、企業が業績悪化などに伴い、従業員の数を削減するプロセスを指します。不要な人員を削減することで、給与や福利厚生にかかるコストを大幅に削減できます。しかし、人員整理によって不安感や不満が広がり、残る従業員の士気が下がる可能性があります。そこで、人員整理の理由やプロセスについて、従業員に対して的確に情報を提供し、質問や懸念に対する対応を行うことが重要です。

人員整理には慎重な判断が求められる

人員整理とは

人員整理とは企業が経営状況の悪化や事業の廃止、事業規模の縮小などを理由として、従業員数を減らす行為のことです。具体的には、希望退職者の募集・退職勧奨・整理解雇など、さまざまな方法で人員整理が行われます。企業にとって人員整理は再生を図るための取り組みですが、従業員は仕事を失ってしまうので慎重に判断して進めなければなりません。なお、一部の方を解雇する場合だけではなく、企業の倒産ですべての従業員と雇用契約を解消するケースも人員整理と呼ばれるので覚えておきましょう。

現状を従業員と共有しておく

もし、人員整理を進めようと考えているのなら、企業の状況を従業員にすべて共有することが大切です。人員整理が必要な理由や具体的な影響などを丁寧に説明できれば、従業員の不安を軽減して理解と協力を得やすくなります。全体会議・部門ミーティング・社内報・社内SNSなどを活用して、経営状況に関するデータや事業計画などを分かりやすく伝えましょう。

人員整理後の人材配置も考える

人員整理後の人材配置についても考えておきましょう。人員整理で従業員の数が減ったとしても、事業継続に必要な業務は滞りなく遂行しなければなりません。そのため、人員整理後の組織をイメージして、各部署に必要な人員数・スキル・経験などをリストアップして、最適な人員配置を計画することが大切です。人員整理をきっかけとして組織全体の活性化を図りましょう。

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人員整理のメリット・デメリット

メリット1:コストを大幅に削減できる

人員整理に成功すれば、人件費などのコストの大幅削減が期待できます。給与や福利厚生にかかる費用をカットできるだけでなく、社宅費や研修費など人に関わる固定費を丸ごと削減することが可能です。さらに、従業員数が減るのでオフィススペースを縮小できたり、使用するコピー用紙や電気の使用量を減らせたり、間接的なコスト削減効果も見込めます。

メリット2:削減した経費をほかに投資できる

人員整理で削減した経費を、企業はほかに投資できます。例えば、企業が時代の変化や顧客ニーズに対応するには、新商品やサービスの開発が欠かせません。また、生産性の向上や業務効率化のためには設備投資も進める必要があります。こうした事業に積極的に投資できれば、企業の効率化や競争力アップも十分に実現可能です。

デメリット1:従業員の士気が下がる恐れがある

人員整理によって従業員の士気が下がる恐れがあります。人員整理の対象外だった従業員も、この企業の将来は危ないかもしれないと危機感を抱くはずです。また、周囲の仲間が解雇されてしまえば、モチベーションは下がってしまいます。こうして、従業員の士気が下がれば生産性の悪化にもつながるので、企業として生み出せる付加価値も減少しかねません。企業としては適切な人員整理の方法を検討するだけでなく、従業員への配慮ある行動が求められます。

デメリット2:社会的な信用が低下する

人員整理は企業の社会的な信用が低下してしまう可能性もあります。人員整理を実施すれば企業の苦しい状況も公になってしまうので、周囲からの信用や評判が落ちてしまうことも十分に考えられるのです。その結果として、銀行・仕入先・販売先などとの関係が悪化して、融資や取引条件が不利になることも想定されます。そうした事態を回避するためには、人員整理の必要性や今後の事業計画を明確に説明できるように準備しておきましょう。

    

人員整理の主な実施方法

希望退職者の募集

希望退職者の募集とは会社全体や特定の部門などで退職希望者を募集して、企業と退職者の双方が合意して雇用契約を解消する方法です。一般的には退職金の加算や再就職支援などの優遇措置が提示され、従業員の意志を尊重しながら自主的な選択を促せます。特定の従業員を指名して解雇するよりも、希望退職者の募集はトラブルや法的な問題に発展するリスクが低いという特徴がある手法です。

退職勧奨

退職勧奨とは企業側から退職に向けて従業員を説得し、双方の合意により雇用契約を終了することを目指す方法です。退職勧奨では従業員が任意に決断して退職を決められるので、解雇のように一方的な企業の意思表示で雇用契約は終了できません。退職勧奨も法的なリスクが小さい手法ですが、従業員を退職に向けて説得し同意を得るには一定の手間がかかる点には留意が必要です。

整理解雇

整理解雇とは企業に余剰人員が生じた場合に、余った人材を削減するために実施する解雇のことです。例えば、事業内容の転換・不採算部門の整理・経営不振などを理由に整理解雇が行われます。整理解雇は解雇の一種であり、企業の一方的な意思表示によって従業員との雇用を終了させる方法です。そのため、訴訟などの法的リスクや企業のイメージダウンが生じる可能性がある点は認識しなければなりません。

まとめ

人員整理は企業が経営状況の悪化や事業構造の変化に対応するための手段として実施されます。人件費削減などのメリットがある一方で、従業員の士気低下や企業イメージの悪化などのデメリットにも注意が必要です。そのため、人員整理を成功させるには従業員の理解と協力が欠かせません。従業員への丁寧な説明やサポートなどにも配慮して、人員整理を進めるようにしましょう。

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