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男性の育休取得につながるパタハラ対策をご紹介!

男女平等や働き方改革に向けた動きが活発化している現在でも、男性の育児休暇取得率はまだまだ芳しくありません。男性の育児休暇取得の推進を阻む要因のひとつに、パタニティーハラスメント(パタハラ)が挙げられます。育児に積極的な男性に対し嫌がらせをするパタハラは、周囲の理解不足や企業の受け入れ態勢が不十分であることから生じます。今回は、パタハラの意味と原因、実例、防止策について解説していきます。

パタハラとは

マタハラと共に近年話題に上がるハラスメントに、パタハラがあります。マタハラは主に女性の妊娠、出産、子育て等について企業が肉体的もしくは精神的に不当な扱いをして不利益を与えることですが、パタハラは男性に対する同種のハラスメントを指します。妻の妊娠のフォローのための休暇を取れない、産休や育休を取れない、取れても文句を言われる、子育てのために早帰りすることを許されない、早帰りできても嫌味を言われる、休暇から復帰した後に給料を下げられたり出世できなくなったりする、辞めさせられる、等のことが代表的です。

現状

日本労働組合総連合会が20~59歳の男性約1,000人を対象とした調査によると、職場でパタハラを受けた経験がある男性の割合は11.6%にも上ります。また、実際の男性の育休取得率についても、厚生労働省によれば、2015年10月1日から2016年9月30日までに配偶者が出産した男性で2017年10月1日までに育休を開始できた人数の割合は、5.14%と非常に小さな値であり、増加率も過去1年比で2%増未満と低いままです。

注意点

マタハラやパタハラには、直接的・物理的な妨害だけでなく間接的・精神的な損害も含まれます。例え企業により適切に配慮がなされていたとしても、当該の社員が例えば同僚や上司の心ない言葉によって何らかの害を受けたと感じれば、ハラスメントと認められる可能性があります。また、制度が整っておらず前例がないなどの理由で育休の申請等を断ることも、当該の社員が理不尽と捉えればハラスメントと言われてしまいます。

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パタハラが起こる原因

パタハラが引き起こされる原因はいくつかに分かれます。日本労働組合総連合会の算出によると、そのなかでも第一には上司や同僚の理解不足と協力不足があり、実に全体の57.3%を占めていました。そして、こうしたパタハラの被害者が取る行動としては、誰にも相談せず育休等の制度の利用を断念するという回答が最も多くなっています。このようにして知らぬ間にパタハラが横行していたといったことを防ぐためにも、パタハラが発生する原因を理解して根絶していく必要があります。

上司や同僚からの理解不足・協力不足

長い間職場を離れる、仕事量を減らす、といった融通を利かせるには、周囲の協力が不可欠です。しかし、職場の承諾を円満に得るのが往々にして難しいことも、残念ながら事実です。例えば、ひとりの社員が子育てのために出勤日を減らしたり早く帰ったりした場合、残された仕事をするのは他の同僚や直属の上司になるので、労働力を減らしたくないがために互いの休暇の取得を抑制するということが起こり得ます。特に、晩婚化が進む昨今、子供ができる頃には責任のある地位に就いている人も多く、ますます育休等が取りづらくなる傾向があります。

企業のバックアップの弱さ

女性の産休や育休等へのサポート体制がようやく整備されてきたものの、男性については手が回っていない企業が多く、そもそもパタハラ自体比較的新しい言葉ですので意識すらしていないということも珍しくありません。こうした企業では、男性の育休等を妨げる意図はなくとも制度が追いついていないために、休暇中の給与について明確な規定がなかったり、年次有給休暇として扱われたりなど、社員が思わぬ不利益を被ることもあります。

育休等に関する知識の欠如や古い固定観念への拘泥

「男は外(仕事)、女は内(家事)」という価値観が未だ根強い場所では、子育てに必要な協力についての男性サイドからの理解のなさゆえに、休暇の取得をしない、またはすることを許さないという風潮があることは否めません。この状態が続く限り、男性のための育休や早帰りは阻害され続けると言えます。

  

パタハラの実例

企業からの不当な扱い(1)

ある企業は育休を申請した男性に対し、始めは理由をつけて拒否の姿勢を取り、男性からの度重なる訴えにより申請を承認したものの、育休からの復帰後には男性を要職に就かせず冷遇しました。孤立無援な状況に陥った男性が鬱病を発症すると、続けて休職命令を出しました。一連のパタハラについてこの企業は、安全に配慮する義務を遂行した、男性の子育てへの配慮をした、といった旨の理由を述べています。

企業からの不当な扱い(2)

別の企業では、育休を取得した男性が復帰すると、就業規則に則り以後は昇給させない、人事評価の対象外として昇格試験を受けさせないといった不当な処置を付されました。

周囲の協力の無さ

ある企業では、男性が子育てを理由に短時間勤務を開始したところ、上司や同僚に「自分だけ早く帰れて良いよね」、「帰宅時間になったら仕事をやり残していても全部他の人に投げられるなんて良い身分だな」などと文句を言われました。さらに、その企業の相談窓口に相談すると、上司から相談したことを責め立てられました。その後男性は精神を病んで休職し、おって退職する羽目になりました。

 

防止策

パタハラは育児介護休業法等の法律で禁じられる行為に属し、企業としても未然に防ぐ必要があります。具体的には、以下のような方策が挙げられます。

理解を浸透させる

社員に対して、意識面での刷新を図ることが重要です。パタハラはれっきとした違法行為であること、男性が働き女性が家を守るという考えは今や誰にでも当てはまるものではないこと、子育てには配偶者の協力が不可欠であること、男性が育児のための休暇等を取得することは普通であること、男性が円滑に育休等を申請できる体制を整えるべきであること、そして、同僚や上司を始めとする周りの支援がなくては立ちいかないこと等を広く認知させましょう。

相談窓口などを設置する

育休等の取得について困った時や、パタハラを受けた時のために、安全に相談でき客観的なアドバイスを与えられる場所を設ける必要があります。この窓口は、相談者の関係者からの圧力に屈せず迅速に対応する力を持ち、具体策を講じて問題が解決されるまで相談者に寄り添うことが求められます。また、これに伴って企業全体でも男性の育休取得制度等を拡充していきます。

公式の表彰や活動を導入する

厚生労働省が実施するイクメン企業アワード等の企画に参加したり、企業内でワークライフバランスを体現する社員を表彰したり、上役自ら育休を申請して男性にとってこうした休暇を取得するハードルを下げたり、といったことができます。企業によって向くやり方、向かないやり方がありますが、いずれにしろ目に触れるところでも公式に主導していくことで、身近な問題であると認識してもらうことが大切です。

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まとめ

社員の休暇取得を促進することは、長い目で見れば、企業に対するイメージアップや社員の定着率といった企業価値の向上につながります。ワークライフバランスを推奨する時代の波に乗り遅れないためにも、今の内から確実に対応しておきましょう。

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