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組織開発とは?メリットや進め方について徹底解説

組織開発とは、組織全体のパフォーマンスや効果性を向上させるために、組織内の人間関係や部署間の関係を活性化させる取り組みのことを指します。組織開発によって人と人、部門と部門の繋がりが強くなり、まとまりの強い組織を作ることができます。また良好な関係が築かれることで、従業員のモチベーション向上にも繋がります。今回は、組織開発の意味、メリットや進め方などについて解説します。

組織開発が広がっている

組織開発とは

組織開発とは組織内の人と人との関係性に働きかけて、相互作用を促して組織を活性化させる取り組みを指す言葉です。組織開発はアメリカで誕生した考え方で、日本でも高度経済成長期に浸透するようになりました。英語のOrganization Developmentを訳した言葉なので、頭文字を取ってODとも呼ばれます。組織開発を実施すれば企業が抱えている問題を洗い出し、組織内の人や部署同士の繋がりの強化が可能です。

人材開発との違い

人材開発とは従業員個人のスキルや能力を高めて、パフォーマンスを向上させる取り組みです。例えば、新人研修・メンター制度・リスキリングなどが人材開発の主な取り組みとして挙げられます。一方、組織開発では人と人との繋がりや相互作用が改善する対象です。従業員個人の問題だけではなく職場全体の関係性に着目して、業務フロー改善や全体的な組織構造の改革などで課題解決を図ります。

組織開発が注目される理由

組織開発が注目される理由としては、働く価値観や就業形態の多様化が挙げられます。日本では年功序列や終身雇用が一般的でしたが、非正規の雇用形態を希望する方も増加するようになりました。働き方もフレックスタイム制やリモートワークなど、新しいスタイルが次々に登場しています。新しい働き方に対応するためにコミュニケーションの方法が、対面からオンラインへと移行している企業も少なくありません。こうしたさまざまな変化に柔軟に対応していくために、多くの企業で組織開発が必要とされています。

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組織開発のメリット

組織の連携が強化される

組織開発を進めると、組織の連携が強化されます。組織開発は人と人の繋がりを改善するアプローチが実施される手法です。具体的にはワークショップやチームビルディングなどを通じて、従業員間のコミュニケーションを活発にして相互理解を深められます。また、リーダーが部下を育成してチームをまとめるための教育も組織開発で重要なポイントです。こうした取り組みの結果として組織全体の連携が向上します。

モチベーションが向上する

モチベーションが向上することも、組織開発のメリットです。組織開発を通じて従業員同士のコミュニケーションが活発になると、意見交換や情報共有の機会が増えて仕事への理解が深まります。加えて、互いを尊重して協力し合う文化が広がればチームワークが強化されるので、仕事に対するモチベーションもアップします。

生産性がアップする

組織開発に成功すれば、生産性がアップします。組織開発で業務プロセスの最適化やチームワークの強化などを実施できれば、一人ひとりの従業員だけでなく部署やチーム単位でのパフォーマンスの最大化が可能です。コミュニケーションも増えるので情報共有がしやすくなり、組織全体の生産性を向上させられます。

組織開発の進め方

目的を明確にする

まずは、どのような組織やチームを目指すのか、組織開発の目的を明確にしましょう。目指すべき方向は企業によって異なるため、どのような組織にしたいかを明らかにする必要があります。もし、目的が定まっていない状態のままだと、組織やチームは進むべき道が分からず効果的な施策を実施できません。企業全体で一丸となって取り組める、具体性のある目的を決めましょう。

現状を把握する

次に、組織の現状を把握しましょう。従業員同士の関係性は目に見えにくい部分でもあるので、丁寧に把握しなければなりません。そのため、現状の把握は漠然とした印象で決めるのではなく、具体的な事実に基づいて実施することが大切です。具体的には従業員からのアンケートやヒアリングによって、管理職や現場など幅広い情報を収集しましょう。

解決する課題を決める

続いて、解決すべき課題を決めましょう。課題は明確になった目的と現状の差分を考えると見えてくるはずです。そして、人と人との関係性にフォーカスすることも忘れてはなりません。現状から目的とする状態に変えるために、改善が必要な問題を考えます。加えて、従業員同士の関係性や組織構造など、働きかけが必要なポイントも見極めましょう。

改善策を立案して実行する

課題を解決できる改善策を立案し実行します。組織開発は中長期的な取り組みですが、まずは短期的なプランをスモールステップで進めていきましょう。そうすれば、比較的早期に効果が分かるだけでなく、リスクを最小限に抑えて改善策を実行できます。

結果検証とフィードバックを実施する

最後に、改善策の結果検証とフィードバックを実施しましょう。改善策で効果が得られた場合には、成功した要因を明確にします。もし、思うような成果が出なかった際には、改善のために原因を究明しなければなりません。結果検証とフィードバックで改善策をブラッシュアップして、最終的に組織全体での展開を目指しましょう。

まとめ

組織開発によって課題を解決しようと、取り組みを進める企業が広がっています。企業には多様な人材が集まるようになってきており、働き方も大きく変化しました。従来の仕組みに固執するのではなく、組織開発による柔軟な対応が求められています。従業員同士の繋がりや組織のチームワークなどに課題がある方は、組織開発で社内の連携を強化してみてはいかがでしょうか。

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