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【2024年10月更新】オン・ボーディングとは?オン・ボーディングについて事例を含めて解説

オン・ボーディングとは、新入社員が早い段階で組織に馴染み有用な人材になるために、企業が提供する取り組みのことを指します。オン・ボーディングには様々な種類があります。具体例としては、メンター制度や1on1ミーティングによる関係性の構築、会社の方針や価値観を理解してもらうための冊子の作成、新入社員に向けた社内ルールや社内用語をまとめた資料の配布や、飲み会で交流を深めるといったものが挙げられます。

  

オン・ボーディングに取り組む企業が増えている

オン・ボーディングとは

オン・ボーディングとは、新しく配属された従業員が早期に組織に馴染み、十分に力を発揮できるように企業が実施する取り組みのことです。英語で船や飛行機に乗っているという意味の「on-board」という言葉から派生して使われるようになりました。新入社員だけでなく中途で入社された方など新規採用したすべての従業員を対象としており、早期離職の防止や定着化などを目的として行われます。

OJTとの違い

OJTとは「On the Job Training」を略した言葉で、職場の上司や先輩が部下や後輩に対して、実際に仕事を行いながら知識や技術などを身に付けさせる教育方法です。OJTは業務における即戦力化を目的として行われますが、オン・ボーディングは組織に馴染ませるために行うという点に大きな違いがあります。また、実施期間についてもOJTは数週間など短期間で設定されているケースが目立つのに対し、オン・ボーディングではより長期間にわたって実施する企業が一般的です。

OJTについて、以下の記事にまとめています。より詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。
あなたの会社のOJTは大丈夫?新人研修をうまく機能させるためのコツ

オン・ボーディングが注目される背景

オン・ボーディングが注目される背景としては、優秀な人材を獲得するだけでなく定着して働いてもらうことの重要性の高まりが挙げられます。日本は少子高齢化の影響もあり、人材不足に悩む企業が少なくありません。加えて、人材を獲得できたとしても定着してくれるとは限らないのです。厚生労働省が2024年10月に発表したデータによると就職後3年以内の離職率は新規大卒就職者で34.9%と、多くの働き手が職場を離れていることがわかります。人材を惹きつけて企業で定着して働いてもらうためにも、魅力的なオン・ボーディングの提供が求められているのです。

引用元:
新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します

    

オン・ボーディングのメリット

早期離職を減らせる

オン・ボーディングを実施すれば、早期離職を減らすことに有効です。採用過程を通過した従業員も、さまざまな理由で離職してしまうケースが目立ちます。特に、採用時のミスマッチやコミュニケーション不足などは代表的な原因です。そうした際にオン・ボーディングが導入されていれば、状況を改善できます。例えば、入社した従業員に目標を与えてモチベーションをアップさせたり、面談やミーティングで会話する機会を設けたりすることで、定着率を高められるのです。

生産性が向上する

オン・ボーディングによって適切なトレーニングやサポートを提供できれば、従業員の生産性の向上につながります。新しく入った従業員は不慣れな環境に置かれるので、仕事を進めることにストレスを感じる場面が珍しくありません。そうした不安や不便を解消する機会としてオン・ボーディングが用意されていれば、仕事の流れや業務の手順を理解することに役立ちます。スムーズに仕事の導入などを行えるので、職場の生産性アップも期待できるのです。

エンゲージメントを高められる

エンゲージメントの向上もオン・ボーディングによって期待できる効果の一つです。仕事におけるエンゲージメントとは職場と従業員の関係性を意味しており、オン・ボーディングの実施で愛着や貢献の思いをより深められます。オン・ボーディングを継続して行っている職場ではコミュニケーションが活性化するので、個々の従業員が抱える課題や悩みを素早く把握して対応することが可能です。働きやすい職場環境の構築につながるので、企業と従業員の結びつきを強化できます。

エンゲージメントについて、以下の記事にまとめています。より詳しく知りた方は、参考にしてみてください。
成果に直結する従業員エンゲージメントとは?向上のための施策について解説
社内にオフィス・スタジオを設置してエンゲージメントを向上

   

オン・ボーディングの実施事例

株式会社メルカリ

株式会社メルカリは積極的にオン・ボーディングを実施している企業です。例えば、入社後に必要となる情報はオン・ボーディングポータルに集約され、いつでもすぐにアクセスできる環境が整備されているそうです。エンジニア向けには専用のオリエンテーションが用意されていたり、知識豊富なメンターがアサインされたりするので、安心して業務をスタートできるといいます。ほかにも、リモートメンターランチの開催やオン・ボーディングサーベイによる実施状況の見える化など、充実した取り組みが行われているそうです。

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社では多様なバックグラウンドを持つ従業員の急増に対応するため、オン・ボーディングが効果的に行われています。まず、3ヶ月間のオン・ボーディング研修は営業の提案において必要な基礎スキルを補うことを目的として、すべての新しく入社した従業員に対して実施されるそうです。さらに、継続した学びの機会も提供されており、営業人材研修や多種多様な学びを得られるサイボウズアカデミアなどが用意されています。どちらも参加は自由で従業員それぞれの学びたい意志を尊重しているとのことです。

LINEヤフー株式会社

LINEヤフー株式会社ではLINE CAREという取り組みが行われています。LINE CAREとは従業員が気軽に仕事での困りごとを相談できるように設置している窓口のことだそうです。窓口は有人のカウンターとLINEによるチャット対応の2つが用意されており、パソコンの不具合から備品の借り方など幅広い内容に対応しているといいます。すべての問い合わせ窓口がLINE CAREに統一されているので、わからないことが多い新しく入社された方でも迷わずに業務の不明点を解決できるようになったそうです。

  

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まとめ

職場環境の改善に向けてさまざまな取り組みが実施されており、オン・ボーディングにも注目が集まっています。優れた人材を採用して職場に定着させることは、多くの企業にとって大きな課題です。テレワークが主流になり働き方も日々変化する現代において、従業員とのつながりを維持することは簡単ではありません。そこで、解決策の一つとしてオン・ボーディングを実施する企業が増えているのです。解説したオン・ボーディングの実施事例を参考にして、新たな取り組みをスタートしてみてはいかがでしょうか。

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