モチベーション研修とは、従業員のモチベーションを高めるための研修です。従業員の仕事へのモチベーションは企業全体の士気や業績に大きく関与しますが、そのモチベーションを長く維持したり、自身でコントロールしたりするのは難しい場合もあります。モチベーション研修を導入することで、従業員一人一人の士気を高め、企業全体の活性化を図りましょう。今回はモチベーション研修の内容、目的やメリット、導入のポイント、導入事例について解説します。
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そもそもモチベーションとは、人が何かを行う際の動機付けや目的意識という意味の言葉です。仕事におけるモチベーションは業務意欲を指し、業務上の目標に向かって行動を起こすための内的なエネルギーといえます。モチベーション研修は、そうした従業員の業務意欲をアップさせて、個人や組織全体の生産性を向上するために実施されます。効果的にモチベーション研修を導入・実施できれば、組織全体を活性化させ、事業運営にも良い影響をもたらすことが可能です。モチベーション研修にはさまざまな方法があり、企業によってはユニークな研修内容で従業員のやる気や、企業への帰属意識を高めています。
また、自社で実施することが難しい場合は外部企業に研修実施を依頼することも可能です。目的に応じてさまざまな研修内容を選択することができます。
モチベーション研修はなぜ必要になるのでしょうか?仕事に取り組んでいくなかで、モチベーションが下がってしまう要因を整理してみましょう。
まず、「自分の携わる業務に意義を見出せない」「仕事がつまらない」など、業務自体に疑問や不満を感じてしまうケースがあります。このような悩みは、ある程度仕事に慣れてきた入社2~3年目の従業員が抱えがちです。
次に、人間関係の問題が挙げられます。特定の上司や同僚との関係が悪い場合は配置転換で解決できますが、組織全体の雰囲気が悪く覇気が感じられない場合は早急に対策する必要があります。ほかにも、精神的な負担が大きい仕事の場合、モチベーションを継続するためには工夫が必要です。このようにモチベーションは、各個人の努力でキープできる状況はまれといって良く、企業側が常に気にかけ、必要に応じてコントロールしていかなければならないものなのです。
モチベーション高く業務に取り組む従業員が増えると、自然と組織が活性化します。活性化した組織は従業員の心の安定につながり、離職率の低下や生産性の向上に効果を発揮するでしょう。また、モチベーションが向上することで、主体的に行動する意欲が養われます。自ら積極的に行動する従業員が増えれば、自然と職場や業務の課題を解決したり、改善したりするでしょう。一つ一つは小さなことかもしれませんが、従業員のモチベーションアップはまわりまわって企業業績にも決して小さくない影響を与えます。
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モチベーション研修を導入する目的を設定しましょう。組織の課題を明確化し、どうすれば解決できるかを念頭に置いて研修内容を考えなければなりません。
例えば、組織への信頼感を高め、仲間同士の結束を強めたい場合は、チームで取り組むワーク形式の研修などが良いでしょう。また、将来のキャリアアップの可能性を高めることでモチベーションアップにつなげたい場合は、専門講師を招いての座学研修や異業種交流なども効果的です。
このように、目的によって企業が実施すべきモチベーション研修の内容は変わってきます。まずは職場の課題に目を向け、それを解決するための人材や環境がどのようなものかを考える必要があります。
モチベーション研修を実施したら、効果測定を行うことが大切です。研修を実施したからといって次の日から目に見えて職場の状況が変わる訳ではありませんが、従業員の気持ちや、業務の進め方にちょっとした変化が起きていれば、研修の効果があったということです。研修の実施後はこういった小さな変化を見逃さずにキャッチしましょう。アンケートやヒアリングなどを行うと効果的です。また、その小さな変化を分析することで、どのような働きかけが従業員の心に響き、行動を促すのかがわかるはずです。次回以降のモチベーション研修をより効果的なものにするためにも、分析・検証を行いましょう。
一般的にモチベーション研修は一回だけでは組織全体に効果を発揮しないため、定期的に継続していくことが大切です。自社にとって最も効果的な研修内容にブラッシュアップするためには、参加者からのフィードバックが大切です。研修を受講した従業員の声に耳を傾けて、改善点を探しましょう。例えば、研修の時間が足りない、説明がわかりにくい、研修項目を増やしてほしい、話を聞くだけでなく体験したいなどの意見が寄せられるかもしれません。改善を重ねてより良いモチベーション研修にしていきましょう。
ゲームサービスやスポーツDXに強みを持つ株式会社マイネットでは、シェア研修が実施されています。シェア研修はマイネットをはじめとしたIT企業複数社が集まって実施する合同研修です。具体的な研修プログラムは毎回各社がそれぞれ持ち寄り、研修内容も目的に合わせてカスタマイズしていくそうです。シェア研修を通して同業他社とのつながりができ、自分と同じ職種に就く人がどのような意識を持って働いているか知ることができます。ライバルとして競争するだけでなく、共に頑張る仲間として意識することでモチベーションが強化されるそうです。
首都圏を中心にスポーツショップを運営している株式会社ヴィクトリアでは、スポーツ研修が導入されています。スポーツ研修では千葉県のゴルフ場や高尾山、皇居ランニングで汗を流し、実際にスポーツの楽しさや辛さを体感します。さまざまなスポーツ体験を通じて従業員同士の連帯感も生まれ、仕事を一緒に頑張ろうというモチベーションにもつながるそうです。さらに、商品として扱っているウェアやシューズなどの機能も学べるので、お客様に説得力のあるアドバイスができるようになるそうです。
オタフクソース株式会社では新入社員研修の一環として、お好み焼きにとって欠かせない素材であるキャベツの農場研修が実施されています。このキャベツ農場研修では、新入社員の交流を深める他にも、キャベツの栽培体験を通じて広くお好み焼きを知ることを目的としています。広島県産キャベツ普及への取り組みや、生育調査体験など、自社を取り巻く産業への理解を深めているそうです。オタフクソースのリクルートサイトの「キャベツ農場研修diary!」には、真剣かつ笑顔で研修に取り組む新入社員の姿が掲載されています。
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企業としては、従業員には明るく前向きに仕事に取り組んでもらいたいものです。モチベーション研修は実施したからといって急に売上がアップする訳でも、従業員の能力が高まる訳でもありません。しかし、従業員の仕事への意識に少しでもポジティブな変化を与えることができれば、日常の業務は少しずつ変わっていくでしょう。従業員のモチベーションは、事業を運営するうえで必要なすべての要素に直結しているといっても過言ではありません。自社の従業員が潜在意識で何を求めているのかを見極め、今の業務に希望とやる気を持てるような独自のモチベーション研修を導入してみてはいかがでしょうか。
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