管理職研修とは、組織内の管理職やリーダー候補者を対象に実施される研修プログラムのことを指します。管理職研修では、部下の育成方法やコンプライアンスに関する指導が行われます。管理職研修を導入することによって、業務を効率化するための戦略立案、現場への落とし込みによるチーム全体での生産性アップへの取り組み強化につながります。また、人材を育成していく能力を向上させるためにも管理職研修は大きな効果を発揮します。
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管理職研修とは、組織内の管理監督者や管理職候補を対象とした研修プログラムです。通常、研修と言うと新入社員や若手社員を対象としたプログラムをイメージする方が多いかもしれません。しかし、プレイヤーの一般社員と、マネージャーの管理職では、求められる能力や視点が大きく異なります。逆説的に言うと、優秀な社員が優秀な管理職になるとは限りません。プレイヤーとして優秀な社員が、マネージャーとして管理職になった途端に組織がうまく回らなくなるケースもあります。管理職になった、もしくは管理職になるという意識を醸成するためにも、管理職研修は非常に重要です。
管理職研修の枠組みは会社によって異なりますが、一般的には新任管理職研修・中堅管理職研修・上級管理職研修の3つに分類できます。新任管理職研修は新たに管理職に登用される社員を対象としており、管理職とはなにかを学びつつ、就業規則や労務管理について確認し、配下社員を評価する方法などを学ぶのが目的です。管理職になってしばらく経ってから行われる中堅管理職研修では、マネジメントの手法やコンプライアンスの重要性について学びます。上級管理職研修はより経営に近い立場の管理職を対象としており、自社分析や他社分析を通し、経営者目線で物事をとらえる方法を学ぶのが目的です。
管理職研修の目的は、自己視点から全社視点へ意識を変革することです。冒頭でも述べた通り、一般社員と管理職に求められる能力や視点は異なります。管理職には、部下の育成やチームビルディング、チーム目標の設定、問題や課題の解決など、一般社員とは異なる能力・視点が求められます。労務管理や人事評価、ガバナンス・コンプライアンスなども、管理職の重要な任務です。実務的なスキルだけでなく、リーダシップに必要なマインドセットも求められます。意識を変革して管理職に求められるスキルやマインドセットを身に付けるためにも、管理職研修は必要性の高いプログラムです。
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部下の育成は、管理職研修に必出のテーマです。管理職になって最初に直面するのが、人を育てるという壁かもしれません。プレイヤーの特性を十分理解し、適切に人材を育成・配置するのがマネージャーの任務です。もっともよく用いられるアプローチに、コーチングという手法があります。コーチングとは、目標達成に必要な能力や行動をコミュニケーションによって引き出す手法です。似たようなアプローチにティーチングがありますが、こちらは上司の経験や能力を部下に伝える手法を指します。一方、コーチングは傾聴・承認・質問を繰り返し、部下のモチベーションを高める手法です。
チームビルディングは、管理職に求められる能力の一つです。一般社員は自己視点で職務を遂行しますが、管理職には集団視点が求められます。個人が考える組織から、チーム全体で考える組織を目指すことが、チームビルディングの秘訣です。例えば、集団活動を円滑に進める手法に、ファシリテーションという考え方があります。会議やミーティングを効果的に進める技法で、参加者の闊達な発言を促し、要点を整理して合意形成を目指すのが目的です。トップダウンの組織はマネージャーの能力以上の成果は得られませんが、チームの力を結集することで、マネージャーの能力を上回るような成果を生み出す可能性があります。
管理職になってもっとも気をつけなければならないのが、ガバナンスやコンプライアンスの視点です。コーポレートガバナンスは企業統治を意味し、公平・公正な判断に基づき企業が運営される仕組みを指します。営利企業の目的は利益を最大化することですが、法令に則って運営しなければなりません。一方、コンプライアンスは法令順守を意味し、企業が守らなければならない法律は会社法や税法、労働基準法、個人情報保護法など、非常に多岐にわたります。企業統治のあり方や守るべき法令法規は変化するため、管理職研修で知識の更新が必要です。
管理職研修には、従業員エンゲージメントを高めるメリットがあります。従業員エンゲージメントは愛社精神とも言い換えられ、従業員が持つ会社に対する愛着や忠誠心を意味する概念です。エンゲージメントの高い従業員はモチベーションも高いため、生産性の向上が期待できます。管理職研修でチームビルディングの手法を学ぶことで、働き甲斐のあるチーム作りが可能です。従業員エンゲージメントが向上すると仕事の質も向上するため、顧客が企業に抱く愛着を意味する顧客エンゲージメントが高まり、最終的には企業の価値も向上します。
管理職研修を導入すると、チーム全体の生産性が向上するのもメリットです。管理職研修では、業務の効率を上げるマネジメント手法や、戦略立案の方法を学びます。学んだ手法を実践することで、チーム全体としての生産性向上も実現可能です。企業間競争が激化するなか、あらゆる組織において生産性の向上は喫緊の課題となっています。全社視点を身に付け、競争を勝ち抜くチームを構築するという意味でも、人材育成やチームビルディングについて学ぶ管理職研修は非常に重要なプログラムです。
ビジネス環境の変化に対応しやすくなるのも、管理職研修のメリットの一つです。変化の激しい市場環境において、企業のあり方や仕事のあり方、マネジメントのあり方も急速に変化しています。管理職研修で変化に対応するマネジメントや業務改善の手法を学ぶことで、変化に対応しやすく、変化に強い組織を構築することが可能です。時々刻々と変化するビジネス環境をキャッチアップするという意味でも、定期的に実施される管理職研修は重要なプログラムとなっています。
今回は管理職研修について解説しました。管理職研修は、組織内の管理監督者や管理職候補を対象に実施される研修プログラムを指します。一般社員と管理職に求められる能力や視点は異なり、管理職研修の目的は自己視点から全社視点へ意識を変革することです。その他には、従業員エンゲージメントが高まりチームとしての生産性が向上する、顧客エンゲージメントが向上し企業価値も高まる、変化に対応しやすい組織を構築できるといったメリットもあります。
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