若手社員を経営に参画できる、ジュニアボード制度とは

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公開日:2019.6.17

若手社員が擬似役員会を結成し、経営課題の調査や解決策の提案を行うジュニアボード制度が注目されています。ジュニアボード制度を取り入れることで、社員が俯瞰的な視点で課題を発見することや、コミュニケーションの活発化が期待できます。今回は、ジュニアボード制度の意味と目的、メリットについて解説していきます。

ジュニアボード制度とは

ジュニアボード制度とは、本来の役員会とは別に、若手から中堅までの社員5~10人程度が参加する疑似役員会(ジュニアボード)を結成し、経営課題の調査や解決策の提案などを行なう制度です。
ジュニアボード制度は古くからある経営手法で、1930年代のアメリカで、大手スパイスメーカーのMcCormick社によって始められたとされています。日本でも、大手メーカーのユニチャーム株式会社や、人材派遣大手の株式会社パソナなどで採用されており、成果をあげています。

 

ジュニアボード制度の目的

ジュニアボード制度は、以下のような目的で導入されています。

社員の意見を経営へ反映

経営層の意見が保守的で固定化されていたり、それによってなかなか革新的な取り組みが行なわれなかったり、あるいは現場と経営層とで意見の食い違いがあったりと、組織体制の硬直化に起因する問題を抱えている企業は少なくありません。このような課題を、若手や中堅社員の新鮮で柔軟なアイデアや現場目線の意見を取り入れることで改善し、企業を活性化するという目的でジュニアボード制度を活用することが多いです。

次世代の経営人材の育成

次世代の経営人材育成のためにジュニアボード制度が用いられることもあります。経営人材として求められる能力には、経営課題の分析や経営戦略の考案、全社を総合的に把握した上での意思決定などが挙げられます。このような能力は、通常の業務の中ではなかなか身につきにくいものです。そのため、ジュニアボードを結成し、その中で若手、中堅社員に以上のような能力を伸ばすための機会を与え、次世代の経営人材を育成するということが有効です。特に、後継経営者の不足という課題を抱えがちな中小企業で大きな効果が期待できます。

 

ジュニアボード制度のメリット

ジュニアボード制度を導入することで、以下のような副次的なメリットも得ることができます。

社員の意識向上

社員が若手のうちからジュニアボードへの参画を意識することによって、大局的な観点から事業を考えることができるようになり、積極的に全社的取り組みへ参加することや、より仕事へのモチベーションが上がるといったことが考えられます。また、ジュニアボードのメンバーとして活動を終えた後は、自身の担当業務の意義などをよりよく理解した上で仕事ができるようになるので、生産性の向上などが期待できます。

社員同士のコミュニケーションの活発化

ジュニアボードを媒介することによって、普段はあまり行なわれない若手・中堅社員と経営層の間のコミュニケーションが活発になります。また、ジュニアボードは様々な部門の社員によって形成されるので、普段交流することのない社員同士でのコミュニケーションも生まれます。このように、縦にも横にもコミュニケーションの幅が広がることで、社員同士の関係性を高めることができます。

 

ジュニアボード制度の注意点

ジュニアボード制度は多くのメリットを与えてくれます。その一方で、このようなメリットを最大限に享受するには、以下のようなことにも注意しなくてはいけません。

継続性を保てるかどうか

目に見える効果が現れないという理由などで、ジュニアボード制度を短期でやめてしまうということがままあります。ジュニアボード制度は、1回あたりに参加できる人数が少なく、社員の意識などもすぐに変わるものではないので、長期的な継続を経なければその効果を得にくいという面があります。どれだけ継続性を持って行えるかが成功のポイントになります。

前向きな姿勢を保てるかどうか

ジュニアボードで、すぐに経営に活かせるような有益な意見が出ることはそう多くないでしょう。むしろ突飛なアイデアの方が多いかもしれません。しかし、突飛なアイデアでも磨けば有益なものになる可能性があり、そのような意見が企業を豊かにすることがあります。経営層としても、ジュニアボードで出た突飛なアイデアの中からなにか新しい糸口を見いだそうとする、粘り強く前向きな気持ちが必要となります。このように積極的に社員の意見を汲もうとする前向きな姿勢は、社員が意見を出す上でのモチベーション向上に繋がり、ひいては企業の成長にも繋がります。

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まとめ

今回は、ジュニアボード制度について説明してきました。ジュニアボード制度は、若手や中堅の社員の意見を活発化させたり、経営人材を育成することができたりなど、企業の成長を促すメリットの大きい制度です。導入に際しては、継続性を持たせることや、前向きな姿勢で取り組むことなどに注意して、最大限の効果を発揮できるようにしましょう。

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