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内定ブルーとは?企業からみた問題点と解決策について徹底解説

内定ブルーとは、就職活動で企業から内定を得た学生が、内定を承認した後に自分の選択に不安を抱き、気分が沈む状態のことを指します。企業が内定ブルーに対処しない場合、内定者が内定式前後に内定辞退をするといった問題が起きてしまいます。そこで企業は、従業員のモチベーションを高める内定者インターンの実施や、先輩社員との交流の場を設けるといった対策を講じ、内定ブルーを防ぎましょう。

     

内定ブルーが問題になっている

内定ブルーとは?陥りやすい人の特徴

内定ブルーとは、内定を獲得して就職活動を終えた学生が、自身の選択に漠然とした不安を抱えた状態です。株式会社マイナビの調べによると、内定を承諾したあと「本当にこの会社のよいのか」と不安に感じたことのある学生の割合は51.0%でした。およそ半数以上の学生がいわゆる内定ブルーに陥っているようです。しかしすべての学生が不安を抱えているわけではなく、下記のような特徴を持った人が内定ブルーに陥りやすいと言われています。

  • 先々のことを考えてしまう
  • 決断力が弱い
  • 憧れや理想が強い

内定ブルーに陥りやすい時期

もっとも内定ブルーに陥りやすいのは、内定を承諾した直後の時期です。内定獲得自体が就職活動のゴールとなっており、いわゆる燃え尽き症候群に陥ってしまう学生も少なくありません。内定獲得というゴールに到達した結果、内定先への就職を冷静に捉えられるようになり、漠然とした不安を抱えて内定ブルーに陥ってしまうのです。また、ゴールデンウィークやお盆休み、お正月休みといった大型連休のあとも、内定ブルーに陥りやすいと言われています。友人知人や家族と仕事のことを話す機会が増えた結果、「本当にこの会社でよかったのか」と漠然とした不安を抱え、内定ブルーに陥ってしまうようです。

内定ブルーが引き起こす問題

内定ブルーは漠然とした不安に起因する対応の難しい状態ですが、放置しておくとリスクの大きい問題でもあります。内定先への不安が膨らんだ結果、土壇場で内定を辞退する学生も少なくありません。学生にとっては就職活動を一からやり直さなければならず、企業にとっては欠員を補充するため余分に採用コストがかかります。また、内定ブルーを放置して入社したとしても、ミスマッチが生じて早期退職につながるリスクが高いのも事実です。就職活動では憧れから企業の良い面ばかりに着目していましたが、今度は悪い面ばかりが目についてしまいます。

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内定ブルーに陥る原因

内定先に納得していない

内定ブルーに陥る原因の一つに、内定先に納得していないパターンが挙げられます。仮に複数の内定を獲得できたとしても、十分に納得して就職活動を終える学生は少ないかもしれません。たとえ第一志望の企業から内定を獲得できても、内定承諾の決断に確信を持てないケースもあるでしょう。内定を承諾したものの、「本当にこの会社でよいのか、もっと良い会社があるのではないか」と悩み続ける状態がこれに該当します。内定を獲得した結果、内定先と他社を冷静に比較できるようになったため生じる状態です。

社会人として働く自信がない

内定ブルーの原因としてもう一つ挙げられるのが、社会人として働く自信がなく、漠然とした不安を感じているパターンです。学生時代のアルバイトやインターンシップで就労経験はあるものの、社会人としての責任の重さを実感し、不安を抱えて内定ブルーに陥ってしまう学生は少なくありません。学生から社会人への大きな節目を前に、中学・高校・大学へ進学したとき以上の不安を感じるのも当然です。就職が近づくと、優秀な先輩や同期に囲まれて「この会社で本当にやっていけるのか」と不安に感じ、内定ブルーに陥ってしまいます。

会社に対する理解が不足している

さらに、内定ブルーの原因には、会社に対する理解が不足しているパターンも挙げられます。そもそも、内定ブルーは漠然とした不安に起因するネガティブな感情ですが、これは内定先に対する理解不足が原因です。会社に対する理解が不足している状態では、「この会社が自分にとって最適である」と確証を得るだけの情報が不足しています。会社の社風やミッション・ビジョン・バリュー(Mission Vision Value:MVV)などが不明瞭な状態では、仕事の魅力ややりがい、難しさなどの理解が進まず、漠然とした不安を抱えて内定ブルーに陥ってしまうのです。

    

内定ブルーを防ぐ3つの対策

対策1:定期的にフォローアップを行う

内定から就職までの間、内定者に意識の変化はないか、不安に感じていることはないかなど、定期的にフォローアップを行うのは非常に効果的です。例えば、内定者を対象に懇親会やイベントを実施する方法があります。実際にコミュニケーションを図って内定者の不安を払拭するだけでなく、会社の情報を提供して企業理解を促すとともに、内定者のモチベーションを高めることも可能です。ただし、連絡の頻度が高いと学生の負担にもなるため、適度なタイミングでフォローアップを行うよう心掛けましょう。

対策2:先輩社員とコミュニケーションの機会を設ける

繰り返しになりますが、内定ブルーは内定先に対する理解不足による漠然とした不安が原因です。そもそも「優秀な先輩に囲まれて自分はやっていけるのか」と不安に感じている学生も少なくありません。このような不安を払拭し、企業理解を促すためには、先輩社員とコミュニケーションの機会を設けるのが効果的です。例えば、先輩社員と内定者を囲んで懇親会や交流会、座談会などを開催する方法があります。内定者に年齢の近い若手社員に出席してもらえば、入社後をイメージしやすく安心感を得られます。

対策3:内定式を開催してモチベーションを高める

入社前の不安や会社に対する理解不足を解消するには、内定式を開催するのも効果的です。内定式とは、企業が内定者に対し正式に内定を伝え入社の承諾を得るイベントのことを言います。一つの通過儀礼として開催する企業も少なくありませんが、効果的に開催することで内定者同士の連帯感を醸成し、モチベーションを高めることも可能です。内定通知書を授与するだけでなく、社員との交流を通して社風やMVVが伝わる内定式にしましょう。

     

まとめ

今回は内定ブルーについて解説しました。内定ブルーは漠然とした不安に起因する対応の難しい状態ですが、放置しておくとリスクの大きい問題でもあります。内定ブルーに陥る原因としては、「内定先に納得していない」「社会人として働く自信がない」などが挙げられますが、なかでも「企業に対する理解不足」は対処が必要な問題です。内定ブルーを防ぐ3つの対策を実行し、人材獲得競争を乗り切りましょう。

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