新型コロナウイルスで影響を受けた事業者に対して、事業の継続をサポートするため、持続化給付金が新設されました。給付額は昨年の売上からの減少分を上限とし、中小法人では最大200万円、個人事業主では最大100万円です。申請は基本的に電子申請のみとされていますが、方法がわからない方には申請サポート会場にて入力サポートが行われています。今回は、持続化給付金の給付内容や対象となる方の要件、申請書類や申請方法、計算例について解説していきます。
目次
持続化給付金の対象者は「中小法人等」と「個人事業者等」の2種類があります。いずれの場合も、対象月の属する事業年度の直前事業年度の年間事業収入から、「対象月」(2020年1月から12月までの間で事業者が選択した、月間事業収入が前年導月比で半分以下となる月)の月間事業収入に12を掛けた金額を差し引いた金額がコロナウイルスの影響で売上が減少した分だとみなされます。その減少分について、中小企業等の場合は上限200万円の範囲内で、個人事業者等の場合は上限100万円の範囲内で給付されるのが持続化給付金です。個人事業主の場合、決算月は12月なので、2019年の年間事業収入との差額を見ることになります。
「中小法人等」には医療法人や農業法人、NPO法人など会社以外の法人が、「個人事業者等」にはフリーランスが含まれます。両者に共通する給付対象者の要件は、
の2点です。「中小法人等」の場合は、給付対象者の要件としてさらに
が加わります。
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持続化給付金の申請はWeb上で申請する「電子申請」が基本です。申請作業が難しい方のために「申請サポート会場」も開設されています。
電子申請のため、書類はスキャンした画像やデジカメ・スマホで撮影した写真で提出することになります。データ形式はPDF・JPG・PNGのいずれかです。書類1つにつき1つのファイルを用意します。
持続化給付金の電子申請は、パソコン・スマートフォン・タブレットを使って行うことができます。パソコンとスマートフォンを使った電子申請の手順については動画が公開されていますが、電子申請から入金までの流れは以下のとおりです。
ここでは中小企業について、標準的な場合と特例の場合について計算例をご紹介します。持続化給付金サイトから計算用のExcelファイルをダウンロードすることができるため、自社に合わせてシミュレーションすることも可能です。
12月決算の中小企業で昨年の確定申告が終わっているとしましょう。昨年の1年間、毎月100万円の売上があったとします。今年も1月から4月までは100万円の売上があり、5月の売上が50万円に落ち込んだとします。その場合、今年5月の売上が昨年5月の半分なので、売上の条件を満たすことになります。昨年の売上は1,200万円。これと50万円を12倍した600万円の差額は600万円なので、上限である200万円が給付されることになります。
2019年1月から12月までに法人を設立した場合は、対象月の事業収入が2019年の月平均の事業収入に比べて半分以下になると給付要件を満たします。その場合、2019年の月平均収入を12倍した額から、対象月の収入を12倍した額を差し引いた額を、200万円を上限として給付します。
2019年11月に創業し、11月と12月の売上がそれぞれ10万円、12万円、今年の1月の売上が5万円、その後5月まで毎月10万円だったとしましょう。この場合、2019年の毎月の平均売上は11万円なので、今年1月を対象月として選ぶことができます。2019年の平均売上を12倍した金額は132,000円、5万円を12倍した金額は60万円で差額は72万円となるので、差額全額の72万円が給付されることになります。
特定期間に収入が集中する企業の場合、季節性収入特例を選択することができます。この特例の適用条件は、
これら2点です。この場合、200万円を上限として、対象となった3か月の収入の差額が給付されます。海の家など、夏に収入が集中する会社を考えてみましょう。去年は7月と8月の収入が1,000万円、9月の収入が500万円、他の月の収入が0円、そして今年は夏も収入がなかったとしましょう。この場合は季節性収入特例の要件を満たすので、計算式により上限の200万円が給付されます。
持続化給付金は新型コロナウイルス対策として広く給付を行き渡らせることを目的として作られた給付金であるため、申請のハードルはかなり低いといえます。給付金額に上限がありますが、事業継続の一助として、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
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