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面接の評価項目を定め、採用力を強化!

新卒採用において、基準となる評価項目を定めていますか? 採用プロセスの合理化ばかりに気を取られて面接での評価項目が定まっていない場合、新入社員が求める人材像にマッチしていないなどの様々な問題が発生することが考えられます。今回は面接における評価基準について、その意義や実際に評価する項目の例を紹介します。

明確な評価項目を設定することの意義

客観的な採用を行うためには、一般化された単純明快な評価項目を設定することが重要です。これには以下のようなメリットが挙げられます。

求める人材像がはっきりする

明確な評価基準を定めようとすれば、企業は自社がどのような人材を必要としているのかということを今一度考え直す必要性に迫られます。そのため、求める人材像を明確にして企業内で共有することは、結果的に採用から人材運用までのプロセス全体の見直しに繋がります。

企業の発信力が変わる

採用を成功させるためには、外部への積極的発信が欠かせません。ここで、例えば企業の方向性を漠然と伝えているだけでは必要な人材を集めることは困難です。反対に、求める人材像がはっきりしていれば発信力が格段に向上し、新卒生をはじめとする求職者の側でも具体的なイメージを基に応募を検討できるようになるため、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

何を見れば良いかがはっきりする

定めた評価項目が漠然としており多様な解釈が可能であると、面接官は具体的に何を見て判断すれば良いかわかりません。例えば「責任感がある」という評価項目を立てた場合、自ら課題を見つけて率先して取り組む様を指して「責任感がある」と言っているのか、或いはチームや部署全体の失敗の責を自らに帰する姿勢を指して「責任感がある」と言っているのか判然としません。評価項目の内容は、その解釈の余地が狭いものであればあるほど評価の基準が明瞭になります。

面接官の間での評価基準のバラツキを抑えられる

上記の点とも関わりますが、評価項目が明確で、その判断の基準がはっきりしていれば、面接官個々人の主観が入り込む余地が少なくなります。例えば「分析的思考力がある」という評価項目があるとすれば、これは理由づけと推論を要する質問を用意すれば十分でしょう。これにより、面接官が会話の中での印象から判断するといった客観性に欠ける評価法を避けることができます。

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採用試験の設計の見直し

自社が求めている人材を明確にし、応募者がそれに相応しいかを正しく判断するための評価項目を見直した後は、現行の採用プロセスにおける種々の試験や集団面接が、評価項目の診断に適した設計になっているかどうかを検討しましょう。企業の状況に応じて必要とされる人材像も変化するため、それに合わせて採用試験の設計をアップデートすることにも常に気を払う必要があります。

 

具体的な評価項目

実用性の高い評価項目

多くの企業が採用時に重視している実用性の高い評価項目として、以下のものが挙げられます。

  • 知識
    職務に直結する知識の他にも、一般的な教養や大学の専攻科目に即した知識等を計ります。
  • 理解力
    面接官の意図や会話の方向性を読み取っているか、また簡潔で抜けのない応答ができているかといった点を見ます。
  • 判断力
    自らの考えのもとで臨機応変に受け答えができているかどうかを見ます。プロ・コンの両者を把握した上で総合的にどのような結論を下すかといったこともこの指標になります。
  • 分析的思考
    先にも触れましたが、与えられた問題を腑分けして捉え、正確に分析した上で妥当な解答を導出することができるかどうかを見ます。
  • 表現力
    与えられた時間内で伝えたいことを効率的に述べられるかを計ります。また、複雑な内容に関しては概念の定義等の細部にまで気を配り、正確に意思疎通を図ることできるかといったことも評価のポイントになります。
  • リーダーシップ
    意見の異なる人々を取りまとめ、1つの方向へと導く能力を見ます。グループワークによって直接観察することができ、また面接でリーダーシップを取った経験を尋ねることも可能でしょう。
  • 協調性
    自らの意見を持ちつつ、グループ全体の流れを読んで妥協点を探ろうとする積極的な姿勢が見られるかどうかがポイントとなります。他人の考え方を理解し、それに寄り添うことができるか否かは多角的思考能力の有無にも通ずるため、協調性は特に重要な項目と言えます。
  • クリエイティヴィティ
    紋切り型の受け答えに終始し、発言内容に回答者なりのひねりがないという場合は、創造性に欠けていると断ぜざるを得ないでしょう。回答者独自の視点や思考が光っているかということがこの項目のポイントとなります。

経済産業省が提唱する「社会人基礎力」

経済産業省は平成18年より、「職場や地域社会で多様な人々と仕事していくために必要な力」として社会人基礎力を提唱しています。3つの能力とその下位の12の能力要素から成るこの概念は、採用時の評価基準としても有用なため、以下にご紹介します。

  • 前に踏み出す力(アクション)
    1.主体性:物事に進んで取り組む力
    2.働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
    3.実行力:目的を設定し確実に行動する力
  • 考え抜く力(シンキング)
    1.課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
    2.計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
    3.創造力:新しい価値を生み出す力
  • チームで働く力(チームワーク)
    1.発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
    2.傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
    3.柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
    4.情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
    5.規律性:社会のルールや人との約束を守る力
    6.ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

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まとめ

面接時の基準となる評価項目について解説してきました。明確な内容で、なおかつ評価の基準がはっきりとわかる項目を設けることの重要性がおわかりいただけたと思います。今回ご紹介した例を参考に、評価項目を含めた採用プロセス全体を見直されてみてはいかがでしょうか。

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