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ホラクラシー組織のメリット・デメリットとは? ティール組織との違いも併せて解説

ホラクラシー組織とは、社内に役職や階級といった上下関係が存在しないフラットな組織のことを示します。意思決定の権限が各グループに散在しており、スムーズな意思決定やストレスの低減といった利点があります。今回はホラクラシー組織の意味やティール組織との違い、組織に必要な役割、メリット・デメリットについて解説していきます。

ホラクラシー組織とは

ホラクラシー組織の概要

「ホラクラシー」とは、社内に役職や階級、上司と部下の関係などが一切存在しない、フラットな組織構造のことを指しています。ホラクラシー組織は、そのような組織構造を持つ組織であり、欧米の一部の企業などで導入が進められ話題となっています。
ホラクラシー組織の大きな特徴として、意思決定権が組織内で分散されるという点が挙げられます。組織内に上下関係がないためメンバー全員が対等な立場となり、意思決定権がそれぞれの個人やチームに分散されるのです。そのため、メンバーそれぞれがより大きな裁量を持って主体的に仕事に取り組むことが期待されます。また、詳細は後述しますが、横の連携によって組織が自立するため、効率的なマネジメントが可能になるとされています。

ヒエラルキー組織との違い

ホラクラシー組織と対になる概念が、ヒエラルキー組織です。ホラクラシー組織が分散型、非階層型であるのに対し、ヒエラルキー組織は中央集権型、階層型の組織です。ヒエラルキー組織では階級や役職などが明確に定められており、管理職やリーダーなどが意思決定やマネジメントを行います。それに対し、ホラクラシー組織では管理職やリーダー自体が存在しませんので、組織内で共通のルールの下、それぞれのメンバー個人やチームが自ら意思決定を行います。
また、ヒエラルキー組織では権限が大きい人に情報が集中するため、組織内に情報の非対称性が存在します。一方、ホラクラシー組織ではすべての情報が原則として共有され、情報がすべてのメンバーに行き届くことが目指されます。

ホラクラシー組織とティール組織

ホラクラシー組織と似た組織形態のひとつに、ティール組織と呼ばれるものがあります。ティール組織とは、組織は組織に関わるすべての人のためのものと捉え、各メンバーが組織の目的に共鳴した行動をとる組織のことを指します。管理職やリーダーが存在せず、階層構造やマネジメントの仕組みがない代わりにメンバーの一人ひとりが裁量権を持って行動するという点で、ティール組織とホラクラシー組織は共通していますが、正確には両者は同一のものではありません。
ティール組織はホラクラシー組織よりも抽象度が高い概念であり、ホラクラシー組織はティール組織の一形態であるとされています。より厳密には、ホラクラシー組織には明確なビジネスモデルが存在するのに対し、ティール組織には明確なビジネスモデルが存在せず、導入や運用の自由度が高いという違いが存在します。

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組織に必要な役割

ホラクラシー組織ではサークルと呼ばれる大きな役割の中で、各構成員がそれぞれの細かな役割を果たしていくという特徴があります。ホラクラシー組織を運営していく上ではその目的を実現するために常に組織構造を変化させ続けていく必要がありますが、組織の初期段階としては下記のような役割が有効であるとされています。その後の組織の必要性に応じて、セールスやマーケティング、ファイナンスなどの役割を追加していきます。

リードリンク

リードリンクの役割に求められるのは、サークル全体の目的に責任を持ち、その目的の達成に向けて戦略や重要指標の提示を行なったり、物事の優先順位を指し示したりすることです。具体的な業務としては、メンバーのアサインや投資の配布なども含まれています。

ファシリテーター

ファシリテーターは、サークルの活動プロセスが組織のルールに沿っているかをチェックし、調整を行う役割です。名前の通り、ミーティングなどの際のファシリテーションを行うことも役割として任せられます。

セクレタリー

セクレタリーは、サークルの記録やプロセスを円滑に行うため、組織のルールで定められたすべての記録を取る役割です。具体的には、ミーティングのスケジューリングを行なったり、議事録を取ったりします。

 

ホラクラシー組織のメリット・デメリット

ホラクラシー組織のメリット

ホラクラシー組織のメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 生産性の向上とストレスの軽減
    1点目は、メンバーの生産性が向上し、ストレスも軽減できるという点です。メンバーの管理などといったマネジメントの業務が不要になるため、本来の事業自体により多くのリソースを割くことができ、生産性も向上します。また、組織内に上下関係がないことで無駄な社内政治などもなくなり、ストレスが軽減することが期待できます。
  • メンバーの主体性の向上
    先述の通り、ホラクラシー組織では各メンバーの裁量権が広がり個人レベルでの意思決定が増加するため、メンバーにはより一層の主体性が求められます。個人が主体的に能力を発揮できる環境が整うことでモチベーションが増すというメンバーも多いでしょう。
  • 多様性のある意見の誘発
    メンバーの業務への意識が高まることで、メンバー間のコミュニケーションも活性化し、より多様な意見が生まれることも期待できます。従来のヒエラルキー組織では上司の顔色を窺ってなかなか言い出せなかったことも、フラットな組織環境下では発言しやすくなることでしょう。
  • 柔軟な組織運営
    そして最後に、より柔軟な組織運営が可能になるという点です。ホラクラシー組織ではタスクごとにチームを立てて人員を配置するため人員転換も容易ですし、人材に対するニーズの変化に対しても臨機応変に対応することができます。

ホラクラシー組織のデメリット

一方で、ホラクラシー組織のデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

  • リスク管理
    まず挙げられるのが、リスク管理の難しさです。ホラクラシー組織ではメンバー全員に等しく情報が与えられるため、機密情報の管理が難しくなります。また、メンバーの管理を行わないため、メンバーの行動を把握することが難しくなるという側面もあります。
  • 組織のコントロールの難しさ
    上述の通り、メンバーの管理を行わないため、それぞれのメンバーを信頼して任せることができなければ組織を成り立たせることはできません。また、ホラクラシー組織にはリーダーが存在しませんので、組織全体を統括してコントロールすることが難しいという面があります。
  • 急速な規模拡大の難しさ
    ホラクラシー組織は近年になって広まり出した組織形態であり、その認知度はあまり高くありません。また、その組織カルチャーも非常に独特なものです。採用の際には時間をかけてカルチャーフィットの面を確かめる必要がありますし、仮に採用に至ったとしても組織に馴染むまでには相応の時間が必要です。そのため、急速に人員を増やして規模を拡大するということは難しいでしょう。

 

まとめ

今回はホラクラシー組織の意味やティール組織との違い、ホラクラシー組織のメリットやデメリットについて解説してきました。ホラクラシー組織はまだ日本において導入している企業の少ない組織形態ですが、この機会に自社の組織のあり方について是非一度再考してみてはいかがでしょうか。

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