ギグワーカーとは、特定の企業に常勤で雇用されるのではなく、主にインターネット上のプラットフォームを介して、単発の仕事を請け負う労働者のことを指します。より長期的なプロジェクトや契約仕事を請け負うことが多いフリーランスと比べると、ギグワーカーは短期的な仕事やタスクを受けることが多いです。ギグワーカーに対しては契約に基づいて報酬を支払うため、フルタイムの社員に比べて固定的な人件費を削減でき、企業の経費削減にもつながります。また、様々なバックグラウンドを持つギグワーカーを活用することで、新しい視点やアイディアが組織にもたらされ、イノベーションが促進されます。

ギグワーカーが注目されている

ギグワーカーとは

ギグワーカーとは主にインターネット上のプラットフォームを経由して、単発の仕事を請け負って働く方を指します。一度きりの演奏やセッションを意味する「ギグ」が由来になって、ギグワーカーという言葉が生まれました。ギグワーカーは特定の企業には属さずに、スキルに合わせて仕事を選ぶことができます。単発・プロジェクトごとに依頼が発生して、仕事の完成や納品をもって報酬を得ることが可能です。代表的なギグワーカーの仕事としては、飲食店の料理配達代行などをするフードデリバリーなどが挙げられます。

フリーランスとの違い

フリーランスとは業務に応じて企業や団体などと自由に契約を交わし働く方を指す言葉です。ギグワーカーも形態としてはフリーランスに該当しますが、働き方としていくつかの特徴が異なります。まず、フリーランスは長期的なプロジェクトに携わるケースが一般的です。加えて、仕事を請け負う際には直接クライアントと契約を結ぶ方が目立ちます。一方、ギグワーカーは数分から1日などで完了する一度限りの仕事を、クラウドソーシングなどのプラットフォームを介して請け負うことが多いです。似ている働き方ですが細かいポイントが異なるので、正しく言葉を使い分けるようにしましょう。

ギグワーカーが広がる背景

ギグワーカーが広まった背景には、働き方改革の推進が挙げられます。働き方改革とは働く人々が様々な事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現するための取り組みのことです。この働き方改革では柔軟な働き方を実現するための環境整備が目標に掲げられており、副業が解禁され話題になりました。大手企業などでも従業員の副業を認める動きが活発化しており、働き方の一つとしてギグワーカーが注目されるようになったのです。

関連記事:
・アルムナイ採用とは？導入することで得られるメリット・デメリットについて
・【2023年3月決算期から】人的資本の情報開示義務化について
・ローパフォーマーとは？企業に与えるリスクや取るべき対応について解説

ギグワーカーを活用するメリット

スポットで人材確保できる

ギグワーカーを活用すればスポットで人材を確保することが可能です。例えば、人手が急に足りなくなったケースでも、仕事内容によってはギグワーカーをすぐに募集できます。企業が必要としているスキルを保有している人材を、スポットで確保することができるのです。加えて、仕事量に合わせて柔軟に人員数も調整できるため、効率的に仕事を進められます。

経費削減につながる

経費削減につながる点もギグワーカーを活用するメリットです。ギグワーカーは企業と雇用関係は発生せず、個々の案件に対する報酬のみ支払いが求められます。そのため、月々の給与・社会保険料・福利厚生など、従業員であれば支払いが必要な経費も発生しません。柔軟にギグワーカーに仕事をお願いできれば、大幅なコスト削減も実現可能です。

イノベーションが促進される

多様なバックグラウンドやスキルを持つギグワーカーを活用できれば、企業のイノベーションを促進可能です。異なる視点や経験を持つ人材が一緒に働く環境を構築できれば、新しいアイデアが生まれやすくなります。例えば、営業部門に異なる業界での経験を持つギグワーカーを加えることで、新しいお客さまへのアプローチ方法が誕生するかもしれません。ギグワーカーの視点や考え方にも注目して、既存の働き方を見直してみてはいかがでしょうか。

ギグワーカーに仕事を任せる際の注意点

社内にノウハウを蓄積できない

ギグワーカーに任せた仕事については、社内にノウハウを蓄積できない点には注意が必要です。ギグワーカーに仕事を依頼できても、直接雇用した人材ではありません。そのため、仕事を進める過程で得られた知識や経験は、自社で活用できないのです。もし、同じような仕事が発生した場合には、ギグワーカーのような新たな委託先を探すか、社内でノウハウを蓄えて対応しなければなりません。中長期的な視点で考えてギグワーカーに任せることが最適な仕事を選定する必要があります。

情報漏洩のリスクがある

ギグワーカーに仕事を依頼すると、情報漏洩のリスクが生じてしまいます。すべてのギグワーカーが従業員と同様のセキュリティーリテラシーがあるとは限りません。ギグワーカーによっては情報漏洩に対する意識が低い方もいらっしゃいます。そのため、ギグワーカーを活用する際には、事前にルールの策定や社内環境の整備を実施しましょう。特に、情報の取り扱いについては、社内で慎重に検討することをおすすめします。

人材のスキルにはばらつきがある

ギグワーカーの能力には差があり、保有しているスキルにもばらつきがあります。加えて、アルバイトのように教育する時間もありません。いきなり業務を任せることになるため、ギグワーカーによって仕事の品質にばらつきが出てしまう恐れがあります。対策としては業務マニュアルを準備しておきましょう。マニュアルに仕事の手順やポイントをまとめておけば、ギグワーカーによる仕事の出来栄えの差を少なくできます。

まとめ

働き方改革などの影響もあって、ギグワーカーとして働く方が増えています。企業としてもギグワーカーに仕事を任せられれば急な人材不足の解消ができ、活用次第では経費削減につなげることも可能です。もし、既存の仕事の進め方を変えたいと考えているなら、ギグワーカーという選択肢を加えてみてはいかがでしょうか。