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【2024年10月更新】座席にとらわれない柔軟なオフィス、「フリーアドレス」とは?

働き方改革において時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が拡大する中、オフィスの使い方を効率化する「フリーアドレス」という考え方が注目されています。フリーアドレスとは、社員それぞれが専用のデスクやパソコンを使用するのではなく、出勤している社員が空いているオープンスペースを使って仕事をするスタイルのことです。今回は、そんなフリーアドレスを導入するにあたって注意すべきポイント、メリットとデメリットについて解説します。

導入の前に注意すべきポイント

フリーアドレスには様々なメリットが見込めますが、それらが活きるかどうかは個々の企業の特性によって差があり、場合によってはデメリットの方が上回ってしまうことも考えられます。以下の点に注意して導入を検討する必要があります。

職種毎の働き方の違い

フリーアドレスは、コミュニケーションを介した協力が望まれる職種において適切な勤務モデルと言えます。しかし、働き方によっては仕事効率を下げかねません。例えば記事執筆等の個人集中型の職種では、会話が飛び交う環境は最適とは言えません。職種に応じてフリーアドレスが生産性を向上するのか判断する必要があります。

世代間のフリーアドレスの捉え方の違い

働き方に対する考え方はもちろん人それぞれですが、世代によって大まかな違いがあります。若い世代は様々な人が平等にプロジェクトに関与し連携していくことに重きを置く傾向があり、それより上の世代には職種や昇進に応じて勤務スペースが変わることに価値を見出し、モチベーションを感じるという人が多くいます。後者のような人が多い職場ではとってフリーアドレスは望ましくない制度といえるでしょう。

フリーアドレス導入に伴う諸々の整備の必要性

フリーアドレス導入により専用スペースを廃止する際、各職員の私物を保管するための最低限の設備としての個人ロッカーの設置や、クラウドシステム等のデータ管理ツールを始めとするインフラの整備が必要になります。また、職員が日毎に席を変えても尚働きやすい環境が保たれるためには、高さ調節の可能なデスクやチェアの完備が求められます。

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フリーアドレスのメリットとデメリット

メリット

  • コミュニケーションの活発化
    フリーアドレスを導入することで見込める最も大きな利点として、階級や部署を超えたコミュニケーションの活発化が挙げられます。ある程度の規模以上の企業では、従来の職場環境では一般の正社員が課長や更に上位の幹部職員と接触する機会はさほど多くありません。フリーアドレスによって各人専用のスペースが無くなってドアや仕切りも減ると、様々な役職の職員が職場を動き回るようになるため、各人員の仕事の進捗状況が認識されやすくなるほか、マネージメントがより可視化され、情報伝達の迅速化が期待できます。また、他部署の職員同士の接触が増えることによって、思いがけないアイディアや思考法が発掘され、新たな協力の可能性が見出されるかもしれません。

コミュニケーションの活性化について、以下の記事にまとめています。より詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。
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  • 電子化(ペーパーレス化)の促進
    フリーアドレスが導入される場合、個人スペースに備わっている袖机が撤去されます。書類を溜め込む場所がなくなるので、紙媒体の大幅な削減が行われ、結果的に書類の電子化が促されます。紙媒体に比べ電子資料は職員間での資料共有にかかる時間が圧倒的に短い上、印刷の必要性がなくなることによる作業能率の大幅な向上が見込まれるため、電子化(ペーパーレス化)はフリーアドレスがもたらす重要な利点と言えるでしょう。

ペーパーレス化について、以下の記事にまとめています。より詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。
ペーパーレス化とは?ペーパレス化のメリットについて解説

  • オフィスの効率化
    フリーアドレスは職場のスペースを最も有効に使用することができるオフィスレイアウトです。これは不要な仕切りが撤去されるといった物理的な効率化に加えて、スペースの使用状況が職員の出勤の有無や勤務スタイルの流動性に左右されないことによります。従来の環境では、職員が体調不良や休暇等により欠勤する、或いは遠隔や在宅での勤務を行う場合、職員の不在に伴い、使用されない空間が職場に発生します。専用スペースがなければ、職場におけるこのようなデッドスペースも生じ得ません。

デメリット

  • 部署・チーム毎の連携の希薄化
    フリーアドレスが導入されると、異なる階級や職種の人員がより盛んに接触できるようになる反面、同じタスクやプロジェクトを担当している職員が1つの場所に固まりにくくなります。したがって、このシステムのもとでは部署やチーム毎の連携が希薄化する可能性があると言えます。
  • プライバシーの欠如
    ブースや仕切りの少ない空間では、視覚的にも聴覚的にもプライバシーを確保することが難しくなります。他人の目を気にすることなく個人の業務に集中したい場合は、フリーアドレスが仇となることも考えられます。
  • ストレスの増加
    職場から自分専用のスペースが無くなると、私物を置けない、落ち着かないといった諸々の理由から、職員の精神的な負担が増加する可能性があります。また、勤務スペースがよりオープンになることで職員同士の会話が増え、そうした雑音が他の職員の集中を妨げストレスを増大させる可能性もあります。

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まとめ

今回は新たなオフィスの形であるフリーアドレスについて解説してきました。各企業は以上に挙げたメリット、デメリットを把握した上で、このシステムが功を奏するかどうかを職種や職員に応じて見極めることが大切でしょう。また、こうした新しいワークスタイルを導入することにより削減されるコストと、導入の際のインフラ整備に伴うコストとを天秤に掛ける必要があるでしょう。

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