災害や人為的なミスによってパソコン内部のデータが消失してしまった場合、企業に大きな損害を与えかねません。あらゆるものがデータ化されている今だからこそ、外付けHDDやクラウドストレージを活用してデータのバックアップを取ることが重要になります。バックアップの3-2-1ルールに従って、予期せぬ事態に備えましょう。今回は、中小企業が自社のデータのバックアップを取る必要性や、バックアップの方法、3-2-1ルールに則ったバックアップの手順について解説していきます。
目次
データを複製して保存する「バックアップ」が必要なのは、データ元にトラブルが起きても迅速に復旧して通常通りの企業活動を継続するためです。経理データや顧客情報、取引データなど業務遂行に必要な多くのデータはサーバーやPCなどに保存されています。これらのデータを損失すると、営業活動の停止、取引やサービス停止などによる社会的信頼の失墜、競争力の低下、コンプライアンス違反など企業活動にあらゆる悪影響を及ぼすでしょう。これらのリスクを回避するためにはデータのバックアップが不可欠です。
どのようなトラブルがデータの損失を招きやすいかを知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。職場で起こりやすいトラブルとしては以下のようなものが挙げられます。
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外付けHDD(ハードディスクドライブ)とは、データやプログラムなどを電磁的に読み書きする記憶装置です。SSDと比較して1ドライブで保存できるデータ量が大きく、容量単価が安価であるなどの特長があります。構造的に衝撃に弱い点、また消費電力が比較的大きい点はデメリットでしょう。
一方、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)は大型のUSBのようなもので、半導体素子メモリを使用した記憶装置です。衝撃に強く、発熱・消費電力が少ない、読み書きが高速でできる、静音、小さくて軽いなどの特徴があります。一方、容量が少なく、容量単価が高い点はデメリットです。
このように、それぞれメリットとデメリットを併せもっているため、用途に応じて使い分けたり併用したりすると良いでしょう。
NASは「Network Attached Storage」の略称で、ネットワーク上で複数のパソコンで共有できるLAN接続の外付けHDDです。ネットワーク接続型の外付けハードディスクと考えるとわかりやすいでしょう。一度設定すればデータを自動でバックアップでき、バックアップしたデータはクラウドや別のNASへの追加バックアップも可能です。ファイルの保存だけでなく、デジカメコピーや音楽サーバー、動画管理、リモートリンク(遠隔操作)のデータ保存にも適しています。また、共有フォルダーの作成で業務効率化を図ったり、共有フォルダー単位のアクセス権設定によって不正アクセスを防止したりすることも可能です。
クラウドストレージは、事業者が提供しているインターネット上のサーバーをレンタルしてクラウド上にデータを保存するバックアップ方法です。インターネットを経由することで遠隔地にバックデータを保存でき、場所を選ばずに手元のパソコンやスマートフォンからデータを管理できます。手頃な価格帯で定期メンテナンスが不要といった特長がありますが、不正アクセスや操作ミスによるデータの流出・消失には注意しなければなりません。
まず、元のデータ1つとバックアップしたデータ2つ、合計3つのデータを保持します。複数のデータがあれば、情報漏えいのリスクを最小限に抑え、迅速な復旧が可能になるからです。万が一トラブルが起きたとしても、完全にデータを消失してしまう事態は防げるでしょう。
データを保存する際は、最低でも2つの異なる媒体でバックアップを保存しましょう。異なる媒体に保存することによって、ストレージの破損や寿命で同時に複数のデータを失うリスクを防げます。読み書きの処理速度やデータの蓄積容量、耐用年数などを事前に把握し、管理・運用を徹底することがポイントです。
すべてのデータを1ヶ所で保管していると、災害によって複数のデータを同時に失ってしまうリスクがあります。1つは物理的に離れた場所で保管する、あるいはクラウドストレージを活用してオンラインで保存しましょう。
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ここまで、中小企業向けのデータバックアップ方法について解説しました。データの損失によって起こり得る企業活動の停止や社会的信頼の失墜を避けるためにもバックアップは不可欠です。3-2-1ルールに則って、万が一のトラブルが生じてもいずれかのデータは保持できるように複数の媒体・場所でデータを保管しましょう。
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