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忙しい年末だからこそ慎重に! 年末調整で起こりやすいミスと対処法とは?

10月から12月にかけて、給与所得者の所得税額決定のために年末調整が行われます。仕事納めに向けて忙しさが増す年末には、年末調整以外にも様々な業務があるため、抜け漏れなくスムーズに作業を進める必要があります。今回は年末調整で起こりやすいミスと、ミスが起きた時の対処法について解説します。

年末調整ではミスが起こりやすい

年末調整とは、給与所得者のその年の源泉徴収を正しく計算して所得税の過不足があるか確認し、所得税の金額を確定させることです。通常11月から1月中旬に作業が行われ、1月末に市町村や税務署に書類を提出します。年末調整は他の雑務もあって忙しい年末に行われるため、しばしば細かなミスが起こりがちです。

ミスを防ぐためには

年末調整でのミスを防ぐためには、できるだけ担当者が早めに動き、また社員にも早めに動いてもらうことが大切です。特に書類集めはすぐにできるものではないので、社内へのアナウンスはかなり余裕を見て行いましょう。しかしながら、時間があってもミスは起こるものです。少しでもミスを防ぐためには、よくあるミスを意識し、またミスをしてしまった時にどのような対応を行えばいいのか、あらかじめ確認しておくのが望ましいでしょう。

また、年末調整に対応した会計ソフトを使うことは、ミスを防ぐことだけではなく、作業の効率化にも有効です。資料や数字もできるだけオンラインで扱うことで、誤りを少しでも減らしましょう。

 

年末調整で起こりやすいミス

扶養関連の間違い

家族の人数や誰が扶養に入っているかというのはよく変わり、なおかつ社員が会社に伝え忘れるなどするため、ありがちなミスの1つになっています。
例えば、社員が大学生の子どもや配偶者を扶養として申告したものの、彼らのパートやアルバイト等による収入が年103万円(配偶者特別控除なら141万円)を超えていて、扶養に含めることができなかったというのはよくあるケースです。夫婦共働きでどちらともがフルタイムで働いている場合にも、子を夫と妻の両方で扶養に入れてしまうミスがあります。また、年末調整の社内資料提出締め切り後に、子どもが生まれて扶養の人数が変わってしまうというケースも考えられます。

控除の間違い

生命保険料控除や介護保険控除、住宅ローン控除などは必要書類の提出を忘れる社員が多く出ます。生命保険料控除や介護保険控除は、社内の締め切り後で保険料控除のためのハガキが出てくるというケースも多いと考えられます。また、生命保険は控除を計算する際に新と旧の区別があり、それぞれ計算方法が異なりますが、混同されているケースが散見されるので気をつけましょう。また、11月以降に保険に加入し、1月の締め切りギリギリに控除のための書類を提出してくる社員もいることも想定しておくべきでしょう。

 

ミスをしてしまったらどうする?

年末調整の金額に誤りがあった場合は、それが担当者のミスであれ、税金を収める社員のミスであれ、修正が必要になります。そのミスが分かった時期によって、どのように対処すべきかが変わります。

翌年1月31日までもしくは源泉徴収発行前

ミスの発覚が翌年1月31日まで、もしくは源泉徴収票が発行される前であれば、会社側が年末調整の再計算を社内で行えば問題ありません。原則として、社員が翌年1月中に申し出た場合、勤務先の企業は年末調整の再調整をしなければならず、その申し出を社内の締め切りなどを理由に拒否することはできません。

とはいえ、発行前ギリギリに修正を申し出されると担当者はバタバタしてしまいます。年末調整の作業を行うことの多い11月から1月の間に、子どもが新たにできたり生命保険に新たに入ったりした場合は、他の書類をすでに提出していたとしてもできるだけ早めに担当課に教えるよう、社内でしっかりアナウンスしておきましょう。

翌年の2月以降の場合もしくは源泉徴収発行後

源泉徴収発行後、もしくは翌年の2月より後にミスや修正点がわかった場合は、会社側の処理では修正を行えません。したがって、社員も勤務先に年末調整の再調整をお願いできません。この場合、社員自身が3月15日までに確定申告をしなればなりません。

もし会社側のミスだった場合、社員にその間違いを伝え、必ず3月15日までに所得税の確定申告をしてもらうようにしましょう。特に税額の不足があった場合に年末調整の誤りの訂正を3月16日以降に行うと、延滞税などのペナルティーが課されることがあります。なお、その間違いをそのまま放置したとしても、いずれは税務署から誤りを指摘されることになります。

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まとめ

年末調整は多くの資料や数字を扱い、1年の中でも最もミスの起こりやすい作業の1つです。また、仕事納めに向けて忙しさが増す年末には、会計・総務担当には年末調整以外にも様々な業務があり、その仕事量の多さもミスの原因になりがちです。よくあるミスを意識ながらミスを防ぎ、また防ぎきれなかったミスはどのように対応すればいいのかをあらかじめ考えておきましょう。

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