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【2024年6月更新】顧問の役割とは?契約形態や報酬まで徹底解説

企業における顧問は、豊富な専門的知識や経験をもとに経営上のアドバイスを行う役職です。顧問は会社法で設立を定められた役職ではないため、外部に委託するかどうかや勤務形態、報酬、業務内容などは企業のニーズによって異なります。企業の発展につなげるために、明確な目的を設定した上で顧問のポストを設けるようにしましょう。今回は、顧問の定義や役割、契約形態や報酬の相場について解説していきます。

顧問とは

顧問の定義

顧問は経営や事業に関する助言や指導を行いますが、経営に関する決定権はありません。また、顧問の助言に基づいて行動したことで企業が不利益を被ったとしても、顧問に責任を問うことはできません。
なお、顧問は法人の経営に関する法律である「会社法」で定められた役職ではないため、設けるかどうかは企業に委ねられています。顧問には、企業の元管理職や元役員だけでなく、経営コンサルタントや税理士、弁護士など、外部の専門家が就くこともあります。

顧問の役割

企業が顧問に求めるのは「適切な助言」です。経営に関する問題が起こったときに、いつでも助言を求めることができ、豊富な知識や経験に基づいて的確な助言をくれるのが企業の求める顧問の役割です。
顧問は「内部顧問」と「外部顧問」に分類することができ、それぞれ異なる目的を持って設けられます。

  • 内部顧問
    元管理職や元役員など、すでに役職を退いた社内関係者を顧問にすることを「内部顧問」といいます。企業の内情を理解している人を内部顧問にすることで、企業はより適切な助言を受けることができます。多くの企業が、現役時代のさまざまな経験や知識を活かして経営陣の相談にのってくれる内部顧問を採用しています。
  • 外部顧問
    弁護士や税理士、経営コンサルタントなど、顧問契約を結んだ専門家のことを「外部顧問」といいます。法律関係の問題は弁護士に、資金調達支援や融資関係、節税に関するアドバイスは税理士に、経営戦略や事業の効率化を図るには経営コンサルタントに助言を求めることで、企業はより専門的な知識と経験に基づいた助言を受けることができます。

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顧問の契約形態

現在の日本には、顧問に関する法律や統一された規定は存在しません。そのため、企業によって契約形態や待遇、報酬などに大きな違いがあります。
顧問との契約は、多くの場合「委任契約」で行われます。委任契約とは、業務を行うこと自体が目的の契約形態で、実際の成果に関わらず報酬が発生します。契約形態を委任契約にすることで、顧問は助言や指導の機会がなかったとしても報酬を得ることができます。場合によっては雇用契約を結ぶこともできますが、会社法で定められた役員に該当しないなど、いくつかの要件を満たす必要があります。

 

顧問の勤務形態

内部顧問の勤務形態には、毎日出勤して顧問としての業務を行う常勤と、決められた日数だけ出勤する、または必要なときのみメールや電話などで呼び出される非常勤があります。勤務時間や職務の内容は企業によって異なります。

 

顧問の報酬相場

統一された規定がないため、顧問の報酬額も企業によって異なります。外部顧問の報酬(顧問料)は、事前に相場を確認してから設定するのが一般的です。内部顧問の報酬額は企業が自由に設定できるため、企業次第と考えた方が良いでしょう。

内部顧問の場合

内部顧問の報酬には、相場や基準になる金額がありません。企業によって報酬額の設定方法は異なりますが、多くの企業が、過去に務めていた内部顧問の報酬額を基準にしています。顧問になる人の経験や助言できる分野、人脈などが報酬額に大きな影響をもたらすこともあります。報酬は顧問契約を結ぶ上で特に重要な要素なので、トラブル回避のためにもよく話し合い、双方が納得してから契約を行いましょう。

外部顧問の場合

外部顧問の場合、依頼する顧問によって報酬の相場が異なります。外部顧問への報酬は、顧問料として月額で支払うのが基本です。今回は弁護士と税理士の顧問料を例としてご紹介します。

  • 弁護士
    月額5万円前後が弁護士の顧問料の相場です。顧問料は弁護士自身が定めているため、3万円ほどで顧問契約を結んでいる弁護士もいます。基本的に、顧問弁護士は月に数回ほど法務関係の相談を受けるのが仕事です。大規模な訴訟案件が起こったなど、特別な事案の場合は別途費用が発生する可能性があります。
  • 税理士
    企業の年商で顧問料を決めることが多く、年商の少ない企業では月額1万円程度で顧問契約を結ぶことが可能です。年商が億を超える企業では、顧問料が月額5万円ほどとなる場合がほとんどですが、年商が高くなればなるほどより高い顧問料がかかる税理士もいます。

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まとめ

顧問は、会社法による設置義務がある役職ではありません。明確な規定が存在しないため、業務内容や報酬についても曖昧な部分が多くあります。顧問を設けるかどうかの判断も企業の自由なので、最近では顧問の設置をやめる企業が出てきたり、「顧問は本当に必要なのか」を問うウェブサイトが多くなったりしています。しかし、経営陣にとって顧問は問題を解決するための助言をしてくれる大切な存在です。顧問の豊富な経験と知識を借りて、より良い経営を目指しましょう。

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