1dayインターンシップとは、1日で行われるインターンシップのことを指します。通常は長期間かけて行われるインターンシップですが、学生側にとっては短期間で多くの企業情報を知ることができるといった点、企業側にとっては通常の長期インターンに比べて手軽に実施することができるといった点で、1dayインターンシップは注目を集めています。1dayインターンシップの実施内容の例としては、企業説明やオフィスツアー、社員との座談会などが挙げられます。
目次
1dayインターンシップとは
1日だけで行われるインターンシップ
そもそもインターンシップとは、学生が在学中に自分の専攻分野や将来のキャリアに関する就業体験を行うことです。1dayインターンシップとは、企業説明やオフィスツアーなどを通じて、企業の雰囲気を体感できる1日だけで行われるプログラムのことを指します。より多くの学生と接点を持ち、プログラムを通じて自社に興味を持ってもらうことが目的です。
1dayインターンシップが注目される背景
このプログラムが注目されている背景には、短期間ならではの手軽さが挙げられます。学生は短期間で多くの企業情報を知ることができ、企業は通常のインターンシップと比較して少ない工数で実施できます。このように学生と企業との双方のニーズを満たすことから、多くの企業が1dayインターンシップを取り入れ、学生の多くも参加するようになったのです。
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1dayインターンシップをめぐる動向
従来は、インターンシップを通じて取得した学生情報を広報活動や採用選考活動に使用することを禁止されていました。しかし、2022年4月に公表された「産学協働による自律的なキャリア形成の推進」において、インターンシップが再定義され、一定の基準を満たすインターンシップで取得した学生情報については採用活動開始後に活用可能となりました。一定の基準は以下のとおりです。
- 必ず就業体験を実施する
- インターンシップ実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てる
- インターンシップの実施期間は、汎用的能力活用型では5日間以上、専門能力活用型では2週間以上
1日だけで行われる1dayインターンシップに就業体験を盛り込むことは困難です。また、「インターン」という名称がつくことから学生が選考の一部と認識して参加したり、学業よりインターンの参加を優先したりすることが指摘されています。この状況を受け、求人情報各社は「1dayインターン」の名称でのプログラム受け付けを停止しました。就業体験プログラムを実施する1日インターンについては、「ワンデー仕事体験」といった名称変更が行われています。
今後は「1dayインターンシップ」という名称は使用できない点に留意しましょう。
1dayインターンシップのメリット
企業側のメリット
- 運営工数を抑えられる
一般的なインターンシップの場合、プログラムの企画から実施、後日のフォローまで多くの工数が必要です。1dayインターンシップであれば、基本的に就業体験は実施せず、実施期間も1日のみとなります。この特徴から、運用工数を抑えられ、人事のみで完結させやすいのです。 - 賃金の負担がない
長期インターンシップは就業体験として実際の業務に携わる機会を提供することから、労働基準法に基づいて報酬を支払う必要があるケースも少なくありません。就業体験を実施しない1dayインターンシップは報酬が発生しないためコストを抑えられます。
学生側のメリット
- 就業体験はできない
通常のインターンシップと異なり実際の業務を体験できないことから、自分にその業務が向いているのか判断できない点はデメリットとなるでしょう。就業体験を重視する場合は長期のインターンシップへの参加が適しています。 - 内定には直結しない
長期のインターンシップでは成績によって本採用に有利になることがありますが、1dayインターンシップが内定に直結することはほとんどありません。企業側のデメリットで言及したように個々の学生を評価することが難しいためです。とはいえ、まれに企業から優秀な学生へコンタクトを取り、本選考への応募を促すケースもあるため、「見られている」という意識を持ってプログラムに参加することが推奨されています。
1dayインターンシップの実施例
セミナー形式
1dayインターンシップで最も多い形式です。企業理念や業務内容、業界の特徴などに関する説明や、座談会形式で既存社員と話す時間が設けられています。なかには、就職活動対策や自己分析など就職活動に役立つ講義を行う企業もあるようです。多くの場合、会社の個別説明会とほとんど変わらない内容となっています。
オフィスツアー形式
既存社員が働くオフィスや店舗、工場など現場の見学を行う形式です。安全面や機密情報の管理の問題でオフィスツアーが難しい場合は職場見学ムービーで疑似体験をしてもらうことも効果的です。学生は自分が実際に働いている様子をイメージしやすく、ミスマッチの予防になります。
ワークショップ形式
参加者同士でチームを組みグループワークを行う形式です。その会社や事業について議論をしたり、ビジネスゲームを行ったりすることで業界理解を深めます。企業が学生の協調性やコミュニケーション力を評価する際に役立てられます。
まとめ
今回は、1dayインターンシップの概要や動向、メリット、実施例について紹介しました。インターンシップの基準を満たさないプログラムは「インターン」という名称を使用できない点に留意してください。1dayインターンシップは運営工程やコストを抑えられ、長期のインターンシップは就業体験を通して学生のスキルや適性を見極められます。このように、双方でそれぞれメリットがあるため、自社の目的に適したプログラムを開催することが大切です。