somu-lier[ソムリエ]を運営するソニービズネットワークス株式会社の「突然のテレワーク」実態レポート第4弾。事業を牽引する営業部門では、商談の要となる顧客訪問ができない中で、どのように動き、成果を上げているのか。不便さ、不自由さは回避できているか。最前線のリアルボイスをお伝えします。
法人向けソリューション営業を担当する坂さん。リーダーの立場で、新規顧客、既存顧客のテレアポから商談、契約、アフターサポートまで、幅広い業務を任されている。今回のテレワークについては、「リモートでのコミュニケーションノウハウは既にあり、普段から活用しているので、業務の遂行という点では問題ないだろうと考えました。ただ、客先への訪問を全く行なわないというのは想定外。どこまで成果を上げられるかは未知だな…と。部内でも漫然と不安感が漂っていました」と語る。
一般的に、外回りが多い営業職はテレワーク向きの職種といわれる。なぜなら、アポイントの合間に空き時間ができやすく、その時間を利用してカフェなどで仕事を進められれば効率が良い。報告書の作成や提出などもリモートで済ましてしまえば会社に立ち寄る必要がなくなり、顧客と接する時間をより多く確保できる。テレワークを制度化することで営業の効率化につながり、企業の利益を伸ばす効果があるといえるだろう。しかし、今回の場合は、新型コロナウイルス感染症拡大という特殊な事情に鑑みて在宅オンリー、顧客訪問も一切なしという変則的なスタイルだ。果たして成果を出せるのか? 「手探りの中でのスタートでした」と振り返った。
かくして3月2日より、全社一斉テレワークがスタート。「急な通達でほとんど準備ができなかったため、最初の1週間はWebミーティングをたくさん行いました。部下たちの状況を把握するためのミーティングや上司への報告ミーティング等々、現状をオープンにすることでよりスムーズにテレワークに移行できると考えたからです」。(坂さん)
テレワークスタート後の状況を尋ねると、「既に取引があるお客様については、電話、メールで商談を進め、足りない部分はWeb会議を用いて補っていくスタイルです。関係性が出来上がっているので、特に支障は生じていません。来訪できないことに対しても、非常事態なだけにご理解いただけています」とのこと。さらには、「昨今の状況でテレワークを検討しているお客様もいらっしゃり、興味を持っていただける場合もあります」とも。
一方で、新規顧客へのアプローチは難しい面があると感じており、チーム内でも同様の声が挙がっているそうだ。「新規のお客様と商談をする際には、認識の相違がないよう話している内容をその場でノートに書き、お客様に見ていただきながら話を進めていくのですが、オンライン商談ではこの手法は使えません。何かうまい方法はないかと模索中です」
テレワークについて、坂さん自身の実感を伺うと、「自分の裁量でスケジュール調整ができ、時間管理がしやすいです。自ずと生産性が上がりますね」と好感触を得ているよう。元々スケジュールをきっちり管理するタイプだそうで、「30分単位でスケジュールを組み、それに従ってワークしています。1時間に1回5分休憩を入れ、メリハリをつけるように工夫もして…」と徹底ぶりを語る。在宅ワークにありがちな、いつまでもずるずる仕事をしてしまうといったことも皆無だそうで、「これまでも“会社以外では仕事をしない”と決めてやっていました。テレワークであっても、その日のタスクが完了したらタイムカードをリモートで打刻して終業、書斎を出たら一切仕事はしません」。(坂さん)
実は坂さんは、会社でも一、二を争う遠距離通勤者。通勤に片道約2時間を要していたため、テレワークによる時間の恩恵も大きい。「通勤に充てられていた時間をメールや電話でのお客様対応に使えるので、その分仕事が捗ります。家族と過ごす時間も増え、子どもも嬉しそうです」。(坂さん)
では、不安点を挙げるとしたら?の質問には、「一番は、部下たちに目が届きづらいことでしょうか」との回答。そして「家でひとりで仕事をしていると、気が緩んだり、やる気が出なかったりすることは誰でも起こるもの。部下たちのモチベーション維持・管理に気を配らなければと考えていますが、今はまだ試行錯誤の段階です」と続けた。
改善点としては、「営業と他部署の連携」を挙げる。「たとえば、管理部門への確認事項があるとき、社内ならひと声かければ済む話ですが、テレワークではそうはいきません。メール文の作成にひと手間かかるうえに、即レスポンスが欲しいのにレス待ちになったり…もどかしい思いをすることも度々。部署間を超えて、迅速かつ気軽にやりとりできる仕組みが必要かと」。(坂さん) そして、「コロナウイルスの件を抜きにしても昨今はテレワークを導入する企業が増えており、今後はオンライン商談を希望されるお客様も増えてくるでしょう。そんな中で、今回の取り組みを通じてノウハウを得られることは大きな強みになるはず。営業部門全体で、より良い仕組みづくりのために尽力していかなければと思っています」と頼もしい言葉で締めくくった。
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