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現役総務11人に聞いた!「私のスキルアップ」 【月刊総務サロンレポート】

ある朝、総務業務スキルアップのためのリサーチをしていたところ、『月刊総務オンライン』を発見。創業から50年にわたって総務の専門誌を発行しているらしい。WEBサイトを見ると、総務担当者向けのフリーディスカッション・イベント「総務サロン」というのが近々開催される模様。ということで、ソムリエ編集部員、レポートしてきました!

お悩み発表大会が続く中、「ところでみなさん、自分たち総務はどんなことを勉強しています?」という質問が。さてはて、総務のみなさんはどんなことを日々勉強しているのか!?  今回はこのテーマについて、生の声をお届けしていきたいと思います。

意外にも不可欠なスキル! ~ロジカルシンキング編~

――社員の教育・研修は、総務の重要な仕事のひとつですよね。一方で、「他社の総務担当者が、なにを勉強しているか?」というのは、新しい切り口のテーマかもしれません。みなさん、ぜひご意見をお聞かせください。

総務である前に「ビジネスパーソン」として。ロジカルシンキングについて学んでいる総務担当は多い様子

 

Nさん:私が重きを置いているのは、ロジカルシンキングのスキルです。本を読んだり、セミナーに通ったり。総務は、さまざまな人と折衝して、動いてもらわなければいけないシーンが日常的ですよね。そのときに伝えたいことを整理できていないと、聞いてもらえない、理解してもらえない、ミスコミュニケーションになってしまう、という事態になりかねない。双方、徒労に終わってしまうという最悪の展開になってしまうのは避けたいですからね。

 

Aさん:すごくわかります。私はスキルアップのために社会人向けのロジカルシンキング講座に通っています。総務っていろんなところで、役員や経営陣に稟議(りんぎ)を通さなければいけないですよね。稟議が通ったら、今度はそれを実行するために現場に伝えていかなきゃいけない。人に納得してもらえるように立ち回るのが総務の役割ですから。

 

Kさん:私は役員から、「で、要点はなんなの?」「時間がないから端的に説明してくれ!」「なにをどうしたくて、この話をしているんだ?」って、よく注意されます(笑)。でもその大切さは理解していて、勉強しては実践、勉強しては実践、ということを積み重ねている段階です。書籍はたくさん出ているし、セミナーもしょっちゅう開催されているので、スキルアップの機会に困ることはありません。あとは自分の努力次第!

 

Tさん:ロジカルシンキングと親和性があると思っているのが、タイムマネージメントです。部門内で共有しているクラウド上のスケジュールに、何時から何時までどの作業をするか? ということを常に反映しています。多くのタスクをこなしながら緊急対応にも応えなければいけない総務にとって、タイムマネージメント能力は不可欠。なかなかスケジュール通りにはいかないからこそ、リスクヘッジも含めて常に頭の中を整理しておく必要があると思います。

――ロジカルシンキングやタイムマネージメントは、職域や役職、対社内外を問わず、すべてのビジネスパーソンにとって武器になるスキルですよね。組織を下支えする総務のみなさんがロジカルシンキングやタイムマネージメントについて学んで、そのスキルを身に付けていたら、経営者や統括者とのコミュニケーションが円滑になる。対外的なコミュニケーションでも武器になる。みなさんが、「戦略総務」「企業のナビゲーター」として腕を振るう上でカギとなる領域ですね。

目まぐるしい変化への対応能力が試される! ~法務編~

――「マイナンバー」「ストレスチェック」「改正労働基準法」など、新しい制度が次々とはじまりましたね。自社に関わる法律を理解して、「誰になにをどう伝えて、どう動いてもらうか」を社内に落とし込んでいくのも総務の重要な仕事。専門知識をいかに深めるか? どれだけタイムリーに対応できるか? というところが問われると思うのですが、みなさん、どんな形で取り組んでいますか?

 

Fさん:労働基準法はもちろん、会社運営に関わる法律、民法・商法などについては、日々チェックしています。インターネットや書籍、社労士のセミナー、そしてこの総務サロンなど、いろんな情報源を通して。早めに準備しておくことで、いざ施行されてもスムーズに対応ができますから。

 

Yさん:弊社では、部下の1人が法学部出身で、他社の法務からの転職者なんですね。頼もしいですが、自分の知識が至らなければ、そもそも話にならないわけで。だから総務みんなで通信制大学の法学部に在籍して、勉強することにしました。「スペシャリストが1人いればいい」というのはハイリスク。属人的にならないよう、総務全員でナレッジを共有しています。

 

Mさん:私は助成金についての制度をチェックしています。実は膨大な量の助成金制度があって、今すぐ適用できるものから時間をかけて申請するものまで、毎日チェックしていても追いつかないくらい。会社にとって有益な制度をうっかり見逃してしまうのは避けたいですからね。いま注目しているのは「キャリアアップ助成金」です。

 

――法改正は、しっかり追いかけないと、「気づいたときには変わっていた」「対応が遅れて、いきなり大仕事が舞い込んだ」という事態にもなりかねないこと。制度対応への備えは総務の日常業務のひとつでしょう。

 

社内の「ヒト」を知るスキル。変化に気づくスキル。 ~コミュニケーション編~

Sさん:私は「社員の変化に気づく」ことを心がけています。特に新卒社員は不安や悩みを抱え込みがちなので、注意して見ていますね。あと、新卒・中途を問わず、入社したばかりの人の名前と顔を真っ先に覚えるようにしています。「~さん、この書類を記入してくださいね」とか、最初に名前を呼んで声をかけるのは、ちょっとした「社内のおもてなしスキル」です。

 

――たしかに、「~さん」と名前の呼びかけがあると、「おはようございます」「おつかれさまです」といった挨拶だけでも嬉しいですよね。それが入社間もない時期からだと、「自分のことをよく見てくれているんだ」って信頼される。

 

Hさん:外資系の弊社は、ほとんどの社員がバイリンガルです。社内のコミュニケーションが英語で行われることもよくあるので、いま必死で英語を勉強しています。外国人社員も多いので、言語だけでなく異文化への理解も求められます。そのためには、社員のプロファイリングができていないとはじまらないですよね。

 

Gさん:「社員を知る」という点では、それぞれがキャリアパスを描けるようにしてあげるのにも役立つと思っています。総務が個々の社員をしっかりプロファイリングして、それを本人に伝えて認識してもらう。そこから、「どうなりたいか」「それを実現していくためには、なにが足りていなくて、どうスキルアップしていけばいいか」ということを一緒に考えるんです。これはロジカルシンキングの一環でもあるかもしれませんね。

 

――総務の仕事の中でも、特に「コミュニケーション」の領域って自分から「これを勉強しよう!」「これは自分のミッションだ!」と、自発的な姿勢が求められますよね。こうして情報交換をしながら、「社員のことを一番知っているのは総務」「困ったらまず総務に相談」そんな体制を確立していきましょう!

サロン終了後の懇親会。みなさん、リラックスした様子で話は尽きないようでした

 

編集後記

なかなか知ることのできなかった「総務担当者のスキルアップ」のリアル。「ロジカルシンキング」の必要性を感じている人が意外にも多かったのは驚き! 「社内のおもてなし」や「社員の変化に気づく能力」って人間力の部分ですね。振り返ってみると実は総務に限らず、ビジネスパーソンとして勉強すべきことばかり。自分ももっと勉強しなければ(汗)。

また、次回の総務サロンの予約も受付けているみたいですので興味のある方はぜひ参加してみてください!

http://www.g-soumu.com/soumu/seminar/salon.php

以上、ソムリエ編集部員のレポートでした!

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