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離島でリモートワーク体験記 in 甑島(こしきじま)

somu-lierの記事をご覧頂いている皆様には「リモートワーク」というキーワードに関心をお持ちの方も多いのでは無いでしょうか?

労働者人口の減少による労働力の不足や、育児、介護従事者に向けた就労環境の整備の一貫としてリモートワークのような柔軟な働き方を従業員に提供し、安心した職場環境を実現させる企業が増えています。

また、ITインフラやクラウドサービスの整備に伴い、オフィスさながらに仕事ができる環境が溢れ、カフェや公園などお気に入りの場所を見つけ仕事をする光景を見る機会が非常に多くなってきました。こういった背景が地方活性にも繋がるのでは無いかと、首都圏だけではなく、全国の地方自治体や企業が、各地にワーキングスペースの整備などを進めています。とは言っても、

 

本当に仕事ができるのか?セキュリティや労務管理はどうするのか?

 

など実現させるには気になる疑問もあり、二の足を踏んでいる読者の方も多いのでは無いでしょうか。ソムリエ編集部では、そんな疑問に対するヒントを見つけるべく鹿児島県にある甑島(こしきじま)という離島で実際に2泊3日のリモートワークを体験しに行ってみました。

きっとITインフラは決して万全ではない・・。けれども見渡す限りの絶景と、鳥の鳴き声に囲まれた環境で、普段とは全く異なる気持ちで黙々と仕事に没頭できる。そんな期待を胸に、いざ離島でリモートワークを実践した様子をお伝えしたいと思います。

 

まずは甑島について。川内港か串木野港より船でアクセスし、エメラルドグリーンな海に囲まれ、キビナゴがたくさん取れ、とても美味しいです。東京から飛行機、バス、船を駆使し片道およそ8時間ほどかかります。

鹿児島県薩摩川内市に属する列島。上甑島、中甑島、下甑島の有人3島と無数の無人島からなる列島。

 

今回実際にリモートワークを行った作業内容と環境は…

 ■実践してみた作業内容

・メールや電話を使ったコミュニケーション

・東京オフィスとのテレビ会議

・資料など作成業務

・Facebookのレポート投稿

 

 

 ■実践した場所

山下商店さん

・公園

・ホテルの室内及びカフェスペース

・島の周りの海を見渡せる高台の展望台

・駅のホーム

・移動の車中

 

リモートワーク1日目 ~インフラの重要性と地元の方との交流~

はじめに今回、株式会社LIGさんが企画するどこでもオフィスin甑島に参加する形となりましたが、この企画には私達ソムリエ編集部の他にもたくさんの方たちが参加されておりました。

島ではカフェを営まれている山下商店さんが、コワーキングスペース的に作業のできるスペースを提供しており、ここはWi-Fi環境も万全。

島について最初のリモートワークはこちらで。

ここでは他の参加者の方たちと共に同じ空間でメールや資料作成など作業を進めます。古民家を改装したおしゃれなコワーキングスペースの中で、参加者のみなさんと共に真剣に作業を行っていきます。

ただしテレビ会議をする際はやはりみなさんとは別の場所で。テレビ会議はこちらの音声がどの程度相手に伝わっているのか分からず、つい声が大きくなってしまいます。また相手の音声も通信環境によって安定しないこともあり、スピーカーのボリュームは少し高めになってしまうので、こちらの声と同様相手の声も周りに響きます。

 

会議の内容を聞かれたくない…。と言う前にむしろ周りの皆さんに迷惑ですね。

 

そこでモバイルルーターとPCを片手に静かで迷惑をかけない場所を探していると、近くに落ち着ける公園を発見したところで、一点忘れていた事が。島についての移動や参加者の皆さんへの挨拶などで忘れていたのが勤怠報告。

ここでインターネットタイムレコーダーに出勤打刻を打つことで会社に仕事の開始を伝えます。

そしていざTV会議の準備を開始。まず気になる通信環境は…?

悪くない。相手の顔も声も問題なし。

 

こちらの自然豊かな環境を相手に映し、ちょっとした優越感を満喫しながら真面目に会議は進行。

ただし、その優越感に浸るのも最初だけ…。会議が進むにつれ微妙な音声の遅延や表情の読み取りづらさが気になり、置いてきぼり感が否めません。やはりテレビ会議をする時は景色ではなく、Wi-Fiの安定感を第一に考えましょう。またインカムなどあれば周りを気にせずナイショの会話もできるかも。

続いて、島の写真撮影も兼ねて島内を散策。高台の展望台で島を見渡せるとても素敵な場所を発見しました。

ここもモバイル環境は全く問題なし。

ひとしきり綺麗な景色を見渡した後、誰にも邪魔されず黙々と仕事に没頭します。

聞こえる音は、風の音と鳥の鳴き声だけ。

 

あぁ…、リモートワークっていいなぁ…。

 

と気づけばPCの電源残量と、他の撮影が気になる時間になってしまい慌てて移動します。という事で一日目のリモートワークはここで一旦終了。もちろん終了する際インターネットタイムレコーダーの勤怠報告は忘れません。

 

夜は山下商店さんで地元の食材をふんだんに使った美味しい料理と島の焼酎を堪能します。地元の方との交流では普段考えの及ばない事や新しい発見が随所に散らばっています。

 

知っていましたか?

鹿児島県の郷土料理であるきびなごの60%は甑島の漁師さんが獲っている事。

きびなごは小さい魚の為刺し身にする際は包丁を使わず指で捌いている事。

甑島には高校が無く、島で育つ子ども達は中学の卒業と同時に親元を離れ自立した生活を送っていること。

島や地方に活力を与えたい。そんな熱い思いを持って集まった参加者との交流ではビジネスのヒントを得ている参加者の方もおり、これも実はリモートワークの醍醐味では無いでしょうか?

 

リモートワーク2日目 ~仕事以外での楽しみ方~

朝から溜まった事務処理まとめて進めていきます。

メールやブラウジングをフル活用する為、場所はWi-Fi環境の整ったホテルの室内で。

そしてTV会議もこなします。やはりWi-Fiの整った環境では全く問題無し。

前日とはうって変わりストレス無く東京で行われる会議に参加する事ができました。

2日目も天候にも恵まれた為、せっかくの機会なので午後からは気持ちを切り替え、思い切って島内の写真撮影と観光に出発。随所で甑ブルーの海と澄んだ空気に心が洗われます。

 

ただ、ここでもリモートワークの体験に来ていますので仕事を忘れてはいません。

撮影した写真はすぐさまスマホへ転送。

スマホの写真編集機能をフル活用し写真の加工・微調整を行ってからFacebookへの投稿を行います。

ちなみにこの作業は移動の車の車内で行いました。作業の内容によってはわざわざPCを使わず、スマホで完結できる事もあるのですね。ここまではオフィスにいる時とほとんど変わる事なく仕事を進める事ができました。

…ところがリモートワーク体験も終盤に差し掛かってきたところでモバイルルーターに異変が…。

初日に公園でテレビ会議を行っていたせいか、モバイルルーターサービスの契約範囲内で使える通信量を超過し、通信制限がかかってしまいました。。。以降、外でのテレビ会議はもっての他、メールの受信にも時間がかかる始末。

リモートワークに行く際は契約しているモバイルサービスの契約内容をしっかり見直しましょう。(ちなみに個人のスマホデザリングで仕事は続けられました)

リモートワーク3日目 ~場所を選ばない働き方~

安定したWi-Fi環境のある場所、静かで黙々と作業に専念できる場所、美味しいハンドドリップコーヒーを片手に世間話を交えながら仕事のできる場所。島の空気や仕事の内容に合わせたお気に入りのワークスペースを見つけ、いざこれから。

という時に2泊3日のリモートワーク体験の最終日を迎えてしまいました。船と飛行機の時間の関係で、朝から東京への帰路につきます。所々で時間のかかる帰路ですが、ここまでくると電車の待ち時間や移動のバスの中でも仕事ができるんです。

東京では少し長く感じる待ち時間も、ここではちょうど良い作業時間に…。そんな時間を大切にした働き方も今回のリモートワークの経験を経て得た感覚です。

短い滞在期間ではありましたが参加者の方々とたくさんお話しもでき仲良くなった矢先でしたので、後ろ髪をひかれつつも帰る日となってしまいました。。。

参観者のみなさま、甑島の皆さま、本当にありがとうございました!

まとめ

今回リモートワークを離島で体験し、さまざまなメリット・デメリットが見えてきました。会社の就業形態のひとつとして今後検討されているかたは是非ご参考ください。また、今回のみで終わらすのではなく次回また別の場所でリモートワークを体験して新しい発見を見つけてきたいと思います!

◇リモートワークのメリット

・本当に場所は選ばない!カフェだろうが、海だろうが、山だろうが、駅だろうが仕事はできるのです。

・オフィスへの通勤における時間を気にせず、すぐに仕事ができるため自由に使える時間が大幅に増えます。

・集中したい作業や企画がある際は、他に気を取られる事が無く没頭できる為有効です。

・オフィスでは感じる事の無い発見がたくさんあります。仕事に直結するヒントも得られるでしょうし、必ず何かの糧になるはずです。

 

◆リモートワークのデメリット

・Wi-Fi環境が無いと仕事にならない。初めて訪れる土地では、この環境を見つけられるかが勝負と言っても過言ではないかもしれません。

・セルフマネジメント力は求められるかも。働くのも、遊ぶのも思いっきり割り切った方が逆に効率的です。

・とは言っても、オフィスから見た労働時間の管理はやっぱり難しいでしょう。クラウド型のタイムカードによる勤怠管理や就業規則の整備は必要です。

・Face to Faceのコミュニケーションが取れない為誤った意図や感情が伝わる事も。リモートワークの際は意思疎通の確認は少し大げさにする事おすすめします。

 

最後に今回のリモートワークで活用したツールはこちらです。

・クラウド勤怠管理 インターネットタイムレコーダー ソネット株式会社

・テレビ会議 Vidyo

・コミュニケーションツール chatwork

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