新卒一括採用が変わる!新しい採用形態を解説

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公開日:2018.2.5

従来、日本では「新卒一括採用」のシステムが取られてきましたが、優秀な人材確保のため、様々な新しい採用形態が生まれています。新卒一括採用には採用業務の繁忙期が集中すること、景気動向に応じて人材確保が影響を受けることなどのデメリットがあり、新しい採用形態によってそれらを克服できます。今回は新しい採用形態について、職種別採用、第二新卒採用、通年採用について解説します。

新卒一括採用について

従来の「新卒一括採用」方式では卒業前の学生を、時期を定めて年に1回、一括で採用してきました。この方式は、多くの人材を同時期に比較し選考できるという点で非常に効率的であり、また、採用後にも一括で社内教育を施せることが魅力的でした。しかしこの方式で新卒だけに絞って採用していると、転職で優秀な人材を確保することが海外では当たり前の今日では、却って優秀な人材を確保する機会を失ってしまうということが問題点となっています。
また、2021年卒の新卒採用以降から就活ルールの撤廃が行われたため、採用活動スケジュールの自由化が進んでいます。こうした背景のもと、近年では新しい採用形態が広まりつつあります。

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職種別採用

職種別採用とは、採用した後の職種(経理、法務、エンジニア、営業等)を予め決定して募集する採用方式です。職種を決定した上での採用となるので、採用された新入社員は原則としてその職種の仕事に従事することになります。

職種別採用のメリット

どのような仕事に従事できる人材が欲しいのかを予め提示した上で採用募集をかけるため、その職種に必要とされる能力やスキルに特化した人材が集まりやすくます。専門的な能力やスキルを前提とする採用条件となるため、選考における基準の設定も容易になります。

高い専門性を備えた新入社員は現場で即戦力となることが期待され、入社後の教育を最小化できることはコストの削減と仕事の効率化につながります。

職種別採用のデメリット

採用する際に職種を限定して労働契約を結ぶと、入社後に何らかの理由によりやむを得ず職種を変更してもらうことが困難になります。この場合、職種を変更することは労働契約の変更にあたるため、原則として本人の同意が必要となります(労働契約法第8条)。特に従業員数の少ない中小企業は、人材配属の融通が利かなくなることから受ける影響が大きいので注意が必要です。

 

第二新卒採用

他企業で3年程度就業した後に離職した人材を募集する採用方式です。期間は短くとも社会に出る経験を持つという点で新卒と異なりますが、人材としての年齢はまだ若いため将来性があります。

第二新卒採用のメリット

社会に出たという経験があることで最低限のビジネスマナーや仕事に対しての知識を身につけた人材を採用できることが期待でき、入社後の教育などが簡略化できます。それでいて新卒とさほど変わらない若さの人材であることから、新しい仕事への適応力も同時に期待できます。

また、第二新卒採用を行う企業は新卒採用ほど多くなく、人材確保の競争率が相対的に低くなります。他の企業に内定を出した人材を奪われる可能性が低くなるため、人材の新規採用のために投じられる費用を抑えることができます。

さらに、新卒採用が少なかった年度があった場合に、社内での年齢層の偏りを是正するために第二新卒採用を利用するなどの措置も可能です。

第二新卒採用のデメリット

社会に出た経験があるとはいえ、入社してから3年ほどで離職した人材であるということは事実です。採用後、短期間で再び離職してしまうという可能性は排除できません。採用に際しては、その人材が自社で長期的に働くことができるかどうかを慎重に見極める必要があります。

 

通年採用

通年採用とは募集するタイミングを4月だけに絞ることなく、年間を通して採用を行うか、または年間に複数回時期を決めて採用を行う方式です。日本国内の新卒者だけでなく、留学生や既卒者をもターゲットに入れた幅広い人材を対象に募集できます。

通年採用のメリット

年間を通して広く募集をかけ続けることは、卒業の時期が日本の大学とは異なる海外大学を卒業する人材や、卒業後にギャップイヤーとして各国を旅するなどの独自の経験を積んでからの就職を考えている人材など、多様な人材を得るチャンスになります。また、就職浪人や第二新卒者など、能力はあるが仕事に就けないでいる人材を発掘することにも役立つことが期待できます。

通年採用では、通常の就職活動シーズンにおける採用までの過程のように慌ただしく決定を下す必要がなく、慎重に選考を進めることができます。さらに、年度の途中で急きょ人材が必要になった場合にも、採用人数を増やすだけで対応できるという点もメリットと言えます。

通年採用のデメリット

人材を募集し、選考するためにかかるコストが募集回数を増やすほど多くなります。また、採用後は社内教育を施す必要がありますが、採用時期が異なる人材では必要とする教育が異なるため、大人数を一括に採用する方式に比べて、教育方法が煩雑になることや二度手間になることが懸念されます。特に、ただでさえ採用人数の少ない中小企業では、通年採用によって新入社員の入社時期がバラバラになることは大きな負担となってしまうことが考えられます。

 

まとめ

人材は会社を動かしていく上で大切な要素であることは言うまでもありません。自社に必要な人材を効率よく確保していくための戦略を立てることは、会社経営における重要なミッションの1つです。それぞれの採用方式のメリットとデメリットをよく理解し、優秀な人材を会社に招き入れるためにはどのような方式が有効なのかを充分に吟味する必要があります。

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