工数管理できていますか? 工数管理でムダない経営戦略を目指しましょう

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公開日:2018.3.22

工数管理を行うことは、業務に要する労働時間が可視化され、処理速度の向上に役立つのみでなく、収益性、各従業員の生産性の把握にもつながります。情報の可視化が進むことで、より有効な分析が可能になり、経営戦略の速度と精度の向上が期待できます。今回は、そんな工数管理のメリットと、実現に向けての施策を紹介します。

工数管理とは

工数管理とは、ある仕事Aに対し、Aにかかるコストを表す工数を管理することです。工数は、「(Aを終わらせるのにかかった時間)×(人数)」という計算式によって算出されます。管理にあたって、人日や人月という単位を用いて、1日や1月単位で管理するとよいでしょう。

 

工数管理のメリット

工数管理を行うことのメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • 効率的なスケジュール調整
    工数を管理することで、各従業員の労働時間が可視化されるため、各業務に対して適切なスケジュールを組みやすくなります。もし予想外の出来事が起きてしまっても、必要な仕事量を冷静に把握できるので、早期での適切な対応がしやすくなります。
  • 従業員の生産性向上
    労働時間が可視化されることで、業務の期限の設定が精緻化されます。そのため、工数管理をしない場合と比べて従業員の生産性が上がることが期待でき、ひいては人件費の削減や利益の増加、社内生産性の向上にもつながるでしょう。
  • より効果的な生産体制の構築
    きめ細かな管理によって、よりよい生産体制の構築が可能となります。例えば、仕事Bに対して工程ごとに工数管理を行ったとしましょう。この時、工程1にかける人員数を増やす、または、工程2にかける時間を減らす、などの操作を加えることで、操作前との全体的なコストを比較することができます。これを繰り返していくことで、よりよい生産体制を作ることができます。
  • トラブルへの適切な対応
    何らかのトラブルの発生は、実際の仕事の遂行にはつきものです。トラブルの発生源は企業内部と企業外部に大きく二分されますが、どちらの場合でも工数管理をしていると効率よく対処できます。それは、工数管理によって積み上げてきた過去のデータを参照すれば、それらとの比較から適切な見通しを立てることができるからです。また、スケジュールを組む際に過去の工数データを参考にすると、前もってトラブルに対応したスケジュールを組むこともできます。

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工数管理の取り組み方

工数管理をするにあたり、管理者は工数のデータをとるため、全従業員に各工程にかかった時間を記録してもらう必要があります。この時、タイムカードなどの紙媒体で行うこともできますが、より簡単かつ正確なデータ収集のためには、電子機器を用いた管理をお薦めします。仕事に取り掛かった時刻と仕事を終えた時刻を従業員に入力してもらったら、管理者は営業日ごとに入力値に誤りがないかをチェックします。こうして日々工数の記録を積み上げ、全ての仕事が終わった後にグラフなどを用いてデータを可視化する、というのが大まかな工数管理の流れとなります。電子媒体をお薦めするのは、こうしたデータの集積やその後の分析、生産性を向上させるための操作の可視化を行いやすいからです。

電子媒体での工数管理には、様々な手段が考えられます。大きく分けると、Excelなどの表計算ソフトを用いた管理と、工数管理に特化した管理ツールを用いた管理の2つが挙げられます。以下では、双方のメリットと注意点を説明します。

Excelを用いた場合

  • メリット
    Excelの最大のメリットは、管理ツールを用いるよりも始めるのに手間がかからないということです。また、使い慣れている方も多いお馴染みのソフトウェアですので、導入にあたっての抵抗感は少ないでしょうし、トラブルが発生しても対処が容易です。
  • 注意点
    Excelは、人員データと労働時間データの蓄積には向いているので、単純な工数管理がしたい場合はこちらで充分だと言えます。しかし、仕事の工程レベルでの分析を行う場合、複雑な操作が増えるため、Excelでの管理には機能的な限界があると言えます。

管理ツールを用いた場合

  • メリット
    管理ツールを用いて工数管理を行う場合、Excelでは限界のある複雑な操作もできるようになります。例えば、コストに対する利益の比較など、経営戦略を考える上で欠かせない情報をExcelと比べて簡単に得られます。現在では、多種多様の管理ツールが開発されていますので、経営者にとっては自社に合った管理ツールを選ぶことができます。
  • 注意点
    工数管理を初めて行う場合は、自社の業種・業態に適した仕様を最初から把握することが困難であるため、管理ツールの導入後にやっぱり違うものの方がよかったと後悔することになるかもしれません。ですので、工数管理を新たに始める際は、まずは有料の管理ツールは避けてExcelなどから試してみる方が、無駄なコストがかからないでしょう。

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まとめ

工数管理をする点で重要なのは、工数の可視化です。それによって、管理者・従業員の双方が仕事を効率的に進めやすくなります。記事中で触れたように、工数管理を行う手段は豊富にあります。まずは、各々の目標を明確に捉えた上で、工数管理によるよりよい環境作りを目指してみてはどうでしょうか。そうして工数管理に慣れてきたら、自社に合いそうな管理ツールを試してみるとよいでしょう。

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