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平成31年度、法人税と消費税の電子申告が義務化へ!税務負担はどう変わる?

企業が法人税と消費税の確定申告を行う際、e-Taxを用いた電子申告が義務化される方針が財務省と国税庁から発表されました。義務化は早ければ平成30年度の税制改正大綱に盛り込まれる模様で、義務化が行われると経理部は確定申告における手続きの変更を求められます。

今回はe-Taxの内容と、義務化でどのような変更点が生じるのかを解説していきます。

e-Taxとは?

e-Taxとは、国税庁が提供している電子納税システムです。e-Taxを利用すると、インターネットを介した法人税や所得税等の国税の納税、申請、届出等の各種手続きが可能となり、従来のように税務署に赴く必要がなくなります。

e-Taxの利用方法

e-Taxの利用を始めるにあたって、いくつかの準備を行う必要があります。

  • 推奨環境を満たしているかの確認
    作成した申告書などをe-Taxで送信するにあたって、パソコンが国税庁の推奨環境を満たしている必要があります。e-TaxはWindowsとMacintoshのどちらでも利用が可能ですが、推奨環境の詳細を満たしているか国税庁HPにて確認してから、e-Taxを利用しましょう。
  • 電子証明書の発行
    e-Taxで電子申告を行う際の作成者の本人確認には、公的個人認証であるマイナンバーカードや、その他機関から発行される電子証明書が必要になります。
    電子証明書の取得には多少の時間がかかるため、前もって準備をしておくとe-Taxの利用をスムーズに行うことができます。
  • ICカードリーダライタ等の取得
    取得したマイナンバーカードなどの電子証明書をパソコンで読み取るためには、ICカードリーダライタや各電子証明書を使用するための専用ソフトを購入する必要があります。
    なおICカードリーダライタは、家電量販店において3,000円程度で購入可能です。
  • e-Taxの利用登録
    e-Taxの利用を開始するには、「電子申告・納税等開始届出書」をインターネット上又は書面で所轄の税務署長へ提出することによって、取得できる利用者識別番号が必要です。
    その後、利用内容の変更があった場合や利用者識別番号が失効した場合などは、変更等届出書の提出が適宜求められます。

 

電子申告義務化とは?

財務省と国税庁は、企業が行う法人税と消費税の確定申告について電子申告を義務化する方針を発表し、義務化は早ければ平成30年度の税制改正大綱に盛り込まれる予定です。

義務化導入の背景としては、e-Taxの利用率の伸びが鈍化してきていることにあります。業務効率の向上など様々なメリットがあるe-Taxですが、現状では書面とオンラインの両方の事務手続きが共存している状態にあり、当初想定されていたe-Taxの利用による業務効率の向上が存分に発揮されているとはいえません。

また、以前よりe-Taxは、スマートデバイスへの対応やバックアップシステムの構築、機器の集約による導入の煩雑さとコストの軽減などが課題として指摘されており、義務化にあたってこれらの懸念事項も同時に改善が見込まれています。

 

電子申告のメリット

電子申告が義務化される要因には、以下のように納税者・行政側の双方にメリットがあることが背景にあります。

納税者のメリット

  • 税務署に赴く手間が省ける
    e-Taxの利用により、税務署や金融機関に赴く手間を省くことができます。確定申告の期間中、e-Taxを利用した電子申告は自宅や会社等からインターネット上で24時間いつでも行うことができるため、結果として業務効率の改善につながります。
  • 利用のインセンティブ
    書面での確定申告で還付申告書を提出する場合、申告書提出から還付が行われるまでに、一般的に6週間ほどの期間を要します。
    一方、e-Taxによる電子申告で確定申告をした場合、インセンティブとして申告書提出から還付までの期間を3週間程度短縮することができます。
  • 書類添付が不要
    書面での確定申告の場合、医療費の領収書と源泉徴収票の添付が必要でした。
    しかしe-Taxによる電子申告では、以上の書類の添付が不必要となり、結果として事務の作業工数削減やペーパーレス化につながります。

行政側のメリット

  • 事務作業が省ける
    確定申告の期間中は多くの人が税務署の窓口に集まり、受付と入力の事務作業は膨大になります。e-Taxによる電子申告が義務化にされた際には、こうした混雑は解消され、事務作業の大幅な軽減が見込まれます。
  • 保管作業の軽減
    従来、税務署は窓口で受け取った申告書の記載内容をデータとして入力した後、まとめて保管していました。電子申告が義務化されると申告書がデータ化されるため、一連の手順は全て省かれ、ペーパーレスな事務処理を行うことができます。

 

手続きの変更点

e-Taxでの申告が義務化されるにあたり、名前等を明らかにする手続きにおいて以下の変更点があります

  • 書面での申告
    書面での申告の場合には、法人税法第151条において経理責任者の自署又は押印が義務とされています。
  • e-Taxでの申告
    電子申告においては上記の捺印や署名を反映することはできないため、代わりに経理責任者の電子署名及び電子証明書の添付が必要になります。

こうした手続きの変更に伴い、社内規定やルールなどを変更しなくてはならない状況も起こりえます。電子申告の義務化が始まる前に、電子証明書の管理者や保管方法などのルールを取り決めるなど、十分な事前準備を行いましょう。

 

まとめ

電子申告の義務化は、納税者と行政事務関係者の双方に対してメリットがあります。しかし、e-Taxの利用開始に先立って、システム・社内規定の両方において事前準備が必要となります。義務化開始の時に慌てないために、早めに準備を進めておきましょう。

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