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【2024年4月更新】育児介護休業法とは?これまでの改正・ポイント・企業がとるべき対応について徹底解説!

2023年4月より育児・介護休業法が改正されました。現在、育児・介護休業の取得率は向上しつつあるものの、現役世代のニーズに合わせた、より柔軟性のある内容に変化させなければなりません。2022年4月の改正では、育児休業が取得しやすくなるように環境を整備することが義務付けられました。また2022年10月には、女性に比べて取得率の低い、男性の育児休暇取得を促進させる改正が行われました。それに加え、2023年の改正では育休取得状況の公表義務の拡大が行われました。今回は、具体的な改正の内容や改正のポイント、そして、企業が取るべき対応について解説します。

育児・介護休業法について学ぼう

育児・介護休業法とは

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、通称「育児・介護休業法」は、仕事と家庭の両立を支援し、男女ともに育児・介護をしながら働き続けられる雇用環境を整備することを目的に制定されました。「就労」と「結婚・出産・子育て」、あるいは「就労」と「介護」の二者択一構造を解消し、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)を目指すため、企業が守らなければならない措置をまとめています。育児休業・介護休業の規定については、大まかに以下のように定められています。

  • 育児のための支援制度
    労働基準法で定める産後休業に引き続き、子が1歳に達するまでの間は、育児休業ができます。また、一定の場合は、子が1歳6か月、または2歳に達するまでの間の取得も可能です。そのほかにも、子の看護休暇、転勤への配慮などについて定めています。
  • 介護のための支援制度
    労働者がその要介護状態(負傷、疾病又は身体上、もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するための休業について定めています。介護休業は、介護が必要な対象家族1人につき、通算93日まで取得できます。この休みは3回まで分割して取得可能です。そのほか介護休暇などについて定めています。
  • 共通する支援制度
    育児・介護する労働者が、無理なく働ける環境を構築するために、所定外・時間外労働の制限、深夜業務の制限、短時間勤務制度などを定めています。

育児・介護休業法が改正された背景

育児・介護休業法は、制定時より変わらない理念・目的のもと、時代の変化に即応するため重ねてきました。主に以下のような事項が、育児・介護休業法のキーワードとして掲げられています。

  • 少子化対策
  • 女性労働者が活躍できる職場づくり
  • 高齢者の増加にともなう介護ニーズに対応できる社会づくり
  • 育児・介護と就労の両立による、雇用継続・雇用の安定化

上記の項目は、育児・介護休業法の前身である「育児休業等に関する法律」の1991年における制定以来、少しずつ経済社会に浸透しています。しかし、休業取得の柔軟性や男性の育児・介護休業の取得状況にはいまだ課題があり、行政によるさらなるテコ入れが必要です。改正育児・介護休業法では、育児・介護休業がより取得しやすい労働環境の構築を目指した内容となっています。

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2022年4月の育児・介護休業法の改正のポイント

雇用環境整備などが義務化

企業に対し、休業の申出・取得をスムーズにするための雇用環境整備を義務化しました。また、妊娠・出産の申出をした従業員に対して、個別の制度の周知と休業の取得意向の確認を行わなければなりません。

妊娠出産の申し出をした従業員に対する個別の周知と意向確認措置

本人や配偶者の妊娠出産を申し出た従業員に対して、授業主は育児休業制度等に関する事項の周知と休業の取得以降の確認を個別に行わなければなりません。具体的に、企業は育児休業を希望する従業員に対して、育児休業・産後パパ育休に関する制度を説明しなければなりません。また、従業員が連絡するべき申し出先を周知する必要もあります。

有期雇用労働者の要件緩和

2022年4月の改正以前は有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得に関しては、「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」という要件がありました。2022年4月の改正では、この要件が廃止され、極端なケースでは入社直後であっても育児休業が取得できるようになりました。ただし、労使協定を締結した場合は、雇用期間が1年未満の労働者を対象から除外できます。

    

2022年10月の育児・介護休業法の改正のポイント

出生時育休の創設

2022年10月の改正以前は、育児休業の取得は、子1人につき原則1回までしか取得できませんでした。男性については、子の出生後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度育児休業を取得できる「パパ休暇」の制度がありますが、この制度を使っても3度目の育児休業は取得できません。
2022年10月の改正で創設された「出生時育休」は、子の出生後から8週間以内に、男性による4週間までの育児休業取得可能にします。なお、この休業は、2回まで分割して取得できます。この出生時育休によって、産後の最もサポートが必要な時期に柔軟な育児休業取得が可能になりました。
また、改正以前の制度では、育児休業の取得は、原則1ヶ月前までに申し出る必要がありましたが、2週間前までに申し出れば良いことになりました。加えて、労使協定を締結したうえで、休業中に就業することも可能です。

育児休業の分割取得が可能

前述の出生時育休を除く通常の育児休業についても、分割して2回まで取得することが可能になりました。

    

2023年4月の育児・介護休業法の改正ポイント

育児休業の取得状況公表の義務化

2023年4月の改正によって、従業員1000名を超える企業は、「男性従業員の育児休業取得率」または「育児休業・休暇の取得率」を年に1回公表しなければならなくなりました。

 

育児・介護休業法の改正で企業が行うべき対応

就業規則の改定

育児・介護休業法ので、これまでと育児・介護休業の運用が変わった点を、就業規則に明記しましょう。特に、労使協定が必要とされる、「有期雇用労働者の取得要件」や、「育児休業中の就業」に関しては、明確に定めておく必要があるでしょう。

育児・介護休業を取得しやすい環境の整備

育児・介護休業の取得を阻害する要因が生じないように、職場環境の整備を行いましょう。ハラスメント防止のための研修の実施や、相談窓口の設置のほか、急な欠員が出ても事業運営に支障をきたさないための人員増強も大切です。

育児・介護休業取得状況の把握

従業員本人の事情である場合を除き、配偶者の妊娠や、親族の介護状況に関しては、企業がリサーチしなければ直前まで把握できない場合もあるでしょう。育児・介護休業に対して柔軟に対応するためには、ある程度、社内の従業員の状況を把握しておく必要があります。休業取得の可能性がある場合は、早めに人員の増強をしたり、オペレーションを整えたりすると良いでしょう。

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まとめ

一般的に、労働者が働き盛りの時期は、出産・育児の時期と重なります。少子高齢化が進む現代では、ここに親族の介護が加わる人も少なくありません。これまでの改正で、育児・介護法は、現代のニーズをより反映した内容に整備されました。企業においても、これまでの改正の主旨を理解し、より多くの労働者が、仕事と家庭を両立し、それぞれが充実したものになるようサポート体制を整えましょう。

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