業務効率化に貢献! システムを一元管理するERPとは?

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公開日:2018.5.23

ERPは、会計管理や人材管理など、企業経営に欠かせないシステムを一元管理できるシステムです。ERPを導入すれば、業務の効率化・可視化など様々なメリットがありますが、それぞれの会社の業務プロセスに適合しているかなど、いくつか注意しなければならない点も存在します。今回はそんなERPについて、導入によって得られる効果、メリットとデメリットを解説します。

ERPとは?

そもそもERPとは”Enterprise Resource Planning”の略で、直訳すれば「企業資源計画」となりますが、企業経営の基本となる資源であるヒト・モノ・カネ・情報の4つを最適化するための経営戦略を意味します。しかし最近ではERPの語義が限定され、本来の「ERP戦略」を実現するためのソフトウェアである統合基幹システムを指すようになってきています。この記事でも、以下ではERPを統合基幹システムの意で用います。

より具体的に言うと、ERPは会計管理・人材管理・生産管理・販売管理などで用いられる情報を一元管理するシステムとなっています。従来であれば、これらの情報は営業部門や経理部門などが部門ごとに、異なるソフトウェアを用いて管理していました。このような情報管理は、違う基準の下に割り出されているためにデータ間で数値のギャップが生まれたり、欲しい情報を担当部門から入手するのに手間がかかったりするなど、非効率的な点が多々ありました。対してERPは情報を一元管理するシステムなので、企業内の情報をより適切に、より効率的に扱うことができます。

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ERPを導入するメリット・デメリット

ERPを導入するメリットとデメリットを確認して、ご自身の企業に必要かどうか検討してみましょう。

メリット

  • 情報活用が進む
    ビックデータから情報を分析する際に、分散した情報や尺度の違う情報が含まれると整理に手間がかかってしまい、リアルタイムに分析することが難しくなります。しかし、情報を最初から一元管理していればその手間が省かれ、企業内での情報活用が進むものと考えられます。
  • システムの連携が可能
    企業内の情報が一元管理されているため、他の部門との連携がより容易になります。たとえば、受注、製造を行う際に、どの材料がいつ届き、どの程度在庫があるかなどの情報が自動的に共有されるので、生産部門と販売部門、営業部門の連携がより効率的に行うことができます。
  • 業務の効率が上がる
    情報が一元管理されていないと、同じ情報を複数のシステムに入力しなくてはならないなど、非効率的です。また、このような工程はヒューマンエラーを誘発し、トラブルの元となる可能性があります。情報の一元管理は、業務の効率を上げ、生産性向上に繋がると言えるでしょう。
  • スピーディに経営戦略を立てられる
    経営状況を確認する際には、従来は各部門が管理する情報を吸い上げて一覧化し、総合的に判断するという手順を踏みましたが、ERPで一括管理された情報から、総合的な経営状況を一気に確認することができます。情報の見える化に要する時間が短縮されたことで、よりスピーディな経営戦略を立てることができます。また、ERPのなかには経営分析機能を備えたものもあり、これを活用すればさらなる効率化が望めます。迅速な経営判断が求められるような業種では、特に重宝されるでしょう。

デメリット

  • コストが高い
    ERPを導入する際には、大きなコストがかかることを認識しなくてはいけません。ソフトウェアのライセンス料を払うだけでなく、ERPのコンサルタントを雇う必要があったり、アップグレード費用がかかったりするなど、購入後にも多額の維持費用がかかることがあります。数年先を見据えてコスト計算をして、本当に自社にとってプラスになるかを判断する必要があります。
  • データ修正が大変
    一元管理されてデータが見やすくなった反面、データを修正する際には元々入力したシステムを辿ってそこから入力しなくてはいけないことが多く、手間がかかります。
  • 企業によっては適合しない可能性がある
    ERPは企業全体で取り組むことによって効果を発揮します。しかし、古い慣習を重んじるような企業では、急進的な変化を嫌って従来のシステムとERPを二重で使うという部門などが生まれ、情報の遅れでリアルタイムな経営分析ができなかったり、手間が増えて業務効率が悪くなったりすることも考えられます。
    また、ERPは経営戦略で力を発揮するものですが、そもそも経営者にERPを使いこなすだけの知識や技量がない場合などは、コストに対する効果が薄れる可能性があります。

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ERPを導入する際のポイント

  • 導入する目的を明確にする
    ERP導入におけるありがちなミスとして、とりあえずERPを導入することが目的になってしまっているケースがあります。これでは、どのERPが企業の生産性を上げるのに最適か明確でなく、逆に効率が悪くなってしまうこともあります。そのため、情報管理に関して自社が抱えている問題を洗い出してから、その問題の解決にERPが資するのかを充分に検討してから導入するようにしましょう。
  • 企業のスタイルに合っているか吟味する
    ERPは、企業の経営スタイルに合わせてカスタマイズし、最適化していく必要があります。たとえば、ERPにはクラウド型と自社サーバを用意するオンプレミス型の2種類があり、前者はオフラインで利用できないこと、後者はセキュリティ管理に費用がかかることなどのデメリットが存在します。どちらが自社のスタイルに合っているかなどを、総合的に考えなくてはいけません。

 

まとめ

今回は、ERPについて解説してきました。ERPは、情報管理を効率化してくれる非常に便利なツールです。各企業に合わせてカスタマイズすることもできるので、ご自身の会社に合ったERPを利用して、生産性を飛躍的に向上させましょう。

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